私とひとり戦争ものゲーム
『陸海空―最前線―』論


 

  この「ひとり戦争もの」というのは、縦または横に小銃等を撃ちまくりながら一国の軍隊をまともに相手にして戦うという、アクションシューティング的なものをさして言います。なお2人同時プレイが出来るものも、基本的に同じものとして取り扱います。しかしながらどちらかというと「戦場の狼」タイプの、トップビュータイプのものを指すので、「怒―IKARI―」はいいですが「メタルスラッグ」は入りません。

 以前は『戦場の狼』を取り上げましたが、今回取り上げた『陸海空―最前線―」というのはもしかするとあんまり知られていないのかもしれません。一応『タイトーメモリーズ』には収録されたようですが。
 
 カプコンの『戦場の狼』が発売された翌年に当たる1986年にタイトーより発売されたこのゲームは、主人公のサージ軍曹がマシンガンを撃ち、所有数無限の手榴弾を放りながらずんずん進んでいく『タイトー版戦場の狼』的なゲームです。しかしながらこちらのサージ軍曹は戦場の狼のスーパージョーに比べて大きく異なる点があります。それは、軍曹はありとあらゆる乗り物を自在に乗りこなすことが出来るということです。

 いや、スーパージョーもやろうと思えば出来るのかもしれませんが、あちらはそもそも、そんなものがなかったから仕方ありませんね。こちらではどういうわけか戦車もボートもヘリコプターもあるので、それに乗って戦うことも出来ます。ちなみにそれぞれ「マークII」「フリー13」「JH−80」というそうです。

 おや? 戦車にヘリコプターにボート?

 しかもタイトルがなんだか強力なフォントで 陸海空―最前線― ですし、サージ軍曹の服も米軍というよりは陸自という感じもします。てことは「ひとり戦国自衛隊」と言えなくもありませんね。いや言えないか。しかしながら「あっ!」と頭にひらめいた方も多いのではないでしょうか(多分だれもいない)。

 では、話を元に戻しましょう。ゲームの中で使い勝手が一番いいのはやはりヘリコプターです。海でも陸でもいけますし、地形に依存することもありません。また相手がボートだろうと戦車だろうと飛行機だろうと構わず撃墜することが出来ます。

 なおこれらの乗り物は、一度でも攻撃を食らうと壊れてしまうので即座に脱出しましょう。そして次の乗り物が出るまでひたすら前進前進! でも基本的にサージ軍曹は生身の人間なので撃たれるとやられてしまいますので気をつけましょう。

また、道中でアイテムを獲得することにより……ただのボーナス点だったりすることもよくありますが……パワーアップして火炎弾を撃てるようになることもあります。

 この火炎弾の威力たるや実にすさまじく、どれくらいすさまじいのかというと、手榴弾と同じ威力の弾丸をマシンガンのペースで撃ちまくることが出来るということです。つまり乗り物に乗ってなくても戦車や飛行機をバリバリ撃墜できるわけで、痛快極まりない感ありです。スタローンもシュワルツェネッガーもびっくりです。あ、軍曹だからどっちかというとビック・モローなのかな。

 まあそんなこんなで進んでいきますと、途中途中で砦があります。そこには40ミリキャノン砲が門番をしているので、これを手榴弾で破壊しましょう。

 そしてこのキャノン砲を破壊するとステージクリアで次のステージへ進みます。インストカードによれば全部で8ステージとのことです。私は3ステージ目くらいまでしか行ったことがありませんが……。



 このゲームの面白いと思えるところをあげると、「狼」よりももっと爽快感があるということですね。なにせ一撃で戦車もボートも飛行機も破壊できるので、ほとんど止まらずに突き進むことが出来ます。あとなんか軽快な効果音がそれに拍車をかけているといえるでしょう。「ドパーン」って。

 ゲームとしてはかなりオーソドックスな感じがします。「どひゃ〜これってすっごく面白い〜」と諸手をあげて言えるようなゲームではありませんが、なんか破綻したようなところもないので、そこそこ楽しめます。前にも書きましたがタイトルが男気溢れる感じがいたしますので、ある意味ではこちらの方が一歩リードです。

 サンダース軍曹(第二次大戦当時の米軍代表)とかマッド軍曹(199X年のゴッドランド代表)とかといった軍曹好きの方、米軍よりも陸自が好きな方、戦国自衛隊好きな方、また乗り物好きの方や戦車でも飛行機でも一撃必殺がしたい方などにはおすすめできるものであると思います。


 ……というのを書いたのが、今から7年前、すなわち2004年の4月でした。それから思いつくまま他のゲームの記事を書き出してはやめ、 書き出してはやめ……。

 更新が半年ほども滞り、新しい記事を書かなくちゃなと思っていたところ、「先に、書き溜めたテキストを整理しよう」ということになりまして。
 中には数行だけ書いてそれっきりというのもありましたが、どういうわけかこのテキストのように「あとはもうアップロードするだけ」みたいな状態で保存されている のが、いくつも出てきちゃったんですよね。

「これはもったいない」と思い、ちょっと手直しを加えて公開することにしました。

 他にも、途中で頓挫したテキストがまだまだ出てきたので、少しずつ手を加えて公開していきたいと思います。せめてそれらを出し尽くしてからですよね。


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