「アノ 地球(ホシ)ヲ、コワスタメ」――新「R-TYPE LEO」論


チラシ
チラシ画像です……クリックするとものすごく大きな画像をご覧になれます。でも重いです。

 

    なぜだか知りませんがこのところ、我が盛岡市では「R-TYPE LEO」が大流行のようであります。……とはいってもまあ、たまたま同日に異なるゲーセンで「LEO」が稼動していたに過ぎませんが、お目にかかれるだけでも結構ラッキーなのに、などといささか驚いてしまい、これはもしかするとデジャ・ヴュ現象なのかとさえ思ってしまいました。
 もちろんそれは紛れもなく現実であったわけですが、ともかくこうなってくると、以前ざっと概観する程度で済ませていた「LEO」論をもう一度、改めてまとめてみようか、という気になってきてしまいました。そして同時に、がんばってどうにかクリアできやしないかと思い、その方面の友人を頼ってひたすらやりこまさせていただきました。
 話によるとエミュレータであれば、インチキで無敵モードなどにできるということですが、万一それができるとしても、そんなことをしてしまったのでは興が削がれてしまうことでしょう。たとい難易度設定ベリーイージーで最大ストック設定、なおかつフリープレイと言う状況であっても、とりあえずまじめに取り組んで攻略したいという気持ちがありました。
 ……で、取り組むこと1時間弱……幾度ものコンティニュー(9割以上5〜6面)を繰り返し、ついにクリアすることができました。もちろん中には「あんなのノーミスで楽勝だぜ」とか「あんなのジュース飲みながらでも楽勝だぜ」とか「あんなのラーメン食いながらでも楽勝だぜ」、などという御仁も星の数ほどおられるかと思いますが、犬神はただのシューティング好きの一般人ですゆえ突っ込みはご遠慮願います。
 『グラディウス』と並ぶ横スクロール名作シューティング「R-TYPE」シリーズの中であって「異端」だの「突然変異」だのと言われている本作ですが、犬神は「外伝」という言葉が一番ぴったり来ると思います。そして多分、「R-TYPE」と名のつく横スクロールSTGの中では一番しっくり来るのが本作であります。

 1.製作:ナナオ 発売:アイレム

 「LEO」はこれまでのシリーズとは一線を画す内容でした。まずシリーズ最大の特徴であったフォースがなくなり、その代わりサイビットという新兵器が用いられたということ。
 改めて語るまでもないかもしれませんが、このサイビットというやつは自機の上下につくやつで、一応通常弾を吸収してくれますが、ちょっと頼りない感じがいたします。また、自分がレーザークリスタルをとるとパワーアップに応じて一緒にレーザーを撃ってくれます。またボタンを押しっぱなしにすると敵に向かって突っ込んでいきます。やりこんでいくうちに、実は威力はそれほどないことに気づきましたが、しかし地形を貫通するのでかゆいところに手が届くと言ったような、非常に便利な兵器であると思います。
 また、途切れ途切れでなくてずーっと発射し続けるレーザーが出たのも初めてではないでしょうか。え? ギャロップのサーチレーザーがあるだろうって? いやいや、ここではメインショットと一緒に発射するレーザーのことなので、あれは別物です。……後に、「R-TYPE DELTA」で似たような性能のレーザーが出てきますが、たぶんこれが最初であると思います。
 ちなみに3種類あるレーザーのうち、ひとつは従来の反射レーザーに近い性能を持つもののそれより短くてスピードが速い『ブルーサンダー』、まっすぐ飛んでって敵を見つけると90度カキンと曲がる『グリーンアロー』があります。いずれも非常に見栄えのする綺麗なレーザーですが、たぶん『レッドオプティック』以外はそれほど使いません。
 で、まあそれ以外にも大分、印象が違いますが、それもそのはずで……発売こそアイレムであるものの、開発したのはナナオとかいうところだからなそうです。私は会社関係のことはよくわからないのですが、どうもこのナナオというのはモニターで有名な会社で、アイレムはここの子会社だったそうですね。そんなもんなんでしょうかね。
 あと二人同時プレイ可能とか、何とか、いろいろありますが、まあ作ったところが違うんですからしょうがありませんね。そして私は先にも言いましたが、作ったところがどうだからこうだというのは(メタルなんたら4みたいに、愕然としてしまうような変更でもされない限り)犬神にはちょっとしたトリビア程度にしか感じられないので、内容のほうについて入りたいと思います。

