ザ・対決! ロックマンVS忍者龍剣伝
Extra Round――アーケード版について


 これはまあ、ファミコンのところにて史上最大(当社比)のスケールで迫った一大企画「ザ・対決! ロックマンVS忍者龍剣伝」の後日談です。……大嘘です。なんなんだ、後日談って。
 まあ、これは実は2000年代に入って知ったことなのですが、このふたつのゲームにはそれぞれアーケード版が存在しました。ファミコン版から入った人などは、ファミコン版がすべてと思っておられる方も多いのではないでしょうか。というかそれは私です。
 さてさて、まあこれは本編ほど気合を入れて書くつもりはありません。……と思っていましたが、やはり本編は本編で、そして番外編は番外編で力の入り方が異なりますので、ひとまずガッチリやることとします。なので知っている方も、知らなかった方も、……まあいいか。ごゆるりとご覧ください。

 

 ACロックマンこと「ロックマン ザ・パワーバトル」は1995年10月にカプコンより発売されたものです。1995年と言うとロックマンはとりあえず1〜7まで出ておりました。そんなわけで、このゲームには1〜7までのボスがそれぞれ出てきます。
 ただし別にファミコンのように、それぞれのステージをテクテクと歩いて、シャッターがあって、ボスと戦って……というわけではありません。本作ではボスとの対決の部分だけを取り上げ、ステージ部分はカットされております。そういうわけなのでどちらかというと対戦格闘っぽい印象を受けました。いかにもカプコンらしいですね。
 使用するボタンは3つ。ひとつは攻撃(チャージ攻撃可)でひとつはジャンプ。でもってもうひとつで武器チェンジを行います。もちろん特殊武器は敵を倒して奪い取るものです。一応、恒例としてそれぞれのボスに弱点武器と言うものがあるようですが、何せロックバスターがなかなか優秀な性能を持っているため、犬神はあまり特殊武器を使わずにクリアしてしまった気がします。ああ、ちなみにスライディングもできます。
 ところで先ほど1〜7までのボスが出てくる、と言いましたが、もちろん何も全部のボスと闘わなければならないわけではありません。ゲーム開始時に「1〜3」「4〜6」「7」と、まあそれぞれカテゴリを選ぶことができます。私は当然「1〜3」を選んでおります。
 では、「1〜3」のボスすべてと戦うのかと言うと、そういうわけではありません。この中から厳選(?)された6体のロボットたちと戦うこととなります。どのロボットと戦うかは、一応ある程度自分で選ぶことができますので、得意や苦手と相談して決めるとよいでしょう。それに、勝利しても体力が完全回復するわけではなく、ちょっとしか回復しないので、そのあたりも考えて戦略を練るとよろしいかもしれません。
 ……それと、忘れておりましたが、当ゲームではなんとプレイヤーを3人の中から選ぶことができます(なんと、ってほどじゃないか)。選べるのは次の3体です。

 1.青くて主人公でロボットという、考えるとまるでどこかの何かと共通点がいくつもあるカプコンの顔・ロックマン

 2.そのロックマンのライバル第一号でありDr.ライトの試作品であり寡黙なイメージが「5」あたりから崩れ始めた感のある紅いクールガイ・ブルース

 3.たぶんロックマンが誰かしらにやられそうになった時、「ロックマンを倒すのはこのオレだ! 貴様などに邪魔はさせん!」などとベジータまたはピッコロの声で言いながら敵を倒そうとするであろうライバルその2・フォルテ

   最後のひとの解説はただの犬神の偏見ですので、ファンの方、お叱りにならないでくださいね。……さて……そういうわけで、トントンと6体のボスを破壊すると、天空に浮かぶ怪しい城におわすDr.ワイリーとその最高傑作(だと犬神は思います)であるイエローデビルが彼らを迎え撃ちます。ただしこの中ボス、「7」でやるとなんか違う人が出てきたような気もしましたが、あんまりやったことないのでよく覚えておりません。
 ……いかん。またつい話が長くなってしまいましたね……。まあ、ここから先はゲームの最後の方なので、あえて多くは語らないこととしましょう。ちなみに2人同時プレイ可能で、なおかつ難易度もそれほどではなく、まあ多くても3〜4回もコンティニューすればクリアできるのではないでしょうか。2人同時プレイならばなお楽しいです。

