思い出アドベンチャー千夜一夜 
第一夜 『太陽の神殿』



 ※ 2008年11月27日、このゲームについて新しいレビューを書きました。こちらからどうぞ。※


……犬神、じつをいうとアドベンチャーとかRPGとかシミュレーションとかといったゲームは苦手です。要するに頭を使うゲームは苦手なんです。 かといってアクションやシューティングが飛びきり上手かというとそんなわけでもないのですが……。
 だからといって、全然やらないわけじゃないんですよ。ただそれだけじゃあまるでアンポンタンのようなので自分でフォローいたしますが、「苦手」で あって「嫌い」ではないのです。じっくりと色々考えて、謎を解いて、先に進むということ。どちらかというと経験値といったパラメータがなく、多少謎解きが 意地悪でもやっぱりアドベンチャーゲームは、好きです。
 それというのは恐らく、犬神の兄者が無類のそういうゲーム好きで、いつもそばでプレイしているところを見ていたため、ということが原因としてあげられる でしょう。3Dダンジョンが苦手なのでウィザードリィなどはあまりやりこめないのですが、ファミコンやらメガCDやらの古いアドベンチャーゲーム、または セガサターン版の、一連の小島秀夫ものなど、アドベンチャーゲームについては少しかじったことがあります。
 というわけで、今回はいつもよりも落ち着いた感じで、単純にゲームが面白いというよりもそれに付きまとう色々な思いをひっくるめてテキストを書きたい と思います。第一回は、『スナッチャー』にしようか、それとも探偵・神宮寺三郎シリーズにしようか、などと考えた結果、『太陽の神殿』を取り上げたいと 思います。

 何を隠そうこの犬神、無類のマヤ文明好きであります(なんだそりゃ)。
 マヤ文明とは今から1600年くらい前に中央アメリカ、要するにメキシコのあたりですが、あのあたりで発展した文明で、とにもかくにもすごい科学力が あったのなんのって某「MMR」漫画には書かれておりましたが、実際、天文学についてのことはすごくわかっていたみたいですし、建築技術についても すごいものがあったりしたそうですが、侵略したスペインのアホタレ(なんて、言っちゃいけないか)によって多くの資料が失われ、まだまだよくわからない ところが多いといわれております。
 本当は古代遺跡全般が好きなのですが、その中でも特にマヤ文明というと心惹かれます。
 このゲームは、そのマヤ文明の古代遺跡を調査していた白鳥教授ほか調査団が何者かに襲われ遭難してしまうという事件が起きたところから始まります。 その事件を聞きつけた白鳥教授の一人娘・美冬と、教授のゼミで考古学についての卒論を書こうとしていた大学3年生・哲平は急遽メキシコに飛び、 そこにいた秘書のオリビアから、どうやら教授は遺跡に封印されていた悪霊たちをよみがえらせてしまったらしい、ということを聞き知りました。そして 哲平と美冬、それにたったひとりの調査団の生き残りであるラウーラは、その謎を解き明かすために遺跡へ向かう……。
 
 ちなみに哲平と美冬、といいましたが、主人公の名前は自分で決められます。私は自分で書いた小説の中から、特に気に入っている男女の名前を つけたに過ぎません。
 そんなわけで、ゲームは始まります。アイコンでコマンドを選び、ゲームを進めていくわけですが、「こわす」とか「あらう」とか「くみあわせる」とか、 そういうコマンドがあるゲームはこれ以外にはあまり知りません。時には思いきって壊してみる必要も出てくるわけですね。
 また、このゲームでは時々悪霊と戦わなければなりませんが、別に難しいことはありません。じつはストーリーの進み具合によって「絶対倒せる」 場合と「絶対倒せない」場合があるようです。まあ、倒せる見込みが薄いと感じたらさっさと退散するがよろしいでしょう。
 難易度は……犬神が出来るくらいだから、そんなに難しいことはありません。ただし3箇所ほど行動不能になる場所があります。最近のゲームであればきっとそういうことは ないでしょうが、あるところで不用意にものを取ったり、取る順番を間違えたりすると、えらいことになります。「アレをしたいのに、どうしても先に進めない〜!」 なんていうことがあれば、とりあえずリセットした方がいいという場所がありますのでお気を付けください。
 ……いま、犬神がクリアできるくらいだから大したことない、といってしまいましたが、すみません、これあんまり当てになりません。犬神は弱気に、ついつい 攻略本をチラチラ眺め見てしまいます。出来るだけ核心に触れるようなところは見ず、ヒントだけ見て進もうとは思うのですが……。

 話題を変えます。  このゲームは犬神がまだほんの子供であった頃、兄がやっていたのをチラッと見たに過ぎません。だからどんなゲームなのかは、ずっと後まで知り ませんでした。
 ――その後、家を引っ越す過程でいつのまにかそのカセットはなくなってしまい、唯一残された攻略本を読みつつ、大体どういうゲームなのかを想像 するしかなかったのですが、このところのファミコンブームにより中古ゲームショップにも多くカセットが並ぶようになり、それによってようやく買って遊び ました。
 古いゲームをやる時というのは、どうしてもゲームがあった部屋の空気みたいなものを嫌が応にも感じてしまうもので、そのゲームに触れていた時期によって 冬のイメージだったり夏のイメージだったりするわけですが、これは(舞台が舞台だから、ということもあるかもしれませんが)やはり夏のイメージでした。

 小学校の夏休みも半分を過ぎ、そろそろ宿題を片付け始めないとまた苦労するなあ、なんて思っている暑い昼下がり。外の強力な日差しのもとに 出て行くのも気が進まなかったので、部屋に戻ってみると、兄がファミコンをやっていた。
  「これ、何て言うゲーム?」
  「太陽の神殿、っていうやつ」
  「ふうん……」
  別に私はそのゲームに特別に興味を惹かれたわけではなかったけれど、とりあえず兄の隣に座って画面を眺めてみた。
 ――宿題、早く取りかからなくちゃなあ。
  私は頭のどこかで、まだそんなことを考えていた。

 まあ、大体そんな感じでしょうか。ええ、頭に浮かんだイメージはそんな感じです。
 大体気持ちも落ち着いてきたのでそろそろ締めくくりましょうか。私にとっての『太陽の神殿』というゲームは、そういう気持ちにさせてくれるゲームです。 やったことのない方は、大体そう言うイメージが出てくるゲームなんだな、と参考にしていただければと思います(なるか、こんなもん)。
 機種は、ええと、ファミコン版のほかはちょっとよくわかりませんが、もとはパソコンゲームであると聞きました。でもたぶん、一番手にいれやすいのは ファミコン版じゃないでしょうか。というわけで第一夜はおしまい。第二夜の予定は、サイキック・ディテクティヴ・シリーズVol.4『オルゴール』を予定して おります。




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