私とカニ――「ストライカーズ1945」論





 前回、「19XX」についてレビューを書きましたので、今回は「ストライカーズ1945」です。超有名なシューティングなので、わざわざ私が何かを書く必要もない気もいたしますが、せっかく「19XX」のことを取り上げたので、こちらもということで。

 いや、このゲーム大好きなんです私。というのは数少ない、1コインクリアできたシューティングゲームなんです。正確には「アーケード相当の難度で、PS版をクリアした」ということなんですが、まあ一応、1コインクリアしました。

 シューティング初心者、というわけではないものの決して上手ではない一般人の私でもどうにかなるギリギリの難易度調整は、ある意味奇跡のバランスと言ってもいいくらいです(言い過ぎ)。そんなシューティングゲームのひとつの完成形(当社比)について、ちょこっと語りたいと思います。

 1945年夏、第二次世界大戦終結。世界は一応の平和を取り戻したかに見えた。 しかし、かねてより各国の軍上層部との癒着が噂された謎の国際組織”CANY(キャニー)”が密かに軍部を掌握、 実践配備に至らなかった新型兵器群をもって、全世界を内側より転覆させんと策謀していた。 各国の不穏な動きをいち早く察知した連合軍司令部は秘密裏に全世界より選りすぐりの名戦闘機とそのパイロットを召集、 ”CANY”に対抗すべく特殊部隊ストライカーズを結成する。 今ここに歴史の陰に隠された最後の世界大戦の火蓋が切って落とされる。
 
 といったわけで、敵も味方も多国籍でまさに世界大戦。味方機はアメリカ、イギリス、ドイツ、日本の4カ国の有名どころを選択可能です。具体的には先日取り上げた「19シリーズ」でもおなじみのP-38ライトニング、第二次大戦最優秀戦闘機とも言われるP-51マスタング、ドイツ空軍のもっともスタンダードな戦闘機メッサーシュミットBf109、本国では迫り来るドイツ空軍を追い払った英雄スピットファイア、そして帝国海軍のもっともスタンダードな戦闘機である零戦52型ともっとも変わった局地戦闘機「震電」の6機となります。

 当時はこの「震電」という飛行機のことは知らなかったので、初めてデモ画面で各機の紹介を見た時「何でこの飛行機だけ、後ろ向いてんの?」と思いました。そして知らないのだからさしたる興味もなく、かといって鬼畜米英の飛行機や、同じくあまり馴染みのないメッサーシュミットもあまり思い入れがなかったので、その中では一番よく知っていた、いわゆるゼロ戦を使いました。

 移動速度は遅いものの、接近戦に強いというのがこのゲームでの特徴でしょうか。サブウエポンの「投下型小型爆弾」というのは、自機のちょこっと先で爆弾が爆発する不思議なもので、敵に当たるとすぐに爆発するので、近づくと連射が可能になります。一発一発の破壊力もなかなかなので、中型機だったら1秒で破壊可能だったりします。

 また、ボムの「ゴッドウインド」(!)は、使った瞬間に弾消しをしてくれて、なおかつ持続時間が妙に長いので、「緊急回避→接近して爆弾連発」という黄金パターンが決まるとかなり爽快です。あと、このゲームではしばらくショットボタンを押してから離すと、オプションがそれぞれ機体ごとのフォーメーションでバリバリ攻撃してくれるのですが、この機体の場合は「ハンターフォーメーション」といって、オプションが超高速で敵を追いかけて猛連射してくれるスーパー便利なものです。
 
 といったわけで初プレイ時はこれを使いました。その後は機体にほれ込んで震電を使ったもののやはり上級者向けと言うか、私には性能を存分に発揮させることができませんでした。またライトニングは非常にシンプルで使いやすいものの、機体の大きさが好きになれませんでした。その他の米英機も一長一短と言うか……それなりに強い部分もありますが、やはり「たまには気分を変えて使ってみるか」って感じで使うならともかく、好きな感じではありませんでした。

 で、ドイツのメッサーシュミットはどうなのよ? とおっしゃる向きもあるかと思いますが、ええ、実はこれが今のところただ一度の「1コインクリア達成機体」でした。

 サブウエポンのサーチバルカンは「TATSUJIN」のサンダーレーザーの威力と見た目をささやかにしたような感じだし、ボムもまあ、目を見張るほど強力なわけではない。けれどためうちの「ドリルフォーメーション」の威力がすさまじい! 大体自機と同じくらいの幅でぐるぐる回りながら光り輝く強力弾をバリバリ撃ち込むそれは、ゼロ戦のように接近するリスクをおかすことなく強烈なダメージを与えられる痛快兵器でありました。

 加えてその機体の小ささ。私は決して弾除けが上手なわけではありませんが、やはり気持ち的にも小さい方が安心ですわな。見た目が大きいと、本来ならかわせるような弾も「かわせない!」と思って大きく動いて、そうしたがために悲劇を招くことにもなりかねないのですから。

 
 といったわけで、妙に長くなりましたがお気に入りの機体を見つけて出撃してください。最初の4ステージは日本、アメリカ、ドイツ、ソ連のどれかがランダムな順番で出てきます。攻撃目標は大和級参番艦「紀伊」、巨大全翼爆撃機「XFB-1」、超重戦車「ドーラマスカー」(と読むのかな?)、装甲飛行船「ハバロフスク」ですが、例外なくロボットに変形します。ここら辺で、硬派な第二次大戦シューティングを想像していた人は首を傾げるのではないでしょうか。

 その後、ミサイル基地を急襲しそこの防衛システム「サムソン」を撃破すると、いきなり愛機の下に不恰好なミサイルみたいなのが取り付けられます。「おや?」と思ったのもつかの間、ものすごい炎が噴き出し、いきなりレシプロ機の限界どころか引力の限界を超える加速を与えられ、成層圏そして宇宙へ飛び出します。道中、巨大なロケットがありますので、ついでに撃墜しましょう。

 ここまで来ると、第二次大戦の雰囲気はかろうじて自機に見るだけで、周りは完全にSF超兵器軍団になってしまいました。もはやレシプロ機で月面到達しようと3メートルの宇宙人(通称)が出てこようとリトルグレーが出てこようとまるで違和感がありません。ここまで来ると敵の攻撃もなかなか激しく、また中ボスおよびボスが、3種類の中からランダムで登場するため、若干の運もかかわってきますが、絶望するほど難しいわけじゃないんです。私も、その日はバイオリズムが絶好調だったので、1コインクリアもできました。逆に言うと、この「ストライカーズ1945」が、どうにか1コインクリアできるギリギリのラインなのかなとも思います。

 そんなこんなで、サラッと「ストライカーズ1945」について触れてきましたが、得点が高ければだったかな……エンディングが少し違います。まあ静止画の種類がちょっと違うだけなんですけれど……まあ、わかってる人はわかってるだろうし、わからない人に言うのも何なので、詳しくは言いません。なお2周目以降はさらに変わるらしいのですが、できません。

 
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