 2.「パラダイス・プロジェクト」の行方

 本作はこのように名づけられた計画に端を発します(確かこんな名前だったような気がします)。このころバイド帝国の方々が地球へ向けて攻めてきて、『R-9 アローヘッド』大隊が死闘を繰り広げていたのですが、その地球はもう人の住めるところではなくなっていました。
 人々は生き残るためにあらゆる手立てを試みましたが、環境改造も失敗に終わり、 他惑星への移住計画は新天地も見つからないまま、探査中に起こった大規模なバイオハザードにより中止となってしまいました。
あげくの果てに人類がたどりついた結論は、自らの手でもうひとつの地球を造り出すことでした。それが「パラダイス・プロジェクト」だったのですが、しかし、最高の技術を駆使してようやく完成させたもう一つの地球は、あろうことか、暴走の果てに地球へ攻撃を開始してきたのでした。
 そういうわけで、バイド帝国との、人類の存亡を賭けた大規模な戦い「第一次バイドミッション」が繰り広げられる一方で、「誕生日戦争―バースディ・ウォー―」と呼ばれる戦いが行われることとなったのでした。
 ステージは全部で6つです。とりあえず第一ステージは地球にそっくりな人工天体『エデン』を眺めながら飛行するわけですが、背景の青が非常に鮮やかに映えるのに気づくかと思われます。さらに音楽は「アイレムテクノ節!心地よく戦える(?)レオテクノミュージック!」というコピーにもある通り、なんだかホンワカしてキラキラしてポップンミュージックな感じの音楽です。特に犬神は2面の曲がお気に入りです。
 「音楽とかヴィジュアルとかがすごくいいのはわかった。けれどもシューティングとしてはどうなんだ」というと、これもまた丁寧に作られています。難易度が低いと言う人と高いと言う人がいて、犬神はどちらと断定することはできません。ただひとついえることは、このくらいの難しさが、「絶対無理」と挫折しないギリギリのラインということであります。
 具体的に申しますと、道中はこれでなかなか大変なものです。雑魚敵のラッシュとか弾の雨あられとかに対して、フォースと言う絶対無敵最強兵器がないため、また地形にぶつかれば当然やられてしまうため、結構気を遣います。可能な限りサイビットを使って敵を破壊していくことが必要となってきます。
 そしてボスへとたどり着くわけですが、ボスは……今日びのシューティングのように、でたらめに強いというわけではありません。というかどれもこれもパターン化できるので覚えてしまえば楽勝なのですが、たぶん知らないと絶対やられます。そんな感じです。

 3.変わり果てたパラダイス

 とりあえず1面をクリアすると、いよいよもう人工天体エデン地表へと到達します。最初にやってきたのは熱い砂漠ステージ……このあたりは気候管理システムの異常により極端に乾燥した気候のため植物がほとんど生えずに砂漠となっていたほか、地層がもろく、さまざまな衝撃によって地面がそのまま落下してくる場所もあるといいます。ここでは壁のすぐ後ろとかに敵のハッチがあったりするので、サイビットで早め早めに倒していかないと大変な目にあいます。

 で、そんな砂漠に巣食う正体不明の敵たちを撃滅しながら次のステージへ進むと、今度はトロピカルな世界です。……といってもブルーハワイでアロハオエ、な感じではありません。ここもこれまた気候管理システムの異常で、異常に動植物が発達し、それら自体が侵入者を抹殺しようとする防衛システムと化していたのでした。
 ここではレーザーを撃ってくる虫みたいなのがいたり、破壊時にこちらの弾では破壊不可能な多ウェイ弾を撒き散らす目玉(のようなもの)がいたりと、非常に厄介なステージとなっております。ここでは地形を味方につけ、地形を盾にしながらサイビットで攻撃していくのがたぶん安全な攻略だと思います。

 さらに進むと、今度はどういうわけか浮遊大陸に出くわします。ここらへんから本作の特徴である地形ギミックが出てきます。……ここでは上の地形が上がったり下がったりするため、必然的に気を遣いながら狭いところでの回避を余儀なくされます。しかもここに出てくる敵というのは、天井に当たると炸裂する厄介な弾を撃ってくる方々で、あんまり好き放題やらせているとたちまちのうちに悶死すること請け合いです。
 たぶんここまでは赤色レーザーで来たかと思われますが、ここらでひとつ武装チェンジをして積極的にボタン連射をしたりして先手必勝を心がけたほうがいいかもしれません。

