私と剣と魔法と金銀財宝――「ウォーリアーブレード」論




 1992年、夏。

 三陸・海の博覧会というイベント会場のゲームコーナーに「それ」はありました。

 下手ながらも横スクロールアクションゲーム(いわゆる「ダブルドラゴン」タイプ)が大好きだった 当時小学5年生の犬神、モニタふたつ分のビッグサイズでドンとそこに居座る迫力も手伝って早速プレ イしました。

 その時は、どこまで進んだかな。まあ、小学生でしたし、大して遊べなかった気がします。  で、それっきりでした。――とにかく稼動しているところを一度も見たことがないのですね。



 最近は家庭でもできるようになったので、ひとつのゲームを集中的にプレイする志向のある犬神、最 近は毎日やっています。そしてその世界観の重厚さ、熱さをようやく受け止められるくらいの私自身の 人間力がついてきたと判断、頃合いよしとみて本日はこのゲームについて書きたいと思います。何せ最 近は、無菌室で培養されたがごときアニメティックな美男美女ないしは美少年・美少女ばかりが跳梁跋 扈する世の中ですしね。今こそ血と汗と毒液にまみれたようなゲームをプレイするべきではないでし ょうか。



 「私がいかにして王と成り得たか、その長き物語は一夜ではとても語れぬ。
  だが時が許す限り語ろう、危険と財宝に満ちた冒険の日々のことを……。」



 という老王(ただし筋骨隆々)の言葉から始まるこのゲームは、全体的にラスタン王がまだ若かりし 日、己の力を頼りに財宝を分捕った冒険譚という体裁をとっています。私はこういった物語の囲いがす ごく好きなので、この時点で早速好きになってしまいました。

 基本的には攻撃ボタンとジャンプボタン、それにレバーを2回倒すとダッシュして攻撃などなど。一 応は魔法(緊急回避)も使えるそうですが、いつも私は忘れています。逆に言うと、まあ、使わなくて も地道に攻撃して倒せば別にいいんじゃない? と言った程度のものかもしれません。いや、でもちゃ んと使えるようになった方がいいです。

 プレイヤーは3人。それぞれ特徴が違います。

 ひとりは流浪の盗賊ラスタン(ロングソード)。パワーが一番あります。通常パワータイプと言うと 使いづらいイメージがありますが、これではそうでもなく、むしろ時間制限が厳しい場所もある本作で は一番使いやすいキャラとなっています。なお本策での旅の目的は「デポンの財宝」。世界の平和のた めとかなんて一切関係なし。

 もうひとりは同じく盗賊のデューイ(クナイ?)。遠い東の国で「ニンジュツ」というものを極めた スピードタイプの盗賊です。一応、幼い頃に魔族によって両親を殺され、それ以来復讐の機会をうかがいつつ 生き延びてきたという過去があります。ラスタンとは「一緒に来たら財宝を分けてやる」というきわめてビジネ スライクな理由で一緒に旅をします。最初に使ったのはこの人でしたが、リーチの短さはちょっと大変 かも。

 次は女性です。名前は「ソフィア」(鞭)。高家の出身ですが今は魔族に国を滅ぼされ、流浪の旅を 続けています。職業はやっぱり盗賊。デューイと同じく、復讐と、もしかすると王家復興の資金をもら うためにラスタンとともに旅をすることに。鞭なのでリーチの長さは最高です。攻撃力の低さはご愛嬌 。

 それにしても、どいつもこいつも財宝目当てってのが最高です。恋人のためとか世界の平和のためと か言っている昨今のファンタジーの少年少女に慣れきった方は白目をむいて気絶されるかもしれません が、やはりこれでこそ。

 あとは、道中でクリスタルを拾うと、どこからともなく緑のローブを身にまとった老人が現れます。 なんだこのジジイは! とばかりに近づいて蹴飛ばすと、「ワシの魔力を思い知るがよい!」とばかり に超強力魔法で画面中の敵たちを氷漬けにしたり石に変えたり、隕石の直撃でITEッとばかりに撃滅 したりしてくれます(プレイヤーがその様子をキョロキョロ見ているのが笑えます)。このお方こそ先 の副将軍、じゃなくて、伝説の大魔導師マハディ・カラディなのです。

