ザ・対決! ロックマンVS忍者龍剣伝
Round 3


 一応、三本勝負の最終回と言うこととなります。だからといって特別に色気アップとかそういうわけではありません。ただし色気はアップしないもののヴォリュームはなぜか大分アップしてしまいました。ど

 さて、例によりましてロックマンの方から語り始めるといたしましょうか。
 個人的には、ロックマンは1〜3でひとつの節目、と言った感じがいたします。もちろんこの青いやつは3どころか8まで出てるし、Xだのゼロだのエグゼだのサッカーだのボードゲームだのと非常にたくさんのゲームが出てるし、ついでにいえばとある対戦格闘ゲームにもゲスト出演しておりますが、それでもやはり、1〜3でひとつの節目であると私は考えております。
 純粋アクションゲームとしての「1」、やたら音楽がかっこいい「2」に対して、「3」は背景に流れるストーリィが非常に気に入っております。

 ……前回、ロックマンに復讐を果たそうとしたDr.ワイリーではありましたが、またしてもその野望は打ち砕かれてしまいました。そこでDr.ワイリーは今度こそ改心し、Dr.ライトとともに(用途不明の)大型ロボット「ガンマ」の製作にかかりました。
 しかしながらそんなある日、街で謎のロボット軍団が大暴れしていると言う情報が飛び込んできました。Dr.ワイリーはもう改心したし……いったい誰が?……そんなこんなでロックマンは三度、研究所を飛び出しました。再び平和を取り戻すために!
 
 説明書をなくしてしまったのでなんかアヤシイところもありますが、大体こんなストーリィではなかったでしょうか。ともあれそんなこんなでまた飛び出していったわけですが、今度のロックマンはそれまでとは一味違いました。なんたってスライディングを覚えました。「ロックスライディング」と私は呼んでいるのですが、これによりスピーディな展開が楽しめるようになった気がします。その一方で「これ使わなくちゃ絶対通れないからね」みたいな場所がなんかやだなぁ、なんて思ったりもしましたが、まあ、それはよろしいとしましょう。次!
 これまでもサポートアイテムはあったものの、基本的には孤軍奮闘していたロックマンですが、ここに来て心強い味方がつくことになりました。その名は「ラッシュ」! 犬型のロボットで、背中に仕掛けたバネで高いところにジャンプできる「ラッシュコイル」、エネルギーが続く限り自由に飛びまわれるシリーズ最強のお助けアイテム「ラッシュジェット」、気分はまるで「海底大戦争」!? な感じの潜水艦変形システム「ラッシュマリン」といったものが使えるようになりました。これがもう最高に使い勝手がよく、難易度がさらに大幅に下がった感があります(後半は例外)。
 
 ただし、味方ばかりが増えたわけではなく、謎のキャラも増えています。
 要所要所で「〜〜〜〜♪」と口笛が聞こえてきたかと思うと、なんだかロックマンとよく似たような敵が襲い掛かってきます。武器もロックバスターによく似ています。ある程度ダメージを与えるとすぐに逃げていってしまいますが、去り際に道を阻む地形を破壊してもくれます。果たして敵なのか味方なのか。何の目的で、ロックマンに戦いを挑むのか……。
 ……「ああ、アレね」と言わないでください。なんか今じゃもうすっかりおなじみのキャラクタになった感がありますが、そう思わず、謎のキャラクタだと思い込んでいてください。

