クレーンゲーム色々(タイトー)

それは確かにゲーセンの『花』だった
――あの頃のクレーンゲームを振り返って(タイトー編)





 何でいきなりこんなテーマで記事を書こうかと思ったかというと、昨日(2012年2月2日)、何年かぶりにクレーンゲームでぬいぐるみを獲得することが 出来たから。ここ数年は魅力的な景品がなかなかないこと、あっても犬神にはちょっと難しいものばかりで手が出ないこと、 気まぐれに手を出してもダメだったこと……と、まあ色々あったのです。

 ただ、今回行ったところは今時珍しくアームの力がしっかりしている筐体だったので、ツメがぬいぐるみとぬいぐるみのすき間に刺さって、ちゃんと引き上げる ことが出来たんですよね。あとは大人の経済力で何とかしました。先月とうとうグランドフィナーレを迎えた『スイートプリキュア』のぬいぐるみでした。

 あとはこないだ、冗談でクレーンゲームの音楽のことを検索してみると、ニコニコ動画でアップロードしている人を発見したことも、動機となりました。 結構好きな音楽はたくさんあるものの、一部を除いてCD化しているわけでもないし、筐体それ自体も古いもんだから、ないだろうと思っていたのですが……ス、スゴイ。

 そんなこんなで、機運が熟したというか、そろそろ私の思い出の中だけでモヤモヤさせておくのではなく、ちゃんと言葉にしておきたいな。そう思ったので、かなり プライベートなところが含まれるとは思うのですが、書き出していきたいと思います。


 やる気があるのかないのか――『ティンクルティンクル』


BGM(ニコニコ動画)


 たぶん私にとってのタイトー系クレーンゲームの元祖が、この『ティンクルティンクル』です。盛岡市肴町にあるゲーセンの店先にあったのが、これでした。詳しい 資料がないので年代はわかりませんが、1991年に名機『カプリチオ』が出たということは、80年代末に作られた筐体でしょう。ということは犬神もまだまだ1ケタ台の ジャリボーイでした。

 当時すでにビデオゲーム(特にアーケードゲーム)への情熱が高まり始めていた時代ではありますが、まだまだプレイするのはデパートなどのゲーム コーナー。閉ざされたドアの向こう側にある『ゲームセンター』はちょっと怖くて、保護者同伴でもなかなか入ることが出来ませんでした。

 そんな雰囲気をやわらげてくれたのが、店先にあったこの筐体。賑やかな街中でもよく通る音源で奏でられる楽しげな音楽と、ガラスケースの向こう側にぎっしりと 詰まっている可愛らしいぬいぐるみ。当然ながら興味津々なんとかぬいぐるみが欲しい! という思いに駆られてしまいます。

 ところが、後の『カプリチオ』と比べて、この筐体のアームは……なんか、すごくやる気がないというか、頼りないものだったように思います。今時の機械であれば (程度の差こそあれ)ググッと突き刺さる、または突き刺そうと努力するものですが、この筐体はそういうのがなかったような気がします。なんか、クレーンの先についた ツメの重さ分だけしか刺さらないというか、「カサッと」引っかかるだけだったような気がします。

 非常に思い出深い音楽(ニコニコ動画でいえば2曲目)の割に、ぬいぐるみを取れた記憶がない、悲しい 筐体なのであります。




 あなたの利益をガッチリつかむ! ’91――『カプリチオ』


 BGM(ニコニコ動画)


 上記キャッチコピーは同社の初期(1960年代)のクレーンゲーム『クラウン602』のチラシに記載されていた謳い文句ですが、 この初代カプリチオは本当にいいデザインであった……という記憶があります。

 というのは、今に至るまで大体のクレーンゲームのツメというのは丸みを帯びたものですが、これは幅広のもので、かなり取りやすかったように思います。 またツメ自体もギザギザの、先割れスプーンみたいなデザインになっていたので、これがぬいぐるみの頭の上のヒモとかに引っかかったりしてくれたこともありました。

 ヒモに引っ掛けて山の中から強引に引っこ抜くというのは定番のテクニックですが、これがやりやすい印象ですね。 『ティンクルティンクル』と違って、こちらは色々と楽しい思い出もあります。

 その一方で、世の中にもクレーンゲームのブームが来ていたのか? キャラクタのぬいぐるみが出始めたのもこの頃だったような気がします。いわゆる検品漏れの ぬいぐるみから、『プライズ専用』に変わった頃ではないでしょうか。

 私もまた両親や祖父に泣きついて、何百円と筐体につぎ込んでいました。記憶にある最大の投資は……1800円くらいかな。ただし、それはセガの『UFOキャッチャー』 だったので、また別な項目で書きます。

 そんな感じで血みどろになりながらプレイしていたので、ルーレットで当たりが出るともう1回できるというサービスは非常に嬉しかったです。10回に1回くらいは 当たったような気がします。つまり10回くらい連続でプレイしたことがあるということです。

 