 といったわけで己の力と、時々仲間およびマハディ・カラディの力を借りながら、ひたすら財宝を求 めて旅をしていきます。ちなみにプレイする場所は最初と最後以外は任意に選べます。

 なお道中で敵が落とすコインなどは、できる限りかき集めましょう。何となれば、その数によって ステージクリア後に体力が回復するからです。「ファイナルファイト」ではただの得点アイテムに過ぎませんが、 本作ではゲームクリアに直結する重要アイテムなのです。


 ステージ紹介  「 S H I P 」


 寂れた港町に停泊している海賊船サザンキッド号。ラスタンご一行様はその海賊船に眠る秘宝のひと つを求めて行きますが、そうはさせじとばかりに魔王軍の精鋭騎士団、その奴隷の蛮族、さらには半魚 人やらワニ男やらトカゲ男やら何やらと、この手のファンタジー物語ではおなじみの連中がこれでもか とばかりに出てきます。

 とはいえ、ほとんどの敵はラスタンの剣よりもリーチが短いので、画面端に陣取って剣を振り回して いれば、多少時間はかかりますが安全に倒すことができます。飛び道具もタイミングよく攻撃を繰り出 せば無効化させられます。そのため、何も考えないで敵をぞろぞろ出しすぎると、瞬く間に袋叩きにさ れますが、確実に敵を倒しながら進めばそれほど理不尽な場面はないのがこのゲームのいいところです 。

 そんな感じで敵を倒しつつ進んでいくと、いきなり骸骨が無数に散らばる広場にやってきます。何じ ゃこりゃ? と思っていると、ひときわ大きな人と牡牛の骸骨がしゃべり、ガチャガチャと組みあがっ ていきます。これが港町ペスロのAREA GUARD こと「PAS=DE=DEUX(読めません)」です。

 カマキリと人間が合体したようなこのボスは、左右にいると鋭い鎌でザクザク斬られるので、崩れて いるうちに背骨のところに陣取り、斬りまくります。うまくいけばボスが一歩も動けずに、一方的に戦 闘を終わらせることができます。ただし油断は禁物です。完全にボスが地上から消滅するまでは気を抜 かないようにしましょう。

 ボスを倒すとようやく船内に行けますが、結構水浸しになっています。それでも宝に群がる敵たちは いっぱいいるので、例によってザクザク斬り飛ばしながら進みます。

 ある程度進むと、黒いローブに身を包んだ魔法使いが現れます。この魔法使い、いきなり背中からニ ョキニョキと触手が生えてきたかと思うと、急に船が沈みます。そしてあの魔法使いも海に没した・・ ・かと思うと、巨大なタコになってプレイヤーを襲ってきます。これが海賊船のAREA GUARD のGIF TKRAKE(ギフトクラーケ)です。

 攻撃パターンは触手でぶっ叩いてきたり、火の玉を吐き出したりですが、あんまり強くありません。 安全に行くのなら触手のぎりぎりの間合いで攻撃を繰り返して触手を二本ほど切り落とし、そのあと本 体に近づいて何度か斬れば今度こそ本当に海の藻屑となります。そしてデポンの秘宝のひとつ「ハレナ ンのダイヤモンド像」が手に入ります。このアイテムを手にした者は、そのきらめきによって身を守ら れると言う言い伝えがあります。加護があるといいですね(あります)。


   ステージ紹介 「 C A S T L E 」


 デポン地方を治める国王ザナンスタッフの城にも当然お宝があると踏んだラスタンご一行様ですが、 そこに行くには「馬乗りたちの森」を越えなければならない。と言うわけでどこから引っ張ってきたの か、やたらとタフな馬にまたがり、森に棲む山賊たちの攻撃をかわしながら突き進んでいく・・・。

 高速スクロール面です。といってもグラディウスのように迷路になっているとか、そういうわけでは なく、むしろファミコン版「熱血硬派くにおくん」のバイク面みたいなものです。敵は剣と弓で攻撃し てきますが、横軸をずらして2回ほど斬ればそれで倒せるので、体力回復のためのボーナスステージみ たいな感じで気楽に行きましょう。なおここでダメージを受けすぎると・・・「バッドラックだ!」な ことになります(後述)。

