私ときらめき/ときめき ――「コラムス」論



 落ち物ゲーム、というとまあ色々ありますよね。

 世界的に有名なものといえば言うまでもなく「テトリス」ですし、国内では「ぷよぷよ」なんかは、開発もとのコンパイルがとうにぶっつぶれてしまいましたが、その 遺志を継ぐ人々によって続編が出ています。それ以外にも私はやったことはありませんがコナミの「ぱずるだま」なんていうのもありますし、果てはストリートなファイターの 人たちまで落ち物ゲームにさせられた(?)こともありました。

 昨今は、一時ほどのブームも収まりましたが、それでも「テトリス」とか「ぷよぷよ通」とかは、今でもゲーセンや、はたまた場末の温泉宿・健康ランドのゲームコーナーで ひっそりと稼動しているのを見ることも、そうそう難しくはありません。かく言う私も、散々やりまくったにもかかわらず、ついついふらりとプレイしてしまいます。


 ところで、そういった落ち物ゲームの中で私が一番好きなのが「コラムス」なんです。これ、私としてはもうスタンダード、誰でも知っていて当たり前だと思ったのですが、 学生時代に回りの友人に聞いても、誰も知らなかったんですよね……。

 だから、私が思っているよりもマイナーなのかもしれないのですが……まあ、どちらでもいいや。とにかく今日はサッと書きます。気合が入りすぎて途中でストップしてしまう ことがしばしばなので、今日は思ったことを中華料理屋のチャーハンの如くサッと書きます。それでも味付けにはきちんとこだわりたいと思いますので、よろしくお願いします。なんだそりゃ。


 「コラムス」は1990年にセガから発売されたアーケードゲームで、操作はレバーとボタンひとつ。3個セットで落ちてくる宝石をボタンで並び替えて、タテ・ヨコ・ナナメに3つ並べると消える。以上。

 まあ、こんなことはインストカードなりデモ画面なりを見ればわかることなのですが、やはり操作はシンプルな方がよろしい。取っ掛かりは誰でもよくて、そこから突き詰めるとなると千里の道が続く…… というのが私の考える理想のゲームなのですが、これもまさにそんな感じ。とにかくルールは簡単で、すぐに理解することが出来ます。そしてハイスコアを目指すとなると、 「ぷよぷよ」にも似た緻密な連鎖のための布石が必要になってくるのですが……。


 ここからが肝心なのですが、このゲーム、適当にプレイしていても結構、連鎖が来るんですね。何となればやはり「ナナメ」に3列に並べても消えるからでして、プレイヤーも 想像していないような連携が時々起こり(私は「偶然連荘」と呼んでいます)、高得点もさることながら、非常に気持ちがいいのですね(宝石が消えるときの「シャリン」という音もその気持ちを強くするのかな)。

 さらにある程度の個数を消すと、時々虹色に輝く「魔法石」というものが落ちてきます。これは触った色の宝石をすべて消滅させるミラクルアイテムで、運がよければもはや これまで! な状況をいっぺんにひっくり返すことが出来ます。

 「テトリス」とか「ぷよぷよ」だと、ある程度詰まってくるとそのまま積み重なってアウトになってしまうものですが、 これは最後まであきらめずに、少しずつでも消していけば光明が見えることもある……というわけですね。


 というわけで、ゲームシステムの部分を色々と書いてきましたが、そのゲームを盛り上げるのが見た目と音楽です。

 私は別にロマンかがやくエステールだの、ココ山岡から18カラットのダイヤモンドリングだのといった話にはまるで興味がなかったのですが、このゲームをやっていると 宝石というのがどうしてもてはやされるのか、わかったような気がします。ルビーだのエメラルドだのアメジストだのといった宝石がキラキラと降ってくるのは、 見ているとなるほど、「綺麗だなー」と思わないこともありません。……いや、はっきりと思ったのですね。「綺麗だな」と。

 それが嵩じて、以前にはついにアメジストを買ってしまいました。もっともこれは「はるかな空の東」という物語の影響の方が強く、それにいわゆる磨き上げられた ものではなくて原石を勾玉形に削りだしたものに紐を通しただけなので、どちらかというと邪馬台国なアクセサリなのですが、それでも「コラムス」をやらなければ何の 興味をもつこともなかったことでしょう。

 あとは、音楽。これが非常に落ち着いた感じの、ちょっと暗くてもの悲しい空気さえ感じられるようなBGMがいいのですね。……それが通常時の音楽で、ピンチになると テンポの速い、ちょっと切羽詰ったような音楽に切り替わり、ゲームオーバーになると「残念でした。でもまた次がんばってね」といったような、少しだけ明るい音楽で 締めくくられます。

 私の文章力ではとても上手に伝えることが出来ないのですが、まだハナタレの小僧だった時代に初めて触れ、以来ず〜っとそのロマンティックな世界に引き込まれて たゆたうことが出来たのも、ここまで印象的なイメージをもつことが出来たのも、この音楽がすべてであるように思います。



 「コラムス」には続編がいくつかあります。

 初めからある程度積みあがった宝石の中に埋もれた光る宝石を消す「コラムスU」、「ぷよぷよ」のようにコンピュータと邪魔したりなんだりしながら競う「スタックコラムス」、 そして初代と同じようなシステムでありながらポリゴンで宝石をよりいっそうキラキラにして、ついでに当時のセガで流行の? 段級位システムを搭載した「コラムス97」……。

 このうち「コラムスU」「スタックコラムス」は、私はあまり好きではありません。「コラムス97」はシステムが同じですし、音楽がゆったりしていて非常に綺麗 なのですが、私はこの段級位システムがよろしくないと思います。何となれば私にとってコラムスは、1秒でも長くその幻想世界に浸るためのゲームであって、テクニック 等々を競うためのゲームではないからです。

 あと、何となく上手に進まないのは何でだろう。宝石がポリゴンになって、見づらくなっちゃったからかな。よくわかりませんが、そういう意味でこれもまた初代よりも好き、というところ まではいかないのが正直なところです。


 テトリスが「シンプル」、ぷよぷよが「可愛い」といった雰囲気を押し出してきたのに対して、「綺麗」という言葉を押し出してきたコラムス。西洋文学かぶれな御仁で あれば、きっと気に入るはず。ちなみに私が持っているのはセガサターン版ですが、今ならセガエイジス版があるのかな。また変化球としては「花組対戦コラムス」 なんていうのもありますが、これは一応は手元に抑えているものの、サクラ大戦がそれほど好きでもない犬神はいまだに起動せず、オリジナル版ばかりやっているところです。

 

 


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