私とギリギリのバランス――
PS版『雷電』論




 今回あえてPS版雷電と銘打ったのは、アーケード版をやりこんだ人から言わせると、PS版とAC版では微妙に内容が異なるということを聞いたからです。PS版の方が、難易度が下がっているという話です(ボスの耐久力が明らかに低くなっている、など)。そういうわけで、「PS版で腕を磨いてAC版に挑戦!」ということはできないらしいです。
 
 ただ、私の家庭用ゲームの歴史を振り返ると、「AC版では難しすぎてクリアできなかったけど、家庭用ではクリアできたよ!」というゲームがたくさんあります。縦STGでいえば「究極タイガー」「鮫!鮫!鮫!」「TATSUJIN」などでしょうか。
 
 コレは、まだ完全攻略というわけにはいきません。それどころか、ちょっと調子が悪いと2面や3面で全滅してしまいます。
 
 それでも何度もプレイしてしまう。それはやや低めの難易度と――それでもほかの家庭用シューティングと比べれば十分難しいですけど――そもそも雷電というゲームが持っている、シンプルで精密なゲームバランスがあるからなのだろう、と思うのです。
 
 
 最後の希望
 
 いまさら私が操作方法やらストーリィやらを解説する必要もないと思いますが、お約束なので。
 
 AD2090、地球は外宇宙生命体の攻撃にさらされた。激しい戦いのさなかで、世界連合軍は優れた技術者たちを集め、敵の撃墜された戦闘機をベースに超高空戦闘爆撃機"雷電"を開発した。しかし、あまりにも優れた機動力、性能であったために実戦に耐えられるパイロットはたった二人のみ・・・。そして二機の雷電は、地球の存亡を賭けて出撃するのだった。

 この、あってないようなストーリィ。ゲームセンターのインストカード内に間に合うようなシンプルなストーリィ。これこそアーケードゲームの基本でしょう。まったくストーリィがないと感情移入しづらいものの、レイなんとかみたいに異様に深くて重いストーリィがあると少々疲れてしまいますからね(アレはアレで素晴らしいと思いますが)。
 
 そういうわけで操作は8方向レバー2ボタン。ショットボタンを叩けばメインウエポンと、アイテムを取っていればサブウエポンを惜しみなく乱射します。そしてボンバーボタンを押せば一撃必殺の強力爆弾を投下します。
 

 究極ボム
 

 一部で『雷電ボム』と言われるコレは、ボタンを押してから爆発するまでタイムラグがあります。私はこの手のボンバーは『究極タイガー』にちなみ究極ボムと呼んでいます(タイガーボムだとプロレス技みたいになっちゃうから)。ヒューン・・・・ドガヒャーンという感じです。その代わりいったん爆発してしまえば威力、範囲、持続時間ともに一級品。硬くて強力なボスの攻撃を封じながら一気に押し切ることが可能です。
 
 今時の緊急回避用『低威力・即発動』タイプのボムに慣れた方からしてみれば威力がありすぎるとかって言うかもしれませんが、そんな方には「馬鹿野郎様! そこがいいんじゃねえか!」といわざるを得ません。このゲームのボスは段階を経ると非常に強力な攻撃を繰り出してくるので、うまくボンバーでごまかしながら最接近&鬼連射(出典:ゲームセンターCX)で押し切るのも重要な戦略なんです。
 
 もっとも、ステージクリア後のボーナス点は「ボンバーの数×取った勲章の数」なので、ハイスコアを狙うためには一個もボムを使わずにクリアしなければいけないのですが、それはそれ。初級者も上級者もそれぞれの攻略パターンで楽しめるのが『雷電』なんです。
 

 いーからバンバン撃ってくれ
 

 ショットの方について解説します。赤はバルカンで、広範囲に撃ちまくります。青はレーザーで、狭範囲に撃ちまくります。以上です。なおパワーアップは8段階目まで行きますが、同じ色のアイテムをとらないといけません。うまくタイミングが合えばいいんですが、せっかく自機に近づいてきた時は別な色だったとか、とる直前に別な色に変わってしまったとか、追いかけるのに夢中になってザコ軍団に囲まれたとか、そういう難しさもあるのです。
 
 ゲームの大半はバルカンでいいと思います。一部のボスの時にレーザーに変更しますが(私はね)、コレは基本的にバルカンで何とか押し切れると思います。サブウエポンも強力ですしね。
 
 サブウエポンは『M』と『H』の2種類があります。それぞれニュークリアミサイルとホーミングミサイルです。使ってみればすぐにわかると思いますが、ニュークリアミサイルはまっすぐに飛びます。威力は絶大で、途中でやられて初期状態になってもこのミサイルがあれば結構生き残れます。心情的にはホーミングミサイルよりずっと惹かれます。
 
 一方のホーミングミサイルは、21世紀に入って先輩方のホームページを色々見ているうちにその有用性に気づきました。威力の低い誘導ミサイルをバンバン撃つものなんですが、最高段階までパワーアップするとその速度がすさまじく、また数も多くなります。そのためトータルで与えるダメージはニュークリアよりも大きくなるようなんです。またアチコチから出てくる戦車や、こちらのショットの死角に回りこむようないやらしい動きをするザコ敵の対処にも大いに役立ちます。
 
 これらをまとめると、最初は『バルカン+ニュークリア』で進み、3面の序盤でホーミングに切り替える、というのが一般的なやり方なのかな、と思います。私はいつもそうしています。
 