 このステージは敵も多いし道が狭いし、おまけに時々足場が崩れているところもあるし(落ちても死 にませんが大ダメージ)、難しいことこの上ありません。犬神は最初のうちにここをクリアしてしまえ 、とばかりに選択することも少なくありません。特にフレイルを持った騎士はいつものように剣を振り 回しているとこちらより遠い間合いからゴツンとやられるので、ジャンプ攻撃でヒットアンドアウェイ 、優先的に倒していきましょう。

 あとは、最後の手段としてはアウェイアンドアウェイ、三十六計逃げるにしかず作戦とでも言いまし ょうか、ひたすら敵を無視して走り続け、画面スクロールをさせることで強制的にスクロールアウトさ せることができます。これは全ステージで有効な技です(当然ボスなど、スクロールしない場面では無 理ですが)。

 ここのAREA GUARDは、かつての国王ザナンスタッフ。ですが、かつて賢王と呼ばれたころ の面影はなく、今となっては呪いによって不死の者としてこの世にとどまる亡霊に過ぎません。ちなみ に私はこのステージが一番のお気に入りです。「Help me...」とうめくように繰り返す姿がなんとも心 苦しいので、さっさと解放してさしあげましょう。

 ザナンスタッフ自体は動かず、時々亡霊を飛ばしてくるのですが、広間から続々と骸骨剣士が生まれ てきます。いちいち相手にすると面倒くさいので、柱の影の辺りに立ってザクザク剣を振り、亡霊ごと ザナンスタッフを斬っていればそのうち断末魔を残して召天します。ただし骸骨剣士はワンテンポ遅れ て消滅するので、やはり油断は禁物です。

 ここの秘宝は玉座の下に隠された「イシュリンの宝冠」。いにしえの聖者で、「聖王」とまで言われ たイシュリン王の眼光と同じ輝きを放つその宝冠は、呪いのために封じ込められていましたが、ザナン スタッフ(の亡霊)を倒すことで再び輝きを取り戻しました。これをもっていれば、きっと魔物たちも 恐れをなして攻撃の手も少しは緩むことでしょう。


 ステージ紹介 「 T O W E R 」


 今度のお宝は高い高い高いところにある塔の上にあるらしい、ということでラスタンご一行様は、こ れまたどこで見つけてきたのかドラゴンにまたがりひたすら空を飛びます。アクションゲーム史上まれ に見る、強制縦スクロールステージです。下の方に居座ってザクザク斬ればそれほど難しいものではな く、前のステージで消耗した体力を回復させるためにもできるだけたくさん倒しましょう。

 今度の場所は「マハディカラディの螺旋塔」。ひたすら長く、敵もたくさん出てきますので、結構タ イム制限が厳しくなりがちです。もしも時間が足りなくなりそうになったら、一気に画面をスクロール させると加算されます。なんだかレースゲームのようですが、まあそんな感じです。

 ところでこのゲームではよく樽や木箱が出てきて、その中にアイテムが色々と入っているのですが、 結構ランダムな要素が強く、要するに当たりハズレが大きいのですね。だから、もちろん最終的には技 術でどうにかなるようなものですが、それまでの間は、結構プレイヤー自身の「運」によって展開が楽 になったり苦しくなったりします。かなり傷ついて、やっと回復アイテムにありついたかと思ったら、 それがせいぜい8分の1程度の回復量で・・・なんていうこともあります。

 出るだけありがたいとは思うのですが、やはりダメージを受けないように進むこと、全滅させること よりも生き延びることが大事なのであります。

 ここのAREA GUARD は「PYLEX=PYLON」。またも、読めません。まあそれは置いといて、こいつは見た 目の派手さ加減ではトップクラスです。大魔法使いの住んでいる塔だけに、どちらかというとエレメン ト系でしょうか。

 そしてその強さもかなりのもので、両手で引っかかれるとかなりのダメージを受けます。さらに胴体 に触れてもやはり熱いのでダメージを受けます。・・・しかしながら実は両腕の部分には当たり判定が なく、登場時に穴の横に立ってザクザク斬り続けると、それほどひどい目に遭う前に倒せたりします。 弱いじゃん、って? 強いんです。強いからこそ初太刀で倒さないといけないんです。