 なお、このAC版ロックマンは好評だったのか、「2」がありました。こちらはシステムはほとんど同じであるものの、ストーリィの盛り上げが強化されて、「新兵器を取り戻せ」「ロールを救え」……(あとひとつは……う〜ん、忘れた……)……などといったミッションがあり、その中からひとつを選んでプレイするようになりました。
 また自分で操作できるキャラも、何やらロックマン8だかの人がいます。この人についてはあまり詳しくないのでコメントは差し控えさせていただきますが、まあ正常進化といって差し支えないのではないかと思います。「1」に比べて妙にコメントが少ないのは、本腰を入れて書くとこの後に控えている「忍者龍剣伝」と合わせて、ちょっと規格外の長さになってしまうからです。



といったわけで、AC版ロックマンがありましたが、一方で忍者龍剣伝にもAC版が存在いたしました。どちらが先に出たのかよくわからないのですが(ご存知の方は教えてください)、「どちらを先にやったのか」といわれれば大多数の人が「FC版」とお答えになるのではないでしょうか。いや、そもそもAC版があったことすら知らない人の方が……。
 ま、かく言う犬神めも、数年前にゲーセンで実物を見るまでそんなものがあることはしらなかったので、それほどえらそうなことはいえないのですが。
 内容は横スクロールアクション……いわゆる「ダブルドラゴンタイプ」あるいは「ファイナルファイトタイプ」といわれるやつです。ちなみにインストカードはなぜか命令形でかかれております。
 使用するボタンは3つで、それぞれ「闘え」ボタン(押すとなぐる)、「跳べ」ボタン(押すと跳ぶ……当たり前だ)、さらに特殊レバーの頂点についている「握れ」ボタンとなっており、最後の「握れ」ボタンを押すと、握ります。何を。看板とか鉄棒とかを握ってぶら下がって、そこから攻撃するんです。
 ただし現在では多分この純粋な筐体は絶滅したことでしょうから、普通の筐体に入っていればちょっと形が違います。犬神もこれはインストカードでしか見たことがないんですが、レバーのてっぺんにボタンがついているもんだから、「アフターバーナー」とか、あの手のゲームの握り方を強いられるのだろうなと思います。やりづらそう……。
 
 で、一応、やりました。
 ……正直、つらいですね。体力は相手の攻撃を3発受けると3分の1を削られ、すなわち9発食らうとひとりK.O.されてしまいます。一方で回復アイテムは電話ボックスやドラム缶などに人間を投げつけて破壊すると出てくるのですが(自分では壊せない)、あんまり出てこないし、正直「焼け石に水」って感じ……。
 そしてこちらの攻撃はリーチが短いから、殴ろうとすると相手に先に殴られてしまうと言う有様で、見れば見るほど「ダブルドラゴン」に似てるなあ、なんて思いました。もっともあちらは「肘撃ち」という、ゲームバランスをも破壊する奥義があったわけで、こちらにも「跳べ」ボタンを押してひらりと宙を待った後敵の近くで「闘え」ボタンを押すことによって忍法「首切り投げ」を使うことができるのですが、巻き込んで相手を軒並み倒すこともできないし着地時に隙があるもんだから、うかつに乱発するとかえって逆襲されてしまいます。
 
 さらにいうなれば(コレはいいとかそうでないとかという問題ではないのですが……)FC版の、頭がしびれるような(え?)かっこいい雰囲気は、本作ではあまり見ることができません。そもそも、ゲームを始めると、この忍者はまるで宮本武蔵が佐々木小次郎との決着をつけに巌流島に行くような――要するに小さい木船のへさきで腕組みしながら立っているわけです。さらにステージ1をクリアすると、なんか忍び装束を着たまま寿司屋で寿司を食っています。さらにこれは私はまだ見たことがないのですが、カジノでギャンブルまでしやがるそうです。
 そういうわけなので、犬神はこれは断じてリュウ・ハヤブサではないと思っています。たぶんリュウ・ハヤブサの親戚か、あるいはよく似た別な一族の誰かであると考えています。
 ……と、終わってみればなんだか批判ばかりですが、犬神、つらいとは思うものの、それでもこれはこれでいいんじゃないかなと思うんです。ひとつの亜流と言うか、番外編と言うか、そんな感じのものですから、それならそれで「これもアリかな」と。それにこれは、ファミコン版に入れ込みまくった人間の言うことですしね。もしかしたら逆に、アーケード版のほうが大好きで「ファミコン版? アクションが細かくてやってられないね」なんて人がいるでしょうしね。


 ……といったわけで、ざっと振り返ってみました。レビューと言うか、なんか酒の席での放言みたいになってしまった感もありますが、「へぇ〜、こういうのもあるんだなぁ」と思っていただければよろしいのですし、かえってこのくらいがいいのかもしれませんね。などと自分を弁護しつつ(笑)このレヴューを締めくくることといたしましょう。

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