私と「どピンク」な戦闘機
――「ストームブレード」論


 突然ですが私は昔は「パロディウス」が大嫌いでした。なんとなれば「グラディウス」の超硬派な世界をぶち壊しにしているように見えたからです(今でこそその パロディに笑い、また真摯な作りこみに感動しているのですが)。

 その理論に基づくとこの「ストームブレード」は、リアルな兵器(一部例外)が飛び交い激しい戦いを繰り広げる硬派な世界をある一機の戦闘機がぶち壊しにしていると 言わざるを得ません。そもそもやったことがない人が大多数であると思われるので、それを前提に説明すると……

 1.パイロットが女の子(「女性」ではない)

 2.機体(AV−8)がピンク(「彼女のカレラ」の主人公の愛車と同じような色)

 3.パワーアップすると「ぱわぁーあーっぷ」と可愛らしい声を発する。ボム使用時も。

 ……「ゼクスゼス」ほどではないですが、プレイしている私の方がちょっとテレてしまうところがあります。キャロル・ユキ・アンダーソン。プロフィールはよく 知りませんがとにかく私はこの人以外、使ったことがありません。何となれば、他の人を使う前にゲーム自体がなくなり、今となってはそのデパートごとなくなって しまったからです。

 そういえばサミー工業の「デモリッシュフィスト」が盛岡で唯一プレイできた? のが同じデパートでした。もちろん稼動時期は大分ズレているのですが、ともかく 同じフロアでプレイした記憶があります。結構そういう、レアなゲームをいくつかプレイする場所だったのかな。

 まあ「デモリッシュフィスト」もそれなりに面白いゲームではあったのですが、それはさておき。

 検索してもあまりにもヒットするところが少ないため、ここは私がやらなきゃならんだろう、と思い、ひとつ文章を書きたいと思います。


 ゲームとしてはきわめてオーソドックスな縦スクロール・シューティングで、全6面2周、左のボタンで弾を撃ち右のボタンで緊急回避ボンバーをします。もう、 これ以上ないくらい定石を踏まえたスタンダードなシューティングです。
 
 96年と言えば「ストライカーズ1945」もあるし「バトルガレッガ」もあるし「19XX」も「レイストーム」も「エリア51」……はともかく……結構目を引く シューティングはいっぱいあるわけで、そういったものと比べれば決して出来がよくないわけではないのですが派手さもなかったというわけで、ってことは諸手を上げて 「ストームブレード最高〜!」という人はあまりいないのかなと、さすがの犬神もちょっとテンション上げようがなく、どうやってこの文章を書き進めていこうかと 思っているところです。

 というわけで、シューティングとしては特別なところはないのですが、あえて言えばキャラクタが、というかキャロルが可愛いのです。はっきり言えば彼女がいるから このゲームが好きになり、わざわざこうして語りたくなったというわけです。

 じゃあキャラゲーなのか、といえばそこまでキャラを表に向けているわけではなく、せいぜいステージ間にちょっとした会話デモ(ひとりプレイならモノローグ)が 入る程度で、いわゆる「ソニックウイングス」のようなものです。

 そうしたら、どうなんだよ。いや、つまりすべてが「そこそこ」なわけで、取り立ててやりこむこともなかった(できなかった、とも)ので……

 とはいっても、このゲーム、ヘボな犬神がきちんと1周出来た、記念すべきゲームなんです。そうそう、だから覚えてるんですよ。ただ正直1コインクリアなのか、 それともコンティニュークリアなのかはよく覚えていないんですよね……まあ、この際それはよろしい。そういうわけで少しずつ、内容についてもきちんと語って 行きたいと思います。


 ステージはざっと言って海面、空面、中東面、高速海面、ジャングル面、それから……えーと忘れた……と、まあ、その、そんな感じです。ひとつのステージの長さは 割と短めで、サクサク進むのはいかにもアーケードゲームらしいおいしさです。

 敵弾は高速・少ない系で、ごくまれにバトルガレッガばりの細くて小さい弾が飛んできますが、基本的には見てからもどうにかかわせることが多いです(キャロルの 場合)。ただし一部レーザーを撃って来る敵がおり、これだけは超高速で飛んでくるために「撃たれる前に撃つ」ぐらいの気を遣ってあげなければならないかもしれません。

 一方こちらのショットはどうなのか。幅広で連射装置を使えば怒涛の撃ち込みを食らわせることが出来ます。集中させても威力がやや低めなのはご愛嬌。サブウエポンは やや遅めの誘導ミサイルで、要するにマリオンのアレですね、アレ。そういうわけで概して扱いやすく、オススメの機体です。と言うかお前はそれ以外の機体を使ったことが ないんじゃないのかと小一時間(後略)。

 ボムは「ハニービー・ヴェスパー」(と聞こえました。ヴェス「バー」はF91ですよね)で、使った瞬間光の弾がグルグル回って弾消し&敵機にダメージを与え、 最後にそれがひとかたまりになって飛んで行くと言ったもので、威力は低めですがそれもまあキャロルに免じて許してあげたくなるのがある意味このゲームの魅力か。

 ちなみにインストカードで「ボムを使うとかつての仲間が……」という、思わせぶりな言葉で説明されている戦中派の人がいますが、もしかすると「大旋風」ボムの ことでしょうか。あいにく未確認です。


 敵キャラクタについてもう少し語ります。基本的には現代兵器をモチーフにしていて、空面のボスはこの手のゲームの定番であるB−2スピリットなんかが出てきます。

 また戦艦、というとちょっと時代遅れ? な気もしますがレーガン大統領の時代にいきなり復活したことを考えれば、まあありえます。ちなみに近代化改装により主砲は 謎のエネルギー弾発射装置になっています。そして敵の対空ミサイルはこのゲームの定番に反し、破壊できないようなので、すみやかに破壊してしまいましょう。

 砂漠面では中型爆撃機が3機、編隊を組んでやってきます。ウルフ・パックでしょうか。3機編成の時は、実は左側の機体の後ろにいて動かないでいると弾が自機を 避けて飛んでいくので楽勝です。そのあとはそれなりに動き回って破壊する必要がありますが、今日びのゲームに比べれば大分、易しめなのかなと思われます。

 あとは要塞もあります。これなんかはある程度ダメージを与えると、いきなり地面が割れてパワーアップします。いわゆる「ソニックウイングス」のスウェーデンですね。

 
 ……と、まあ、こんなところでしょうか。
 
 結局のところ持ち上げるべき場所がキャラクタの可愛さぐらいであり、それ以外は実にオーソドックスなシューティングです。逆にいうと、ふらりと立ち寄ったゲーセンの フロアの隅っこにこれが稼動していたら、軽い気持ちでプレイするだけの価値はあるということです。ちなみにキャラクタ選択時、Bボタンを押しながらAボタンを押して キャラクタを決定すると、連射モードでゲームを進められるそうです。
 

 


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