 ステージ紹介 「 M O U N T A I N 」


 さて、ここまででデポンの秘宝を3つ手に入れたラスタンご一行様は、今度はケ=ファ山のふもとにある暗黒邪神教の地下迷宮に眠る秘宝を求めて、高いところから低いところへ一気に滑り降ります。かかとが熱くならないか心配なくらい滑り降ります。バランス感覚が優れている戦士たちは地割れをジャンプで飛び越えようが剣を振ろうがまったくお構いなしなので、安心してザクザク斬りましょう。なお、このステージは別に倒した分だけ体力が回復するということはありませんが、直後に回復薬が出るので安心です(運の要素も少しありますが)。

 殴られるとボコンと鈍い音がする棍棒を持ったリザードマンを撃退しつつ先に進むと、邪教の司祭と思われる男が立っています。こいつがここのAREA GUARD の FINSTERNISです。念力で岩を投げつけてきたり、ナイフを投げつけてきたり、火の玉を飛ばしてきたりと、なかなかの強敵なので、先手必勝とばかりに一気に叩きましょう。ここまで来た御仁ならわかると思いますが、たいていこのパターンでどうにかなります(笑)。

 司祭を倒すといよいよ地下迷宮へ。ここは敵の数もさることながら、いきなり矢が飛んできたり、壁から槍や剣が飛び出してきたりと、そういった罠が山ほど仕掛けられているので、コレも脅威となります。もっともこれらの罠は敵にも当たるので、ぞろぞろと敵が出てきてもグサグサグサウワーギャーウワーってなもんで、何もせずに4割が脱落してくれます。それに飛び出してくる剣や槍も「ダブルドラゴン」のようにインチキなものではなく、ちゃんと見て通れるものなので、上手に使えば有利に戦えます。

 といっても、まともに相手にしていると少しずつ痛手を負ってしまうので、いっそのこと走って逃げてしまうことを第一に考えて進んだほうがいいかもしれません。


 ここのAREA GUARDはバフォメット・・・のようなそうでもないような悪魔の化身 DESMOSTYLUSです。何せもともとが悪魔なので強力な魔法を使ってきます。どんな。いきなりフィールドが水浸しになります。そしてその水の中をバシャバシャと泳ぐ水龍(ローレライ)を何匹もけしかけてきます。

 空中浮遊しているボスは実は幻影? で、斬ってもダメージを与えられません。それどころか下手に動き回ると前から後ろからローレライに噛み付かれ、あえない最期を遂げる破目になってしまうので、画面左隅に陣取って目の前に出てくるやつだけを確実に斬りましょう。そうすれば段々と数が減り、やがてまばゆいばかりの金銀と秘宝『ゲランの首飾り』が手に入ります。

 こうして4つの秘宝を集めたラスタンご一行様は、最後の秘宝が眠るといわれるギュレストポリス神殿へ向かうことになりますが、ここで各ルートにおける分岐、エクストラステージについて。


 普通に進めば見ることはありませんが、コンティニューをしたりなんだりといった条件を満たしてしまうと「BAD FORTUNE」ということで、ペナルティというか拷問部屋というか、結構厳しいステージをやらされることになります。もちろんステージ開始前にはそうなるだけの理由が語られるので、物語を読むような気分で取り組むことができます。


 ステージ紹介 「 F O R E S T 」


 大ダコの攻撃を受けすぎると、毒にやられます。別にゲームプレイ上は支障がないのですが、このままでは手足が腐り落ちてしまう(と語られる)ので、ラスタンご一行様は急遽予定にはなかった妖精の森に向かいます。

 ここは敵がぞろぞろ出てくる割に回復薬等が一切出てこず、宝物もあまりないのでクリア後の体力回復もあまり望めないことから、極力ダッシュで駆け抜けたほうがいいです。とにかく走って逃げまくって、一気にボスのところまで行きましょう。

 AREA GUARDは「マンイーター」。人食い植物です。奥のでかいやつをザクザク斬り続けることになります。その際、真ん中にいて小さいやつを斬りながら攻撃すると比較的少ないダメージで攻略することができます。肉を斬らせて骨を断つ。ゲーム全体にいえることですが、ボスは大体これでOKです。

 で、こいつを倒すと、とらわれていた妖精を助け出すことができます。妖精が差し出した薬草は毒を中和し、それどころか前よりもグーンと元気になることができます。ほら、体力の上限が上がった気がしませんか?


