ひょっとすると一番熱かった夏――
私とスーパースターソルジャー

 

 

 ここのホームページのコンセプトは「誰も書かないのなら私が書く」であり、いわゆるアンタッチャブルなものを取り扱っていくところ(何をえらそーに……)、 なのでこの超有名ゲームはいささか似つかわしくないかな? と思わなくもないのですがまあそれほど気にせず始めることとしましょう。


 ってことで書いたののが今(2009年7月)から何年前だったっけ……というくらい前の話。

 超有名ゲームの割にこういった文字のレビューって、意外と少ないんですね。あるいは、たくさんの方にご覧いただいているからなのかな。legendius様の次に 出てくるなんて、恐れ多い感じです。

 なので、そういうのってよくないのかもしれませんが、今の視点で読みづらい部分とか、新たに気づいた部分とか、そういうのを色々と加筆修正させていただきました。 今後ともよりいっそうのご愛顧を。


 1.「志は正しくなくても、出来上がったものは……」


 1990年にPCEで発売されたのがこの『スーパースターソルジャー』ですが、製作はカネコインターステートです(タイトルにも、ちゃんとロゴが入っています)。

  『ガンヘッド』をコンパイルが作っていたというのは、インターネットを始めてしばらく経ってから気づいたことではありましたが、このゲームをカネコで作っていたというのは 当時の『ファミコン通信』のレビューで読んで知っていたように思います(渋谷洋一氏のレビューでした)。

 カネコというとどのようなゲームが思い当たるでしょうか。私は『エアロブラスターズ』……と言いたいところですが、『富士山バスターズ』そして『大江戸ファイト』だろ、というのが動かしがたい事実。 あえて検索も何もしないで思いついたのは、やっぱり今もそれしかありませんでした。ウムム。

 まあそれはともかくとして、これは非常にいいゲームです。FC版はもちろん思い入れもありますし、こないだついにN64版のことも褒めちぎって見せたのですが、 両方あわせた総合値で言うと、やはりこれが一番になっちゃいます。

 昔に書いた『パルスター』のレヴューでもチョコっと触れましたが、 このゲームは様々な名作シューティングのエッセンスを取り入れた)ものである、と当時のファミコン通信で渋谷氏が言っていました。

 パクリという意見もありましょう。いや、というか、『パクリじゃない』と言っても誰も信用しないのでは? という気もします。……ただ、それというのはたぶん、 アーケードゲームを色々知っている人からの意見ですよね。

 だから、その意見は正しいと思います。でも、私の場合、元々のネタを知らなかったから、単純に「スゲー、カッコイー」でした。だから、正しくなくてもいいんです。 とりあえず私は『スーパースターソルジャー』の世界の中で出来上がったステージ、さらにはキャラクタが大好きなんです。

 とりあえず第1ステージでは「R-TYPE」のゴンドラン(1面に出てくる、砲台がぐるっとわっか状に連なったやつですね)を彷彿とさせるような中ボスと、 グラディウスIIIのビッグコアMK-IIIを連想させるボスが出てきます(攻撃方法が)。ボスの名前は「スターブレインMK-II」ですが、面影は……ありません。ものすごくメカメカしく、 かっこよくなっているのです。

 それ以外にもジオングみたいな大型のモビルスーツが出て来たり(私は長らくこいつに勝てず、先に進めませんでした)、グラディウスII の水晶ステージそのままみたいなステージとかうつぼみたいな(『ダライアスII』のドリオソームみたいな)ボスが出て来たりして楽しませてくれます。

 正直な頃当時は(今でも?)『グラディウス』は、非常に魅力的ではあったものの、あまりにも難しすぎました。ついでに言うとスーパーファミコンも持っていません でしたし、実際に「II」の水晶ステージを遊んだり、さらにはビッグコアMK−IIIと闘ったりすると言うのは、色々な意味で無理でした。

 それをこのゲームは、割合に控えめな難易度でバリバリ進めさせてくれるので、雰囲気をたっぷり味わわせてくれる。そしてこれで十分に味わったあと、「本家の方は どうなんだろうねえ」と興味を持ち、そちらを遊ぶ。そんな流れで生きてきたのですね。

 正直なところ、どっちが上かを論じるつもりはありません(思い入れならこっちが圧勝ですが)。どっちも好きですから。別にそういうのでもいいですよね?


 2.「圧倒的な、あまりに圧倒的な強さゆえに」


 ストーリィの位置付けとしては、前作から4年後。

 突如現れたブレイン軍に対して、地球連邦軍は小型戦闘機『シーザー』を投入、16連射パワーで(!?)圧倒的な物量を誇るブレイン軍を壊滅させ、 平和を取り戻したのでした。

 それから4年後、今度は『マザーブレイン』率いる軍団が来襲、瞬く間にスペースプラント、それに地球本土をも制圧してしまいました。

 この危機に連邦軍は、4年前に大活躍した名機『シーザー』に改良を加えた『ネオ・シーザー』を投入、反撃を開始したのでした。


 ちなみにこのストーリィはGC版では「なかったことに」されているっぽいです。それはあまりにも悔しいので、私自身は『グラディウス2』(MSX) みたいに、

 「説明書とかには書いていないけど、ちゃんと歴史の中に組み込まれている(FC版とGC版の間くらい)」

 ということにし、後継機『アサルト・シーザー』(GC版の自機)よりも『ネオ・シーザー』の方が圧倒的に火力・バリエーションともに強いんじゃないの?  ということについては、

