私と鈍色の鋼鉄――「ラストリゾート」論




  このゲームは、以前にも取り上げたことがあったのですが、その時は何せロクにプレイもできず、結局のところ小学生の時分にわずかにプレイした記憶を中心に書いたので、 あんまり納得のいくような内容ではなかったのですね。

 最近、これをまじめにプレイする機会があって、実際にやってみると、非常に作りこまれた……大変に面白いゲームであることに気づいたのですね(いまさら?)。

 それで、もう一度改めて書いてみよう、と。そう思った次第です。……なお古いテキストをもとに書いているので、重複するところがありますが、以前に書いたものもそのまま 残しておきます。



 西暦2XX0年、人類は宇宙へ進出をはじめ、銀河系の多くの惑星に都市が築かれるまでになっていた。 そんなある日、中枢系統を司る第3コロニーにウイルスが侵入。 ウイルスは意志を持ち始め、コロニーの人々は次々と機械生命体にされてしまう。 急遽彼らを救う作戦が計画された。 作戦名は「ラストリゾート」。

 といったわけでMVS初の横スクロールSTG、また私がたぶんアーケードで初めて本気で取り組んだ横スクロールSTGがこの「ラストリゾート」でした。

 基本的には自機に「ユニット」という、無敵で敵弾も一部を除いて吸収してくれる、R−TYPEで言うところのフォースに相当するものが、アイテムを取るとつきまして、これを活用して激しい攻撃を切り抜けていきます。

 「激しい攻撃」と書いたのはその通りですが、そこは「R−TYPE」を手がけたスタッフなので、その場所に適した武器を使うとグッと楽になります。ちなみに記号は3種類、それに加えて赤と青の組み合わせで6パターン ありますが、色も含めて同じ物を取らないとパワーアップしません。と思っていたのですが、そうではないようです。

 武器の種類を説明します。

 「L」……水平方向に飛んでいくレーザー。パワーアップすると自機の回りから輪っか上のレーザーを繰り出すことができる。見た目通りの「対空レーザー」で、敵を 水平方向に発射するビックバイパーのアレみたいなのは敵を貫通する。見た目と攻撃範囲はともかくそこそこ使える。

 「M」……後の「雷電」シリーズにおけるレーダーミサイルみたいなもの。まっすぐに、ある程度敵をサーチしながら飛んでいく。パワーアップすると一度に発射できる 数が増える。破壊力もそこそこあり、上下に広がるので、ある意味一番安心感のある武器。見た目が派手なので一番威力があるように見えてそうでもないとか。よくわかりません。

 「G」……対地ミサイルです。グラディウスの2ウェイのように上下に飛んでいきます。1面では確認できませんが地面に当たると爆発し、パワーアップするとこの 爆発がドドドッと進みます。一見すると何の役にも立たないように見えますが、2面の中盤、上下に砲台が待ち構えている場所では威力を発揮します。レーザーなんかで 行くと弾幕系シューティング並の微妙な弾避け作業を強いられます。


   で、こういった武器を駆使しながら進んでいきますが、ショットだけではいくらパワーアップしても硬くて硬くて大変にしんどい敵もたくさんいます。そういう時、 「R−TYPE」ではどうしていたかというと、言うまでもなく元祖溜め撃ち? である「波動砲」を目撃ドキュン! とぶっ放して、あまたのパイロットがバイド帝国を 壊滅させていたところですが、本作でも溜め撃ちは最強・最重要攻撃手段であります。


こちらでの溜め撃ちは、先に触れた「ユニット」をぶつけることでなんですが、赤と青でどう違うのかというと、どうやら壁にぶつけた時の動きのようです。これは あくまで私の体験的なものに基づくものですが、赤い方は壁にぶつかると地面を這いまわり、青い方は逆に跳ね返るみたいです。どっちがいいのかというと断然赤い方であり、 最終ステージなどではその効果は絶大なのであります。

 なお、攻撃ボタンの隣にあるボタンを押すことによって、飛びはしませんが自機の周りをくるくると回ってくれます。正確には「固定・および固定解除ボタン」でありまして、まあ最初は前にくっつけときゃいいじゃんって思っていたんですがやはり後ろにあった方がよかったりなんだりと、やりこむほどに使用頻度が上がるのではないかと思います。

 というわけで、そんな感じでゲームを進めていきますが、やはり特色はその圧倒的に美しいグラフィックであると考えます。

 ゲームを始めると、とりあえずショット一発で破壊できる空中物が編隊をなして飛んできます。撃ちます。すると爆発するだけでなく、パイロットが飛び出して落ちていくんですね。かつてともに戦った、同じ人類(だった者たち)……「戦闘機や戦車には、当然それを操縦するパイロットがいる」というコンセプトをこれほどまでにプレイヤーの眼前に突きつけたSTGは他に例を見ません(ちょっと言い過ぎ)。

 それでなくても中間色を多用した、俗に「アイレム塗り」と呼ばれる、鉄の重さ・硬さを存分に表現した美しさは健在でありまして、特にステージ2の、雨が降っている廃墟ステージなんかは一番好きなところです。


 ……といったわけで、とりあえず書いてみました。攻略とか語れるほど上手ではないので、武器の紹介で書いた「2面の中盤はGがいいですよ」とか、そんなもんです。

 ただ、昨今のハデハデなシューティングにはない何か、何度も何度もプレイしてようやく見えてくる何かみたいなものがあるのかな、と。そんなものの片鱗をチラッと見たような気がします。 といって別に私は「わかる人」を自称するわけではないのですが、そうでも考えないとどうしてこんなに好きなのか、よくわからんのですね。

 だから、まあ、もうしばらくやりこんで、何かわかったらまた書こうと思います。以上です。オチはありません(えっ?)。

 


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