 ステージ紹介 「 V O L C A N O 」


 CASTLEへ向かう途中、馬乗りたちの森であまり攻撃を受けすぎる不甲斐ないラスタンご一行様は、城に入る前の石像に門前払いを喰らいます。「今のお前たちの力では死ぬだけだ。火山にいるわしの弟に会って修行して来い」といったことを言われ、無視するわけにもいかない威圧感を受けてしぶしぶ火山地帯に行きます。

 まともに戦うと超難易度のステージです。人間の敵もたくさん出ますし、大魔界村のケルベロスのごときやつも飛び掛ってきます。さらに溶岩マン(?)は無限とも思えるくらい出てきますので、ここはちょっとくらいダメージを受けても仕方ないとばかりに走って走って走り続けましょう。

 ここのAREAGUARDは DUNAMIS=NOESIS ・・・言葉の意味はよくわかりませんが、とにかく自分自身の幻影と戦うことになります。

 たぶんこのゲームで一番強いボスです。自分とまったく同じリーチの武器で攻撃してくるので、いつものように近づいてザクザク斬っているとこっちもザクザク斬られます。ステージクリア後の体力回復が期待できないので、ここは相手が攻撃を空振りしたのを見て、タイミングよく一撃ずつ斬っていくしかありません。じっくり腰を据えて挑みましょう。

 自分自身の幻影に打ち勝つと、さっきの石像の弟が語りかけてきます。いわく、「よく来たな。だが教えることは何もない」・・・カリン様ではありませんが、ここに来るまで戦い抜いた分、お前たちは強くなっているという話なのです。そのため宝物は何ももらえませんが、剣を振るスピードは確実に速くなっているはずです。


 ステージ紹介 「 S W A N P 」


 正式名称はFORGOTTEN SWAMP、つまり「おいてけぼり」じゃなくて「おいてけ沼」だそうです。それでいいのか? 塔を降りたところ道に迷って、こんなところに 来てしまいました。しかも後ろからは魔族軍が大挙して押し寄せてきているし、引き返すわけにもいかないということで、このまま進むことに。

 ここに出てくる敵は、決してこれまでのようにムチャクチャたくさん敵が出てくるとか、そういうわけではないのですが、そうかといってナメてかかると結局、後々まで 引きずるような痛手を負うことになります。だから面倒くさくなったら、いつものように駆け抜けてしまいましょう(ただし、途中にある穴にはお気をつけて)。

 ここのAREA GUARD は4つ首のドラゴン「TETRA=HYDRA」(テトラ・ハイドラ)です。4つの頭が水中に入ったり飛び出したりしながら動きまくるので、強さはともかく 攻撃を当てづらいことこの上ないボスです。追いかけるのに夢中になりすぎると、水中からの角攻撃にやられてしまうので、一本ずつ確実に倒しましょう。

 で、やっとのことで倒すと、ここでは「龍の涙」という宝石が手に入ります。この宝石を持っていると、幸運が訪れるということですが、実際的にどういう効果がある のかはよくわかりません。あえて言えば、回復力の大きな薬が出た時に「ラッキー♪」と思うことくらいでしょうか(笑)。


   ステージ紹介  「 C A N A L   R I V E R 」

 地下迷宮に入ろうとした時、あまりにも大勢の魔族軍が入り口を守っていることがあります。そうすると正面から突破するのはあまりにも大変なので、秘密の抜け道を 使うことになります。それというのは地下水脈をイカダで下るというものでした。

 ここは馬乗りたちの森や風の峡谷と同じく、常にスクロールする川を下りながら近づいてくるバーバリアンたちを斬るところです。時々魚が襲い掛かってきますが、 それほど難しくありません。倒せば倒した分、体力が回復するので、できるだけやっつけていきましょう。

 特別なAREA GUARDはいませんが、ある程度進むと滝になっていて、やられる時の声とともに落ちてしまいます。そして滝壷で待ち構えていた魔族軍に武器を取り上げられ、 牢屋に放り込まれるというどこまでもバッドラックな展開に。

