それは『ナムコット・フォー・メガドライブ』
<I> 『バーニングフォース』論



 当時、メガドライブに移植されたナムコのゲームは、電源を入れた直後にそんなメッセージが出ていた…… はずです。

   さしあたって私が好きなのは『フェリオス』『メガパネル』それに今回取り上げる『バーニングフォース』。
 
 あえて共通点を挙げるとすれば、まだ隔週だったころの『ファミコン通信』でその存在を知り、かわいらしい 女の子のゲーム内画像やイメージイラストを見て好きになり、それでパッケージを手に取った。そういうことで しょうか。

 今風に言えば『萌え』というやつなのかもしれませんが、当時は小学生だったので、もっと素直に『可愛い』とか 『綺麗』だとか、そういう感情だったと思います。年齢も5〜10年くらい離れていたしね。

 そんな思い出のゲームたちを書いていく今回の特集(?)『ナムコット・フォー・メガドライブ』。今日は 『バーニングフォース』です。


 目指せスペースファイター


 時は西暦2100年。宇宙時代に対応するために設立された『地球大学』のうち、宇宙生活・惑星移住・ 惑星探査などを研究する『宇宙学部』に所属する学生「ひろみ」を操作して、6日間に渡って行われる卒業試験 がこのゲームの舞台です。試験は一日の中でも午前・午後・夜の3パートあり、全部で16ステージの試験を 何とかパスすることが目的です(このほかにボーナスステージもあります)。

 基本的には画面の向こう側に勝手にスクロールしていくので、自機を動かして敵をかわしながらバリバリと 撃ちこんでいくのですが、日中帯はエアバイクによる試験なのでジャンプ台のあるところ以外では左右移動しか できません。さらに? 敵弾も結構いい加減な感じで飛んでくるので、結構かわしづらいです。 『スペースハリアー』のように画面中をぐるぐると回っていれば安全、というわけではないのです。

 その代わりこちらの機体は、途中に出てくるアイテムをとることによってパワーアップします。下記の通りです。

 Wアイテム……『ワイド』。かなり幅広の弾を撃てる。ボスの弱点はそのまま攻撃箇所にもなっていることが 多いので、少し軸をずらしながら弾を当てていける便利兵器。

 Lアイテム……『レーザー』。範囲は狭いが威力は高いという、この手のゲームでは一般的な武装。ザコ敵の 編隊を一気呵成に撃滅できるのはかなり爽快。ちょっとリスクが高まるものの、ボス戦でも結構有効。

 CLアイテム……『クロスレーザー』。変な音を立てながら交差して飛んでいくエネルギー弾。レーザーの威力と ワイドほどではないにしてもそこそこの幅を併せ持つ最強兵器。 ほとんどの場合エリア3(夜の部)に出てくる。

 あとは個数制限があるものの強力なサブ兵器(主にボス戦用)を駆使しながら攻略しましょう。


 より遊びやすい改良を


 ……というのがアーケード版の仕様のようですが、メガドライブ版は家庭用らしく大幅に改良されています。 まあ改良というのは私の個人的な感想なのですが。

 まずアーケード版では一撃で破壊されていた自機が、家庭用ではライフ制になっています。これに加えて残機 システムもあるので、1クレジットで相当長く遊べます。

 さらに破壊可能な障害物を壊すと時々出てくるカプセルを一定数集めると、任意のタイミングで一定時間無敵 状態になることができます。これは4−1のボス戦(画面いっぱいにトゲつき鉄球をデタラメにバラまくので、 極めてかわしづらい)で重宝します。

 私は実際にアーケード版をプレイしたことはありませんが、このふたつのシステムには本当に助けられました。 ライフ+残機制で、なおかつコンティニューも利用して、ようやくクリアできたわけですからね。『大工の源さん』 がファミコンに移植される際にライフ制になった時は「ふん、ぬるいワ」とベガのような感想を抱いたものですが、 現実問題として『バーニングフォース』に関しては、こういう仕様でよかったと思います。


 物足りなさは想像で補う


 本作が発売された1990年は、業務用ゲームと家庭用ゲームの間に天地ほどの隔たりがあった時代ですからね。 サウンドもヴィジュアルも、オリジナル版と比べれば大分グレードダウンしています。大変な思い入れをもって 取り組んでいただけに、全体的に「もう少しボリュームがあればよかったなあ」という気持ちがあったのは 否めません。

 ただ、ライフ制とか無敵アイテムのおかげで「ちゃんとクリアできる」ゲームになっているので、ダメなゲーム というわけではありません。ちょっと違った見方をすれば、「見た目の派手さでごまかさず、ちゃんと遊べる ゲームに仕上げている」と言うことですから。さすがナムコ様です。

 ヴィジュアルがもっと欲しかったら、説明書なりパッケージなりを手にとって、頭の中で膨らませればいい んです。100回見て頭の中にイメージを刷り込み、それをプレイする時に自分で想像すればいいんです。

 私も結構オールドタイプなプレイヤーなので、こういうアレコレを想像しながら遊ぶのが好きなんですよね。 初めからゲームの方で超絶美麗グラフィックを用意してくれるのは、もちろんありがたいのですが、そうじゃない 時はイメージイラストを眺めて自分の世界を押し広げ、それを背景にしてゲームをプレイする。要するに 『スペースインベーダー』のアップライト筐体みたいなものです。


 そんなこんなで『バーニングフォース』、好きです。


 


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