サガユエニ――
具体性を伴う「ときメモ」攻略について



 ついに来るところまで来たという感じがしないでもありません。何も犬神がこのゲームの攻略について書かなくたっていいだろうという気も しないでもないんですが、そして攻略とは言ったもののごく限定的なひとりの女の子についての、「こういう感じで出来ました」的なメモに 過ぎないわけなのですが、ともあれひょっとしたらYahoo!とかGoogleで引っかかった人が見て参考にしていくかもしれません。なので、 出来る限りきちんとした文章をつづりたいと思う次第です。
 

 日記でも書かれておりますように、犬神家にはなぜか「ときめきメモリアル3」があり、これをGWをフル活用してプレイし、あまりにもうざったい システムにぶちギレ金剛してしまい
「この○○に△△△された××××どもが―――ッ!」と、
イタリアでギャングのボスをやっていたあの人の台詞を絶叫してしまうぐらいたまらない思いをしたわけですが、
この初代「ときメモ」に関してはそこまで嫌悪をしていません。
 というか白状しますと、ことこれに関してはめっぽう好きなんです。中学の時分はもはやジャンキー的なほどに好きでした。しかもゲーム本編で ろくな結果が残せないものだから、ひとまずヴィジュアル的なものだけを眺めて耽っていました。
 本格的にやり始めたのは、たぶん大学生になってからじゃないでしょうか。その頃にはもう随分とこまっしゃくれた、ひねた物の考え方をするよう になってきてるわけで、
 「この女の子はこのステータスに対応しているわけだから、このステータスだけ挙げよう」
なんつって、単純作業労働的にひたすらステータスあげに励みました。そういうわけで次々とフラグは立ち、オーケンがどうしても出来なかった 「友達の妹」という立場の子も告白させ、犬神がずっと好きだった美樹原さんにも告白してもらうことが出来ました。恥ずかしついでに言ってしまうと 犬神、初めて告白された時は真剣に嬉しかったです。嬉し泣き一歩手前でした。部屋の中でひとり小躍りしていました。
 で、そこまで来るとあとはヒロイン――全然馴染んでいない幼馴染みで、恋人の男性には完全無欠の理想的出来杉タイプの人物像を欲求する 藤崎詩織さんともいい関係になりたい、と思うのが必定で、それまでは拒んでいた攻略本・攻略サイト情報も十二分に活用してようやっと藤崎さんに 好きだと言わしめたわけでした。まさに感慨無量、たかがゲームであるはずなのに、犬神は思わず「完全なる勝利」を獲得した気分に浸っていました。


 でも、そこで犬神の気持ちは終わりませんでした。全13人中12人までは、ある一定の攻略パターンが確立したのですが、1人だけそういうパターン が確立していない、させることが出来ない人がいました。…………変な髪形をしてて、いきなりぶつかってきたり、留守番電話にメッセージを残したり、 人違いでしたと言ってデートの現場に現れたりする謎の女、館林見晴さんです。
 かつて、スロット(目押し有効)で揃うとでかいポスターが当たるプライズマシンで「ときめきメモリアル」の美樹原さんのポスターが欲しくて百円玉を連コイン しまくったある日、館林さんのセルポスターが出てきた時
「なんだ、ハズレじゃん」
などと恐れ多いことを言ってしまったりしたものですが(しかも2回出てきた!)、やってるうちになんとなく好きになってしまい、 何より館林さんの攻略パターンを確立させないと、心のもやもやが吹っ切れないので、あくまでも館林さん目当てで 何度も何度もゲームをクリアしました。
 で、このテキストを書いている直前で実に20回以上(バッドエンドはカウントせず)クリアしていたわけですが、ようやく意図的に館林さんと 一緒の関係になることが出来ました。嬉しさのあまり犬神は椅子から滑り落ち、ムエタイの選手のようにひざをついたまま両手を高く突き上げました。 気分は『餓狼伝説』(初代)のジョー・ヒガシな感じでした。

 で、やっと攻略と相成るわけですが、一般に他の攻略サイトでは、館林さんについてはこんな風に書かれています。
 「ステータスは全体的に高くして、なおかつ他の女の子と仲良くしないこと」
 ……こんなのじゃ、あまりにも漠然としていると思いませんか? 犬神はそう思いました。確かに隠しキャラであり、ある程度は運の要素が 入らないわけでもないわけですが、せめて犬神がどういうプレイでこういうエンディングを迎えたかという過程を、ざっとリプレイすることといたします。 とりあえず館林さんを目指している人にとっては、役に立つのではないでしょうか。ていうか、今時初代のそれをやっているのは犬神ぐらい かもしれませんね……。
 
 ポイントは、大体こんな感じでしょうか。

 ○ 女の子を極力出さない。そして好感度を出来るだけあげないようにする。

 ○ ステータスは、藤崎詩織さんを攻略する時と同じくらい(全体に高めに)

 ○ 1回以上の電話と、1回以上の直接接触があれば、なかなか電話が来なくても大丈夫


 一番上の「女の子を出さない」ということについてですが、行きがかり上「藤崎詩織」「美樹原愛」「早乙女由美」 は絶対に出るものと思われます。逆にいうとこれ以外の人は出さなくてもどうにかなるので、ステータスのあげ方に 気を配りましょう。……具体的には

「朝比奈さんは3回ぶつかるまでは現れないのでその間にひたすら雑学を上げる」
「虹野さんは根性が30前後になるとすぐに来るので、20以下にとどめておいた方がいい」
「平日は寝るか部活をし、 休みの日にその他の部分を鍛える」
「1年目の、出来れば2年目のクリスマスパーティにも出ない」