 もはやこれまでか、と思ったところに現れたのは・・・神出鬼没の大魔導師マハディカラディでした。「やれやれ、仕方ないのう」と言ったかどうかはさておき、 ともかく魔法の力で牢屋から出してくれます。さらに闘魂注入、じゃなくて魔力を注入してくれて、実際的な攻撃力もアップします。もっとも、ラスタンたちが復活した 時はすでにその姿はなく、きっと自分たちがどうして牢屋の外にいるのか、まるでわからないでしょうが・・・。


 そういうわけで、様々な困難を乗り越えたラスタンご一行様は、ようやく神殿へと向かいます。


 ステージ紹介 「 T E M P L E 」


 ここは割合短く、敵の攻撃もそれほど激しくはありません。どうせこのステージをクリアすればエンディングなのだから、といって、いっそのこと一気に駆け抜けてもいいかもしれません。ただ、体力が低い時は逆に何か出ることを期待しつつ倒した方がいいかもしれませんが。

 AREA GUARDは魔王軍のLOAD LUDEKAWN(ルードカーン将軍)です。最初はヘンテコな武器を持った騎士ですが、すぐに変身し、巨大な魔物の姿になります。そして爪での引っかき攻撃、ジャンプしての押しつぶし攻撃、さらに炎や雷の魔法など、攻撃力・魔力ともに最高の威力を誇ります。

 基本的には隙を見てのジャンプ攻撃で地道にダメージを与えて行きます。体力が少ないと少々心配なところもありますが、上手に立ち回れば無傷で倒すこともできるので、最後の最後まであきらめずにがんばりましょう。最後の一撃を与えると、将軍は力尽きもとの姿に戻ります。あとは最後の秘宝を手にするだけですが・・・!?


 E p i r o g u e


 将軍を倒すと海底火山がいきなり噴火を始め、ズゴゴゴと足元が揺れます。間一髪、脱出したラスタンご一行様ではありますが、結局のところ最後の秘宝は 見つからないまま、神殿は海底深く沈んでしまいます。――もっとも、コレまで経験してきたことそれ自体が、何よりも貴重な秘宝なのかもしれません。

 その後、ラスタンご一行様はこれまでに得た財宝を均等に分配し、それぞれの道へ再び歩き出します。

 ラスタンは王となれる国を求めて再び一人旅を始めます。そして、魔族に家族を殺され、天涯孤独の身となったデューイとソフィアは、これといった当てもないながら、 ふたりで馬にまたがり、いずこかへと去っていきます。



 といったわけで、私の話もそろそろ終わりです。随分と長くなりましたが、もうしばしのご辛抱を。

 何も考えずにただ進んでいこうとすると、妙に難しいゲームですが、とりあえずラスタンで遊べば1コインクリアも比較的容易にできます。基本的には「左端に 陣取って剣を振りまくる」「こちらよりもリーチのある敵はジャンプ攻撃」などの地道な心がけをもって望めば、何とかなります。

 ちなみにバッドラックなステージは、設定を変えることによって特に何もせずとも進むこともできます。ゲーセンで遊ぶ場合は、なかなかそちらのモードにはなって いないと思いますので、家庭でやる際はぜひお試しください。よりいっそう、物語の世界に入り込むができるかと思います。


 かつてタイトーが得意としていた多画面筐体のゲームとしては最後のものとなる本作は、今のところ一度しかプレイしたことがありません。割とイージーに クリアできる割に、結構長い時間遊べるものだから、プレイヤーとしてはすごく嬉しいものの、設置するゲーセン側としてみればインカムがあまり芳しくないだろうな…… 消費電力も大きいし……とか、そんなことを思ってみたり。

 まあ、そんなことはどうでもよろしい。ともかく、ようやくこれだけの言葉を書けるくらい、やりこむことができたので、書きました。とにかく昨今はカードゲームか 対戦格闘アクションのような、10分くらいでサクサク終わるゲームばかりが出てきますが、このゲームのように20〜30分くらいかけてじっくり物語を味わいながらアクションも バキバキ楽しめるゲームがやはり好きです。


 それでは最後に、物語の締めくくるラスタン王の言葉をご覧いただきながら、終わりたいと思います(cv:関口宏)。



 「これは私が王になるまでの道のりの、ほんの一部に過ぎない。機会があったら、また別な話をしてあげよう」




 


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