 4.遺跡に偽装された中枢

 浮遊大陸の遺跡の入り口にいる2体の石像(に偽装された共同攻撃システム)を破壊し、遺跡内部の調査を開始したLEO……その中はもはやシューティングと言うかパズルゲームでもやっているかのような連続的なギミック劇場でした。敵の攻撃をかわしきれないということよりもギミックでやられてしまうことが多く、1回ごとに「あそこをあーして、あのタイミングでこーすれば……」などと話し合いながら地道に攻略しました。そのパターンさえつかんでしまえば、さっきまでどうやってもクリアできないように思えていた場所も楽に通り抜けられるのだからさすがですね。
 ボスは例によって、意外と強くありません。確かに多ウェイ弾とかレーザーとか、さらに画面の3分の2くらいある超極太レーザーを撃ってきたりしますが、地形に気をつけながらちょこちょこっとかわしていればそれほど難しくはありません。全体にいえることですが、必要なのはテクニックと言うよりも集中力ですね。
 
 で、その防衛システムを突破するといよいよラストエリア――システム中枢に入ります。
 ここではところどころにあるセンサーに引っかかると、ご丁寧にエレベーターに乗った防衛システムが作動します。さすがは最終エリアと言ったところでしょうか。それにくわえて通常の雑魚敵もわんさかと出てきますので、せわしないことこの上ありません。やられると復活が困難なので、なんとかノーミスで潜り抜けましょう。
 まあ、そういったせまっくるしいところを潜り抜けますと、急に真っ暗な広い空間へと出ます。ここに来る前にまたセンサーがあり、それが対応して後ろのシャッターがまるでグラディウスのように閉じましたが、いつものようにエレベーター砲台がせりあがってきません。おや? どうしたのかな? ……と思っていると……。
 たぶん、知らないと絶対にやられます。私もここでは大苦戦しました。ここで私が語ってしまったのでは、たぶんびっくりしていただけないので、あえて語りません。ただここまでくれば最終ボスはあと少しです――やられないように、あるいはゲームオーバーにならないようにがんばってください。

ここからは最終ボス、およびエンディングについて語ります。そんな話聞きたくないよ、という御仁は引き返すことを強くお勧めいたします。











 最終ボスは2段階に変化します。いずれも種がわかってしまえばどうにかなるような攻撃ですが、速攻、ということができないため、じっくりと落ち着いて勝負しましょう。
 そして見事、人工天体エデンのすべてを統括していたバイオコンピュータシステム「MAJOR」(※1)を破壊すると、その裏の脱出路から全速力で脱出します。しかし、システムが破壊されて、この脱出路も危うい感じがいたします。果たして、間に合うのか?――最後のひと踏ん張り、エンジン全開で脱出!!
 ……地表のあちこちで爆発が起こり、人類が生き延びるために作り出した人工の楽園は、もろくも失われてしまう……しかし、そこから大気圏外へと脱出した2機の戦闘機の機影が確認された。そしてパイロットたちに明らかにされた、最高機密「パラダイス・プロジェクト」の全貌……。
 ともあれ、また一時的な平和が取り戻されたと言うわけですね。全6面、1周エンドなので、割合気軽に取り組めるかと思われます。――それにしても思うことは、自分(と僚機)が無事に脱出できてよかったなぁということです。彼ら、なのか彼女ら、なのかは知りませんが、某「RAY」シリーズのようなことにならなくて、まあ、よかったですね。ハッピーエンドでいいですよね。 


 では総論と参りましょうか。どうも、何かしら結論めいたことをおしまいに書かないと気が済まないもので、一応それらしいことを書かせていただきます。
 ――それまでの、中間色を多用した鈍くて重くて暗い、いわゆる「アイレム塗り」と呼ばれるようなものではなく、透明感のあるキラキラした色を多用して、彩り鮮やかな、軽い雰囲気をかもし出している本作は、本来のシリーズに思い入れがあればあるほど受け入れがたいものであるとは思われます。
 でも私はそういう鈍くて重くて暗いテイストが大好きであるがゆえに、かえってこの彩りが強烈に訴えかけてきました。なんとなく、多勢があんまり注目していないような方を好んでしまう天邪鬼的な気持ちがないわけでもないのですが、無論それよりも、そういった「彩り」に触れたい、と言う気持ちから、私は『R-TYPE LEO』というゲームが好きです。



   (※1) 犬神、とりあえずこの単語は英語読みして「メジャー」と読んでしまいましたが、どうもヘブライ語読み? なのか「メシア」と読むそうです。そうすればまあ、エデンと言う名前ともつじつまが合いますからね。でもどうなのか、ちょっとわからないところです。      



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