 
 誰にでも優しい難易度ではないけれど
 
 
 この後書くように、ボスの難易度など細かい違いはあると思いますが、限りなく完全移植に近い作品だと思います。元々私自身それほどアーケード版をやりこんだわけではないのですが、旧来のMD版やSFC版のように、誰がどう見ても「ああ、これはやっぱり家庭用だな」と思うような雰囲気ではなく、きちんとアーケード版の雰囲気があるのです。
 
 それでいて、難易度は低い。たとえば1面のボスは順調にパワーアップしていれば登場直後に張り付き(というよりも重なり)連射をすることで本格的な攻撃を喰らう前に破壊することができます。当初これはソフト標準装備の連射装置のおかげだと思っていたのですが、ほかの方のサイトを見ると、これはPS版だけで使えるテクニックらしいですね。
 
 ただ、そうはいっても『雷電』は『雷電」ですからね。ザコヘリ(ヘリではありませんが、究極タイガーにちなみそう呼ばれている)はいやらしい角度に回り込んでネチネチ攻撃してくるし、戦車は前後左右からニョキニョキ出てくるし、ある程度そういった敵のパターンを覚えておかないとすぐに窮地に追い込まれます。フルパワー状態でもやられる時はあっさりやられる。そういう、常に付きまとう緊張感までは失われておりません。
 
 さらに言えば、アイテムの取り方にしてもボンバーの発動の遅さにしてもクセがあり、昨今のユーザーフレンドリーな仕様のゲームと比べても、変なところで難しいと思われるかもしれません。でも、当時のサラリーマンが黙々とこのゲームに向き合っていたと言う歴史的事実がありますからね。難しいけれど、熱くさせてくれる何かが、『雷電』にはあるのです。
 
 
 これが私のやり方か!?
 
 
 って、いきなりそんなこと言われても「いや、知るかよ!」という話ですよね。まあ、誰でも知っているようなことをもっともらしく書くのが私のサイトの特徴なので、ちょっと書かせていただきます。具体的には、ボス攻略などです。
 
 1面のボスは、まあ先ほど書いたとおりです。順調にパワーアップしていれば、登場直後に張り付き連射で一気呵成に撃破できます。ビビって中途半端な距離で様子を伺うと反撃を受けるリスクが高まります。
 
 2面のボスも順当にパワーアップしてきていれば、第二段階のバラバラッと全方位にバラまく攻撃を何とかしのぎきる頃には撃破出来ます。もしも弾避けが少々不安であれば、ボンバーを1発投下してドサクサで一気に撃ち込めばなお磐石でしょう。
 
 3面のボスに関しては、私はレーザーを利用して破壊しています。時間が経つと攻撃が激しくなるので、ボンバーを絡めて確実かつ手早く破壊したいためです。本当はレーザーを使うとランクが上がるとか、色々とデメリットがあるらしいですが、だからといってバルカンで長期化→撃墜されたんじゃ元も子もないですからね。とりあえず私はいつもこうしています。なお最強段階のホーミングミサイルを装備していることが前提です。  
 
 4面は・・・・時間切れでパスするという作戦を取っています。まともに撃ち合うとなかなか苦戦しますが、親玉の中央にあるカバーを破壊しなければ、そこまで激しい攻撃をしてきませんからね。まずは左側の小さいオブジェクトを速攻破壊し、さらにバルカンの端っこの方を利用して本体左側の小さい砲台を破壊。それであとは時間切れまで粘ればOKです。この際、画面の左端にいると敵の攻撃を軽減させることができます。
 
 このボスに関しては、むしろ復活時の方が楽かもしれません。フルパワーアイテムとかを取っていなければ3way攻撃になるので、調整がしやすいのです。
 
 そして5面は・・・・一応、左側の翼を破壊して逃げ回るという作戦がいいのでしょうが、ちょっと確実ではありません。結構攻撃が激しくて、しばしばミスをしてしまうのです。だから極端な話、ありったけのボンバーをすべて投じて、無理やり破壊してしまうとか、そういうことになるのかな。なんか、上手なことが書けなくてすみません。
 
 
 と、まずはこんなところでしょうか。6面以降はまだ1回しか行ったことがないので、うまいこと書けません。スミマセン。
 
 
 はじめてのぷれすてそふと
 
 
 ずいぶん長くなったので、私の思い出話は短めにしておきましょう。
 
 これは私が初めて買ったプレステのソフトです。
 
 1995年の正月にセガサターンを買ってしまった当家では、プレステ本体を買ったのはかなり後のことでした。確か1998年ごろだったと思います。
 
 一応当家的にはローンチタイトルというか、本体と一緒に『鉄拳2』を買ってメチャクチャやりこんでいたのですが、自分の意志で買ったのはこれが初めてです。動機としては、小学生のころアーケード版を多少プレイした記憶があったから。そして、当時ろくすっぽ先に進めなかった記憶があったので、それを取り戻そうと思ったのです。
 
 あれから15年以上が経過しました。さすがに15年ずっとやり続けてきたというわけではありませんが、やはり時々引っ張り出しては夢中になってプレイしてしまいます。・・・・というか、ある程度ゲーム経験値が上がった今のほうが、いっそう楽しめるような気がします。
 
 そんなわけで『雷電』すごくいいソフトです。やりこんだ時間としては確実にアーケード版以上です。そしてこのクオリティなら、あえてアーケードでやらなくてもいいかな? と思っています。

 


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