 「ものすごく強いんだけど量産不可能な特殊技術がたくさんあるから」

 ということで決着させることにしました。もしかしたらリークパワーとかがないと動かないのかもしれません。


 まあ、それは置いといて、実際にこのネオ・シーザーはすごい火力を誇ります。確かに大半はいつもの多方向ショットで安定なのですが、5面の水晶ステージでは 地形を貫通する緑の『スプレッドレーザー』が威力を発揮します。見た目的にもかっこいいし、なかなかのお気に入りです。

 青の『リングレーザー』は、攻撃範囲が広いのはいいのですが、真横と後ろの方が死角になるので、四方八方から敵が出てくる場所ではちょっと厳しいかもしれません。 そして橙の『スイングファイヤー』は、弾が見えなくなるので私はあまり好きではありません(苦笑)。

 これらのメインウエポンに加えて、サブウエポンがつきます。端的に言えば誘導ミサイルと、自機の周りについて敵弾を防いでくれるオプションです。同じアイテムを 取るとパワーアップします。

 オススメは誘導ミサイル。さすがに『ガンヘッド』ほどの威力はありませんが、それでもパワーアップさせれば高速で敵に突っ込んで行ってくれるし、多方向バルカン なら4つ出るし、これで動き回っていればどこから敵が出てこようが安心です。


 この頃のPCエンジンのゲームって、どれもこれもそうなんですが、大体クリアするのに40〜50分くらいかかるんですよね。それを「長い」というのか、「たくさん 遊ばせてくれる」とするのかは、意見の分かれるところだとは思いますが、本作もそんな感じです。

 ただ、全体的にスピード感がすごくあるので、あまり「長い」という印象はありません。バリバリやって、エンディングまで見て、ふと時計を見たら結構な時間が経っていた ……とか、そんな感じ。
 
 それに、これはともすれば「パクリ」と批判される部分ではありましょうが、どこかで見たような? キャラクタが次々に出てくるので、いくつかのゲームをメドレーで プレイしているような気持ちにもなります。

 当時のアーケードゲーム大好きな人からして見れば憤慨モノというか噴飯モノというか、ろくでもないものでしょうが、このゲームから本格的にシューティングゲームという ものの面白さを考えるようになった者としては、依然変わりなく大好きなのであります。


 3.「ストーリーシューターのお願い―エンディングについて―」

 正直なところループゲームというのは少々……好きではありません。

 反論も多数あろうかと思いますが、せっかくストーリーがあって、それに沿ってゲームを進め、バクテリアンだのバイドだのかに座の宇宙人が 仕向けてきた兵器群だのを次々と破壊し、最終的に諸悪の根源とか最終兵器とかを壊滅。

 ……したのに、その余韻に浸る間もなく何事もなかったかのように2周目が始まったりするのでは、今までやって来たのはなんだったのかしらん、とちょっと寂しい 気持ちになってしまいます。まあ、犬神の場合は2周どころか1周だってあやしいのですが。

 またエンディングにしても、(これは『シルフィア』にまつわるレヴューでも触れましたが)あまりストーリーと関係ない、スタッフロールだけとか、 そういうのではやはりちょっと寂しいものがあります。

 導入部に気をもたせるようなストーリーがあり、過程においても魅力的なストーリー展開があり、最終的な敵を破壊し、さあエンディングだって思ってみたところ、 これまた何事もなかったかのようなスタッフロールってのではちょっと肩透かしを食ったような、そんな気分になってしまいます。

そう言う意味では『ダライアス』シリーズとか、あのあたりはすごくいいですね。あと『RAY』シリーズについても語りたいことがありますが、それはまたこんど。

 んで、このゲームのエンディングはどうなのかというと、なんかいいですね。簡素で、カットが数枚挿入される程度のものですが、そのエンディングで 自機のパイロットが実は女の子だった、というのがわかるわけですね。――最後のボスを倒して、達成感を味わっているところに明らかになった事実。

月並みな表現ではありますが、最後にポッと花を添えるような、いい演出ですね。やはりSTGに限らず、どうせならば最初から最後まで、システムから 背景まで、きっちり作りこんでもらいたいものですね。ちょうどこの『スーパースターソルジャー』のように……。


 *

 というのが、当時の犬神の言葉。そんな言葉が届いたのかどうか(そんなわけはない)、エンディングで色々な言葉を添えてくれるシューティングゲームが、 ちらほら見受けられるようになった感じがします。とりあえず私が見たことあるものは、『ラジルギ』『アンダーディフィート』『怒首領蜂 大復活』……。 それ以外にもたくさんあるでしょう。

 中にはゲーム中に絶え間なく文字が出てきて、ストーリィを盛り上げてくれるゲームなんかもありますが、読んでられませんって。いや、すごくありがたいことだとは 思うのですが。

 それに、初めから女の子が主人公っていうか自機ですよーってのを包み隠さず大っぴらにさらけ出すようになったのも、変わってきたのかなって気がします。まあ、 これは別な大きな力、時代がそうさせているような気もするのですが。

 ゲーム自体が発売された頃。そのゲームをプレイして、感想を書いた頃。そして時間が経って、改めて見直した今。こうして色々比べると面白いですね。やっぱり、 あれこれ書いておくもんだなあ(笑)。

    
 


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