 このぐらい出来れば磐石ですね。ただ、2年目のクリスマスパーティに出られないぐらいステータスが低いと 別な問題が発生してきそうなので、2年目は観念して出てもいいかもしれません。このあたりはちょっと試してみてください。
 また、こまめに好雄君のところに電話をかけて評価をチェックしましょう。いくら「他の女の子と仲良くしなきゃいい」からといって、 爆弾をボカスカ爆発させて女の子全員怒りモードにさせてもいいかっていうとそんなことはなく、 実験してみたところ見事にポシャってしまいましたので避けた方が無難です。かといってデレデレモード(極右)にさせてしまった日にゃあ 言うまでもなく台無しですので、 適当に機嫌を取ってください(実際のデータでは、藤崎さん以外の全員がデレデレの一歩手前、口開けニコニコモードでした)。経験から言うと、
  「爆弾がついたらデートする」
  「毒にも薬にもならない、餅のような返事をしておく」
  「誕生日プレゼントは、あげる必要なし」
 ……犬神はキャラクタの設定上藤崎さんにはプレゼントをあげていましたが(だって、一応幼馴染みだし、誕生日を知らなかったってことに するのはあまりにも良心がとがめるので)、この人はかなり積極的にアプローチしないといつもニュートラル状態なので問題は無いでしょう。 ところで、こちらから誘い掛けなくても向こうから「ねえ、○○君、今度の日曜日空いてる?」 などと聞いてくることも多々ありますよね。そういう時、根性なしの犬神は無下に断ることも出来なかったのでキラークイーンよろしく、 いちいちロードをしていました。で、1週間無事に過ごしたらセーブして、1週間すごして……とか、そんな感じのことをしていました。 手間がかかりますがこのぐらいはしてもいいんじゃないですか?  
更に根性のある方は、これを使って美樹原さんとの出会いを出来るだけ引き伸ばすと、心配りをする必要が減るので有効ですよね。たぶん、 限度いっぱいまでやれば2年生のバレンタインまでは引き伸ばせるのではないでしょうか。
 

 じゃ、次。他の攻略サイトを見ても、「ステータス高め」ってどれくらいだよ!? と思ったので、  犬神がクリアした時のパラメータをあげておきます。はい、こんな感じでした。

 体調:775 文系:171 理系:167 芸術:168 運動:549
 容姿:165 雑学:168 根性:170 ストレス:002 (所属クラブ:電脳部)

 大体これぐらいあれば、ステータス的には十分なようです。 それぞれやり方があるでしょうし、第一 既に「ステータスのあげ方」というところでチョコチョコッと書いたのであまり多くは言いません。ひとつ付け加えるとすれば、 3年次になって根性が20以下という状態でも、4ヶ月も運動してれば十分に追いつけます。当然、それ以外の ステータスが100以上、出来れば120〜130以上であることが条件となりますが……。
 他のステータスに関して言えば、「女の子に対応するステータスアップ行動を平日に取らなければ、出てこない」 ということがあるのでいいんですが、根性だけは上げすぎると、虹野さんからのスカウトはほとんど不可避ですので、 くれぐれも根性だけは上げないようにしましょう。

 そして、最後のポイントですね。電話の回数。これはもうほとんど関係ありません。 せいぜい、1回以上かかっていれば いいんではないでしょうか。実際に攻略した時にかかってきた電話数は2回でした。 何度もかけてくれて、「話すこと、なくなって 来ちゃった」 「卒業式の日に告白するの」とかという言葉を聞いても告白されずじまいということもありました。だからあまり気にせず 行きましょう。 
  それと同様にぶっつかられることも、まあ1回以上あれば十分です(実際、1回しかぶつかられませんでした)。 何度もぶつかられたり、人違いされたところで、必ずしもハッピーエンドになるとは考えられません。何やら2月の最後の日曜日に デートするイベントがあるらしいですが、犬神はどういうわけか、まだその場面に出くわしたことがありません。でもハッピーエンドを 迎えることは出来ました。だから、もういいんです。デートすると告白してもらえないという噂もあることですし。


 ……というわけで、これが犬神が培ったノウハウです。すべて実際のプレイ上で培われたTipsなので、少しはお役に立つのでは ないでしょうか。まあ、こうやってひとつの形にすることが出来ただけで既に自分としては満足なのですが。


…… ところでギャルゲー萌え。なんなのでしょうか。つってこの手の話題になるといつも、どこかから拾ってきた言葉の受け売りを するため、自分も他の人も何が何やら全然わからないという状況になっていますよね。そういうのってすごく嫌なので、ひとつの 一貫した理論を持ちたいとは思っているのですが、そんなものを組めるほど賢くは無いので……。
 ただ、犬神がそうであるかどうかは別として、これをプレイする人たちの中には必ずしも現実に恋人同士たらんとすることを 望んでいない人もいるのではないでしょうか。一応その中には会話があり、表情があり、ひとりひとりの人格(のようなもの)があるので、 故・澁澤龍彦氏の言うところの「デカルト・コンプレックス」が「ときめきメモリアル」に適用されるかって言うとそりゃあ無理だとは思いますが、 ルイス・キャロルが空想の中でのみアリスの恋人(あるいは父親)たらんとすることを望んだように、空想の中でのみ恋人同士になり、 現実世界での恋を望まない……要するにヲタな人々なわけでしょうか。そういうのも、まあ、アリなのではないでしょうか。

 (参考文献:澁澤龍彦『少女コレクション序説』 中公文庫   いい本です。読みやすいです。四谷シモンの人形は妙に心ときめく ものがあります。高校時代、英検の試験の帰り道にこんな本を見つけて影響されてしまったために、こんな人間になってしまいました。 でも面白いので、ぜひ読んでみてください)



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