SOLVALOU(ソルバルウ)
 私とSOLVALOU(ソルバルウ)――思い出は今も胸に




 『ソルバルウ』というのは、1991年にアーケードで発売された3Dポリゴンシューティングゲームです。発売元はもちろんナムコ様です。

 この記事を書いたころ(2004年ごろ)は、まだバーチャルコンソールなんてものはなく、インターネット上でもあまり情報がなく、頼りになるのは 当時リサイクルショップで買ったLDぐらいでした。

 今はどういうわけかそのLDをなくしてしまうという失態を演じてしまったのですが、その代わりバーチャルコンソールで復活しましたからね。ある意味では 7年間保存して正解だったかもしれません。もしWiiをお持ちでない方でも、youtubeで動画を見ることも出来ますしね。

 というわけで、今回は、一連の『ゼビウス』シリーズの中でもちょっとした異色作『ソルバルウ』について。記事の大半は当時のものをそのまま使っていますが、 それだけではちょっと足りないので、色々と書き加えていきたいと思います。


 ゼビウス OF THE END――果てしない戦いの終わる時


一万数千年の長きに渡る、人類と生体コンピュータ「ガンプ」との戦い。
 「ガンプ」が率いる圧倒的なゼビウス軍に、人類は戦闘機「ソルバルウ」で抗戦した。
 からくも、ファードラウトによる絶対的な「ガンプ」の出現阻止には成功したが、ゼビウス星のレプリカ・ガンプが、地球にテレポート。
人類を支配下に置くため、自らを軌道上に置き、統制を始めた。
 残された唯一のソルバルウ・パイロット「ムー」は人類の自由な未来のために、最後の出撃をした。――ガンプを、この宇宙から消滅させるために!

(『ソルバルウ』ジャケット裏面より)

 
 1991年に世に出た『ソルバルウ』は、すでに神話的なスケールで繰り広げられる人々とゼビウス軍との戦いの完結編にあたるといわれております。3D/Gはどう した? とか言われそうですが、あまりマニアなことはわかりません。

 人によっては「なかったこと」にされているらしい本作ですが、なかなかどうしてこれ、かっこいいですよ。

 専用筐体は、アフターバーナーのように筐体がぐりぐり動くわけではありませんが、座ると目の前にパノラマ的に広がる世界はすごく格好よかった! のです。 何せ91年当時、犬神が知っていたポリゴン使用ゲームというと『ウイニングラン』と『ハードドライビン』くらいしか知りませんでしたから、 なおのこと衝撃的でありました(あ、でも似たようなので『ミッドナイトランディング』とか『トップランディング』とか……)。


 一般兵士向けソルバルウ・操縦マニュアル(超ザックリ版)


 そんな世界の中、操縦桿を握り締めて、3次元方向にソルバルウを操作しながらゼビウス軍のもろもろの敵を撃破していくのが基本的なゲームの流れです。 武装はおなじみのザッパー(空中用)にブラスター(地上用)。

 2D版であればブラスターは射程20キロですが、それというのはおそらく超能力戦士ムー であればこそなせる技であり、私たちが20キロ先の目標を攻撃することは事実上無理ですよね。そういうわけですので、実質上、地表すれすれを 飛びながらブラスターでロックオンし、これを破壊することとなります。あとザッパーはかなりのスピードで連射できます。

 それと、本作では残機制ではなくてライフ制となっており、敵弾を受けるとシールドが若干ダメージを受けます。そしてシールドが全然ない 状態で受けると、ピューッと(いう音が鳴るんです)墜落してしまいます。

 
 ソルバルウのスペース大作戦!?


 『ソルバルウ』では、オリジナルのそれとは違い、色々なところを飛びます。

 まずおなじみの草原はもちろんですが、それ以外にも橋の下を潜り抜けたり(これなんかは3Dならではですね)、山岳の壁に作られた秘密基地を強襲したり。 そして最終的には、衛星軌道上にあるガンプ・レプリカを完全破壊するため、宇宙にも行っちゃいます。ソルバルウは大気圏内でのみ運用可能だと思っていただけにびっくりしてしまいました。

 そんな世界で戦う敵たちも、当然ですがしっかりポリゴンで作りこまれております。あまり詳しく知らないので固有名詞は避けますが、 ガルザカートもトーロイドも出ています。ソルもニョキニョキ生えてきますしバキュラも飛んできます。そしてアンドアジェネシスは、 その巨大さが十二分に伝わるように描かれております。「こんなにデカいのか!」つって、もう、かなりの大迫力です。

 そういうわけで筐体こそ動かないものの、操縦桿を右にガツン左にガツンとしながら激しく切り返しを行って弾を回避し、やりすぎて三半規管の強くない(この手の ゲームにめっぽう弱い)犬神、少しく吐き気を催してしまいます(笑)。

 もっとも、プレイヤーがこれほどまでに熱くなってしまう一方で、音楽はいつものように静かなものです。開発者さんの言葉をそのまま借りると 『アンビエンス』な感じです。当時の言葉で感想を言えば、不思議な空気がフワッと、やわらかく、しかし濃くなっていくような、そんな感じがした……とのことですが、 2011年の自分自身がよくわからないのだから仕方ありません。いずれにせよ、あまり血圧が上がるようなノリノリの音楽、の対極である、というのは間違いありません。


アノコロノオモイデ


 本作が初めて世に出た1991年当時、実は私は特別に『ゼビウス』というゲームが好きなわけではありませんでした。

 どちらかというとむしろ『スターソルジャー』とか、ああいう、派手にパワーアップしながらどんどん突き進んでいくタイプのゲームが好きだったのです。小学生だし そんなもんですよね。

 そんな私にとってゼビウスというのは、

 「面白いのかもしれないけれど、よくわかんないや」

 というのが正直な感想。――それでも私がタイトー直営のゲーセン(閉店)で見つけるなり200円も投じてプレイしたのは、 ひとえに私が新しもの好きだったからに他なりません。とりあえず新製品が出たらプレイしてみたんです。加えて『アフターバーナー』などの大型筐体ゲーム好き だったことも、動機のひとつなのかな。

 当時はまだまだ小学生。しかも数回プレイしただけで、そのゲーセンから姿を消してしまったものだから、クリアーどころかアンドアジェネシスに出会うことさえ できなかった気がします。

 でも、どこまで進むかとか、どれくらいのスコアを出せたかとか、そういうことではなく、戦闘機をパイロットの視点で操縦するということ自体が、とても楽しかった 気がします。男の子はやっぱり、のりものだいすき! なのです。

 その後、宇都宮市内で『ソーラーアサルト』ともども現役で稼動している筐体を去年発見! し、一も二もなくプレイしました。……まあ、あんまり成績はよくなかった と思います。どこまで進んだのか覚えてないくらいですからね。

 それだけに、バーチャルコンソールに移植されたと言う話聞いた時は「ええぇー!?」と思わず声をあげてしまいました。これは本当に嬉しかったです。それに、 自分が進めないステージでも、youtubeで検索すれば見ることも出来ますしね。もう、知る人ぞ知るマニアックなゲームではないのです。

 とすると、こうして記事を書く意義はなんなのか? という話になりますが……これ、あとはもうアップロードするだけ、ってところまでできてたんですよね。 だから、とにかく形にして公開します。  
   

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