 え〜と、冒頭で「1〜3で節目」と申し上げましたが、それというのは今作では1・2の激闘をホーフツとさせてくれるような場所がたくさんあるからです。
 例によって最初におわす8人の凶悪ロボットを破壊すると、一度破壊したロボットたちのステージに、謎のロボットが出現したと言う情報が飛び込んできます。果たしてその敵はいったい何者なのか!? 駆けつけたロックマンと対峙したのは、外見こそ違うものの、かつて戦ったロボットの能力をそっくりそのまま受け継いだ凶悪ロボットたちだったっ!!
 要するに「2」で戦ったボスの能力をそのまま受け継いだ「ドクロボット K-176」なる者たちと戦わなければなりません。一応弱点武器がありますが、個人的にはクイックマン(の能力をコピーしたロボット)で大苦戦しました。あと目の悪い私は最初「ガッツマンとメタルマンが合体した!」と思い、「メッツマン」とかという、なんかニューヨークっぽい名前をつけてみたりしました。
 ……ま、それはともかくとして……。そんな連中を破壊して研究所に戻ってくると、そこには瀕死のDr.ライトが!(やや誇張気味)。「Dr.ワイリーが……ガンマを……!」ここに来て突如としてDr.ワイリーが裏切り、完成直前の最終兵器(?)「ガンマ」を奪って研究所から出て行ったというではありませんか。何てこったい、改心したんじゃないのか!
 というわけで後をおって、ワイリーステージへと行きます。ここでは8体のバックアップロボットと再び激闘を繰り広げなければなりませんが、それよりも恐ろしいことには、「1」に出てきたボスたちがさらにパワーアップしてかえってきたのでした! そう――たぶん史上最強のボスと犬神は信じているイエローデビルがMK-IIとなってかえってくるわ、ロックマンとまったく同じ性能を持つコピーロボットはなんと3体になって出てくるわと、懐かしさがむくむくとよみがえってきます。……おっと、「昔のほうがよほど強かった」なんていうのはこのさい胸のうちにしまっておきましょう。
 で、まあワイリーステージの最奥部に行くと、いよいよDr.ワイリーとの戦いとなります。今回は飛行メカではなくて地に足の着いたロボットのようです。これを破壊すれば、みたびDr.ワイリーの野望を阻止できるのか!? ……ところが、今回はいつものようにはすみませんでした。どうすまなかったかは、実際に自分の目で確かめてください。その中できっと、要所要所でロックマンの手助けと邪魔をしてきたあの赤いロボットの正体もわかることでしょう……。
 (大切なのは、知ってても知らないと強く思い込むことです。知ってても「いったい、あいつは何者なんだ!? とかと、登場人物と精神をシンクロさせましょう)




 ……まさか「ロックマン」のことでこんなに長くなってしまうとは思わなかったなぁ。これにあわせて忍者龍剣伝も長くしなくちゃならないのかな……。いやいや、あくまでも長さが問題なのではなく内容が問題のはず。無意味に長いのが犬神のテキストですが、もうしばらくお付き合いくだされ。

 時間的には今作は、IとIIの中間に位置します。すなわちIでガルディア・ダ・ミュー(「みずから邪鬼王と名乗っている」……フォスター氏・談)を倒した半年後の話です。そのまた半年後に兇魔天帝アシュターおよびヨミの一族との激闘があるわけで、なんかそれを考えると、ストーリィ的にはいまいちピリッとした感じがしないなあ、と言うのが犬神の正直な感想です。
 初っ端からなんか覇気のない書き出しで恐縮ですが、Iほど突き放したような孤軍奮闘ハードボイルドすなわち固ゆでな感じでもなければ、IIのようにプレイヤーの感情を煽って煽ってゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ……な気持ちにさせてくれるわけでもなく、リュウ・ハヤブサといっしょになって戦うと言うよりは「あぁ、そんな出来事もあったのね」と、ちょっとさめたような気持ちでプレイするような、そんな感じでした。
 あと、なんか敵役がちょっとちっちゃいですね。何がって「器」と言いましょうか……ほら、遠い時代から続けられてきた邪悪な一族と龍の一族との戦い! とか、その邪悪な一族の首領!! とか、大国を一夜にして滅ぼすことさえできる力を持った邪神!!! とか言われたら強さも容易に想像がつきますが、今作ではとりあえず「人間」です。前2作と比べてちょっと見劣りします。そういう感情を覚えてしまったのはちょっと否めません。