 愛と哀しみのラッキーセブン――『ニューカプリチオ』


 BGM(ニコニコ動画)


 92年にデビューした、ランプがクルクル回る昔の自動販売機みたいな当たりくじ機能をデジタル表示の3桁のスロットマシンにした新型機です。同時にピンクの キラキラした筐体にリニューアル。いよいよもってゲーセンが華やかな雰囲気になりました。

 そういうこともあってなのか、この筐体は結構ロングセラーというか、21世紀に入っても盛岡市の中心街にあるタイトー直営のゲーセンにあったような気がします。

 内部の当選確率みたいなものはわかりませんが、やっぱり3桁の数字が揃わないといけないから? 何となく、当たりづらくなってしまったような気がします。それでも 何回かに1回はスリーセブンが揃った記憶があります。


 あと、この筐体で取った記憶があるのは不二家の『ペコちゃん』のぬいぐるみ。そこそこ大きなやつです。

 社会人1年生だった犬神が、初めて迎えたクリスマスイブの日。特にすることもなく街をうろうろしていましたのですが……クリスマスですからね、まあそういう、 賑やかなもんですよ。連れ立って歩く人たちもたくさんいますよ。それに対して、私ときたら……と、気温以上に風が冷たく感じる状況ではあった私。 そんな寒さ寂しさ? を紛らわすべく、筐体の中のペコちゃんポコちゃんを相手取り、大勝負をけしかけたのでした。

 持ち上げては落とし、持ち上げては落とし……を繰り返すこと三十数度(!)。何とかペコちゃんをゲットしました。さらにポコちゃんもゲットしようとしたのですが、 あろうことか景品取り出し口への筒の手前、どう頑張ってもクレーンが移動しない場所にスポッと落ち込んでしまって。わざわざ店員さんを呼んで配置換えしてもらって まで欲しいわけでもなかったので、そのままペコちゃんだけを持って帰ってきました。

 もはや病的というか、「どうかしてるぜ!」という話なのですが、そんな悲しい? 思い出もある『ニューカプリチオ』。今でも時々スーパーのゲームコーナーで 音楽を聞くこともある、ロングセラーな筐体なのです。



 おわりに


 というわけで、私が小学生の頃によくプレイしていた筐体をいくつか紹介してみました。画像に音楽と、なかなか充実した? 内容のように見えますが、本文が私の 個人的な思い出に終始しているので、なかなか他人様の役に立たないのが難点でしょうか。
 
 それはともかく、やはりクレーンゲームの筐体というのは、それまでの閉鎖的な雰囲気を打ち破り『アミューズメント』という言葉を浸透させた立役者である、と 思いました。実際にクレーンゲームの音楽に引き寄せられた私はそう思います。

 今は景品も高級化高難度化し、以前のように気軽にプレイすることもありませんが、やはりクレーンゲームはゲーセンの花。雰囲気がパッと明るくなるのです。それは 認めますから、私のようなオールドゲーマーも遊べるような昔ながらのビデオゲーム(体感ゲームも可)も増やしてくださいお願いします。





 追記:こんなクレーンゲーム知りませんか?
    ――幻のクレーンゲーム『とれとれボーイ』



 BGM(楽譜が読めない私が記憶を頼りに作ったmidi)


 これはさすがのニコニコ動画にもありませんでした。それどころかこの筐体の情報さえどこにもなくて、かろうじて引っかかったのが『返却口ケガ対策』リストだけ、という幻もいいところのクレーンゲーム『とれとれボーイ』について。

 これは上記のものと少し違って、いわゆる小型景品を専門に取り扱う省スペース型のものです。セガの『UFOキャッチャーミニ』と『BABY UFO』の中間くらいの大きさで、 アーム部分が『ティンクルティンクル』と同じものなので、たぶんカプリチオ以前に出たものでしょう。

 特徴としては景品取り出し口へ落ちる穴が筐体の中央にあり、その周りを景品がグルグル回っていることです。プレイヤーは左右どちらかにクレーンを移動させ、 任意のタイミングでクレーンを下降させます(この時は景品の回転が止まる)。

 その昔、久慈市の海のそばにあった国民宿舎『北限閣』のゲームコーナーにあったこの筐体から流れる音楽、どことなくもの悲しいような、そんな感じがしました。 まあフロアの隅っこに寄せられた、人気がまったくない寂し〜いゲームコーナーだからそう思ったのかもしれませんが。

 後に盛岡市の『トイザらス』のゲームコーナーで再会し、懐かしさも手伝って何度もプレイしましたが、そのゲームコーナーも閉店してしまった現在、ずっと ご無沙汰になってしまいました。せめて写真でも撮れれば……と思っています。もし画像とか、目撃情報などありましたら、 ブログにでもコメントを寄せていただければと思います。


2015年7月28日追記:

その後、本当にブログにコメントを寄せて下さった方がいました。それどころか動画をyoutubeにアップロードして下さったのです!……早速、視聴し、懐かしさにしばし涙ぐむ34歳……。

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