私とローンレンジャー(?)
 ――『ブラッドブラザーズ』論


 小学生のころはゲームのタイトルを覚えることなどまれであり、とにかく「面白いか面白くないか」ということが興味の中心でありました。――しかしながら中には面白かったのだけれどゲームのタイトルがわからない、なんてものもありまして、人に聞こうにもなかなか要領を得ないというもどかしさを感じておりました。
 しかしながら昨今はインターネットというきわめてありがたいものがありますゆえ、それでもってアレコレ捜索すれば、まあビデオゲームに関して言えば大概のものは見つかりますよね。以前も、フルスロットルという、レビューの中にもあるゲームが「タイトー」で「ニトロ」と入力するだけで、出てきたくらいですから……。
 さて今回取り上げる『ブラッドブラザーズ』も、そんな感じのゲームでした。小学生のころにやった、なんだかタイトルは知らないけれど妙に面白いゲーム……西部劇のガンマンが二丁拳銃でバンバン撃って、ステージクリアをすると踊りながら彼方へ去っていくゲーム……そういうものを長らく暖めていたところ、最近になってようやくタイトルを確認したというわけでした。

 1990年にTADコーポレーションという、ちょっとマイナーな会社から発売された同作は、よくはわかりませんがとにかく1Pが西部劇のガンマン、2Pがインディアン(ネイティヴ・アメリカンと言った方がいいのかな)で、画面の手前から奥の方に向かって銃を撃ちまくるというシステムとなっております。何タイプというのか知りませんが、真っ先に思いつくのはやはり「NAM-1975」ですね。あとは『ダイナマイトデューク』とか。
 使用するボタンは3つ。ひとつは言うまでもなくショットですが、もうひとつが緊急回避(横にゴロゴロ転がる)、さらにもうひとつは手投げ弾です。どれもこれも結構連射が利くので、もし連射スイッチがあればマシンガンのごとく乱射することができます。
 そういうわけで連射スイッチがあるところだと非常に楽しいのですが、さらにその楽しさに拍車をかけるのが、建物だろうと何だろうと片っ端から破壊できるということです。ステージ1では西部の街並みがあるのですが、これを撃ちまくると見る見るうちに弾痕が増え、やがてゴゴゴーッといって崩れ落ちます。これがめっぽう楽しいものだから、犬神などはつい敵を撃つより早く建物を撃ってしまいます。
  で、ステージクリアの条件は、画面下方にあるゲージをいっぱいにすることです。とにかく夢中になって撃ちまくっていればおのずとこれはたまっていくのですが、たまるといきなり画面中で大爆発が起こります。そして主人公が「やったー!」とばかりに腕を高々と上げ、
 「チャラララーララン、チャラララーララン、チャラララチャラララチャッチャッチャッ」
 てな非常に軽快な音楽とともに、全身で飛び上がったり踊ったりしながら画面の奥の方へと消えて行きます。ある意味ではここが一番のキモ、もっとも面白い場面といえるかもしれません。

 もう少し内容について、触れることとしましょうか。敵は……よくはわからないのですがとりあえずガンマンで、結構弾を撃ってきます。おまけに装甲列車やら飛行船やら飛行機やらと、当時の最新技術を駆使してこちらを攻め立ててきます。しかしながら敵弾を打ち落とせるという非常にありがたいシステムのため、割合長く遊ぶことができます。
 またパワーアップアイテムは通りがかるイノシシとか、そんなのが出してくれます。彼を撃つとでっかい銃とか得点アイテムとか、そんなこんなでいろいろなアイテムがわんさか出てきますので、撃ち惜しみをすることなくひたすら乱射しまくりましょう。

 ……というわけで、割合あっさりしたレビューではありましたが、そろそろまとめに入ることといたしましょう。
 このゲームについていつも思うことは、「果たしてどれほどの人がこのゲームを知っていて、なおかつ愛着があるのだろう」ということです。そんなの見たことも聞いたこともないというひとが結構多いと容易に想像できる本作ですが、気軽に入れて長く遊べる良作です。もっと評価されてもいいと思います。
 そうそう。タイトルの『ローンレンジャー』なんですが……その昔、そんなアニメを見たことがあるという話です。それ以来カウボーイとネイティヴ・アメリカンの組み合わせは全部コレなんです。犬神の中では。もしかしたら若干の記憶違いとかがあるかもしれませんがそんな感じです。
 なんだか、ずいぶんぞんざいなまとめ方をしてしまいましたが、あまりしつこすぎない味付けのレビューもまたよろしいでしょう。細く、長くで行きたいと思います(笑)。

 


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