私と非ダーウィン的進化――「新人類」論








 このゲームは厳密にはハドソン製作ではなく、リックスという会社が製作し、ハドソンが発売したソフトです。当初は割と普通のアクションだったのに、ハドソンが絡んだおかげであんなふうになった、という記述を最近知りました。

 ということは、それゆえにパッケージにでていた、でかい骨で怪獣をぶん殴っているヒロインと思しき少女は出てこなかったのでしょうか……。え? 誰だっけそれ、と思った方はパッケージ、あるいはカセットのイラストをよ〜く見て探してください。


 ……といった、重箱の隅をつつくようなトリビア的な展開にしようと思いましたが、やめます。たぶんその手の突っ込みはもう誰かがやっているだろうし、あんまりその方向で盛り上がるかと言うと、そうでもないんじゃないかなと思ったからです。なので、結局いつも通りの雰囲気ですすめていこうと思います。

 「むかしむかし、大むかし。

 そこら中に砂漠が広がり、巨大な恐竜たちがのっしのっしと歩きまわっていた。今、この原始の世界に一人のヒーローが生まれた。

 我らが、人類の大先祖。知恵と勇気にあふれる若き勇者、その名もマックスだ。

 彼の行手をはばむ、狂暴な古代生物たちの群、ハスの池、そしてチラノザウルスやプテラノドンなどの大恐竜。

 しかし、マックスは負けないぞ!石を使い、オノを使い、古代生物どもをやっつけろ。 人類の未来をきりひらく、新人類マックスの冒険の旅が、今ここに始まる。」


 そんなこんなで、彼の冒険は縦スクロールのシューティングっぽい雰囲気で進んでいきます。
 最初、彼は原始人らしく(?)石ころを投げて攻撃します。連射はろくに効かないし、威力は弱いしで、なんともしょぼいものですが、拳マークのアイコンを取ると進化します。石ころから石斧を作り、それからブーメランを作り(戻ってこないけど)、最終的にはたいまつを投げます。

 このたいまつがもう強いのなんのって……。攻撃範囲はかなり広いし、ボス以外は一撃だし、連射も効きます……というかオート連射になります。もうボタン押しっぱなしでいけます。ただしダメージを受けると退化してしまいますので、一度進化したら絶対にダメージを受けないくらいの気負いで臨まなければなりません。

 またスピードアップは足のアイコンを取ることで可能となります。初期状態では遅くてやってられないので、まあ2つくらいは取ることが望ましいでしょう。3つ4つととっても、人によってはいけるかもしれません。

 ここまで来て、私はおや? と思いました。これはどうも、とあるシューティングに似ているなと。最強になってしまえばウハウハだけど、その最強が終わってしまったらしおしおになってしまうというところですね。まあそれが何かなんてことは、わざわざ私が言うことでもありませんよね。

 

 それ以外のアイテムは、ライフの最大値が増えたり、体力が回復したりと、冒険のためには必須のアイコンですね。また連続して取ると得点が倍になっていく、黄色いアレみたいなものもあったりして、スコアアタックも非常に熱くなれます。

 そして最後になりましたが、一応人類の(たぶん)通常進化を促すこれらのアイテムのほかに、2つほど、突然変異とでも言うべき進化をもたらすアイテムがあります。それは「翼」と「リキマーク」です。前者は取ると背中に羽が生えて、空を飛ぶことができます。このゲームでの難所に浮いたり沈んだりするハスの上をジャンプしたりする、と言うのがありますが、このアイテムさえあればホホイのホイってなもんで、普通のシューティング感覚で遊ぶことができます。もちろんダメージを受けると落ちますので、やられる前にやることが必須条件となりますが。

 で、「リキマーク」……これをとると、かの有名なプロレスラー(今は団体の社長なのかな)長州力に変身することが出来ます。いきなりものすごいマッチョなタフガイに返信したかと思うと、雄たけびとともに自分の分身を四方八方に飛ばして攻撃するその様はなんともいえない異様な雰囲気でございます。ただし隠しアイテムなので、「何もない空間を16回くらい」攻撃しないと出てきません。

 また、これを取ると羽アイテムをとっていてもなくなってしまうので、難易度はそれなりにアップします。とりあえず羽アイテムをとっている時は私はまずとりません。取るとしたら、やられたりして再スタートになり、にっちもさっちもいかない場合くらいでしょうか。いや、そもそも実用を考えたアイテムじゃないのかな……。

 そんなこんなで、まあ、全4ステージを進んでいくと言った感じです。1ステージは屋外で割と明るい感じですが、2ステージは遺跡でしょうか……蟻地獄あり、ものすごい火炎を吐き出すオブジェがありと、なかなか恐ろしいつくりとなっております。もちろん炎に触れると即座にアウトです。

 そしてステージ3は、どこか「ヘクター87」にも似た、というか色合いにしても地割れにしてもここはアトランティス大陸ではないのか(「ヘクター87」のステージ3がそうなので)といいたくなるようなところです。ここでは一度羽を取ったら、絶対にダメージを受けないってくらいの気負いで進むことが重要であると思います。

 そしてそんなこんなでステージ3をクリアすると、おそらく衝撃的なステージ4が開幕します。何が衝撃的ってとにかく長かったような気がします。「気がします」というのは、それを見たのが結構前のことで、今回久々にカセットを引っ張り出して遊んでみると、どうしてもステージ3の途中でひっかかっちゃうんです。


 そういうわけなので、最終ステージのボスがどういうやつなのかはいまだわからないのですが、いかにもハドソンらしい「やられる前にやる」タイプの良作STGとして私はこれを推したいと思います。元々は横スクロールの『チャレンジャー』っぽいアクションになる予定がハドソンのせいでこんなになっちゃった、と嘆かれる方も多くいるかとは思いますが、私はとりあえずこれ好きです。

 やはり「FC版女神転生はナムコから発売されたけど、開発は後のシリーズを発売することになるアトラスの人たちがやっていた」とか言われたって、発売しているメーカー=開発している人たちというイメージがファミコンのゲームには付きまといます。そしてこれまで「やっぱり女神転生はナムコ版がいいね」などと言ってしまっていたことを否定しないためにも(笑)『さすがハドソン」と言うこととしましょう。

 

 最後になりましたが、この当時のCMには高橋名人が出て「オレも新人類だー!」とかと叫んでいたと聞きます。私は実際に見たことがない(あるいは記憶がない)ため、そのインパクトは残念ながら残っていません。    

 


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