 ……なんてことを申しておりますが、犬神、コレはコレで好きです。なんたって冒頭でいきなり、リュウ・ハヤブサが、かつて危険をともにしたCIAアナリストのアイリーン・ルゥの殺人犯として追われているって言うのがちょっとショッキングじゃありませんか。しかも今回の敵役はあのフォスターでした。どうも前々からなんか怪しいやつだとは思っていましたが、やっと決着をつけるときが来たかと、ひそかに胸を熱くしました。もっとも、フォスターはそれなりというか、たいしたやつではなくて、もっと危ない思想を持った人が出てきますが……。
 あと、アイリーンがかっこいいですね。これまでの彼女のイメージを一蹴するような、CIAアナリストらしい(というよりはハリウッドアクション映画のヒロインのような気もしますが……)強いところを見せてくれます。 
 「あのくらいで、私が死んだとでも思ったの?」……。
 「どっくーん、ときたよ」という感じです(from ダウンタウン熱血物語)。これ以上彼女について語ると主旨から大きく逸脱しそうなのでここらで切り上げますが、時代劇で主役の人が悪党どもを打ちのめすシーンに差し掛かったときのような爽快感を感じました。


 ではそろそろシステムの話へと移りましょうか。
 一言で言えば「ものすごく簡単に」なりました。「忍法壁のぼり」と呼ばれた(?)、壁に張り付いて一瞬ジャンプしてまた張り付いて、と言う作業を繰り返して上る必要はなくなり、普通に壁に張り付いて上り下りができるし、しかもパイプに捕まりながら移動をしたりもできます。そんなこんなで、非常に簡単に、しかもかっこいいプレイを楽しむことができます。
 ストーリィ上、Iから順当にクリアしていった犬神は、「あれ? こんなに簡単にここまで来ちゃっていいの?」と思ってしまいました。また、「ありゃ簡単すぎるよ、あんなの忍者龍剣伝じゃないよ」などと生意気な思いを胸によぎらせたりしたこともないわけでもありませんでしたが、一方でこの難易度の低さを歓迎していました。
 と言いますのも、IとかIIとかっていうのは、犬神にとっては「ゲーム自体への挑戦」でした。生半可な心構えで望めば手もなく撥ね退けられるような難易度にあえて飛び込み、全力でもってこれと取っ組み合い、乗り越えた先にようやく至福がある……といった類のゲームであると思いますが、IIIは、そうではないですね。それほど構えなくてもとっつけて、しかも相当楽しいと来てるから、ある意味ではシリーズ屈指の良作と言えるかもしれません。
 「ストライダー飛竜」にますます似てきたと思うのは犬神だけなのかな。パワーアップした龍神剣はどう見てもサイファに見えるのですが……いや、まあだからどうということもないのですが、なんか似ているよなあ……と思いました。



 というわけで I・II・III とそれぞれ見てきたわけでありますが、いかがだったでしょうか。
 さぞかしお疲れのことと思います。無駄なことはできるだけ省き、面白いことだけをお伝えしようと思っていたのに、ついつい「あれもこれも」てな感じで今回もまた長い文章になってしまいました。これもひとえに、それぞれのゲームが好きだからとお察しください。
 最近のアクションゲームには、犬神、なんだか拒絶反応を覚えてしまいます。というのは一言で言えば「難しすぎる」、もっと言えば「覚えなくちゃならないことが多すぎる!」ということです。覚えればきっとすごく楽しいのだろうとは思いますが、なんかもう……とっつけないんですよね。やはりシンプルなほうがいいや、と。
 現在は「ロックマン6」をやっておりますが、これもまた隠し要素が結構あって、そういうのを知らないとたぶん絶対に手に入れられないようなアイテムがいくつかあります。「そういうのって、ちょっとロックマンらしくないよなあ」と犬神は思います。それほど隠し要素とかはなくてもいいので、シンプルで適度に難しく、一度クリアしてもまたついやってしまうような、絶妙の味付けが施されたのがこれらの作品であると思います。 

 


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