私と80年代スーパーヒーロー伝説
 ――新『オペレーションウルフ』論


 1987年にタイトーより発売された、いわゆる元祖ガンシューティングゲームの、PCエンジン移植版についてのレビューは、以前書いた通りです。

 ただ、PCエンジン版は丸いカーソルをコントローラで移動させて撃つようになっているせいか、カーソルを移動させている間にもバリバリ敵に撃たれてしまい、 どんなにがんばってもジャングルで致命傷を受けて異国の地で果てることとなってしまいます。

 で、まあ正直にそのままの状態で文章を書いたのですが、これもまた多くの方にご覧いただいているようなので、多少汚い真似をしても、ちゃんとした文章を書きたい という気になりまして。「なかなか要人を救出できない戦況に業を煮やした大統領が極秘裏にCIAに依頼、最前線で戦うコマンドに新開発のマシンガンを渡した」…… 要するにエミュレータの数字をいじって弾薬無限モードを採用、とにかく撃ちまくりのごり押し・パワープレイで最後までやりました。

 正直に申し上げて、まじめにやってクリア出来る気がしないのです。

 もちろん、これでこのゲームをクリアした! とは思いません。ですが、雰囲気だけはたっぷり味わうことができたので、以下にそのレビューを書いていきたいと 思います。そういうことで今回のレビューも、攻略等の記事は一切ありませんのでご了承ください(ゴメンナサイ)。


 南米チェリゴ国(文献によっては「リチェゴ国」)でクーデターが発生し、軍事政権が誕生した。その政権の指導者はそれまでの政権を担っていた親米派の前大統領と その側近を政治犯として収容所送りにしてしまった。このままでは彼らの命が危ない!――しかしながら微妙な軍事バランスの観点から、正規軍を送り込むわけにも 行かない。そこで政府はあるひとりの男を非公式に送り込んだ。

 男はかつて米国特殊部隊の隊員として幾多もの戦場を潜り抜け、現在は傭兵として各地を転戦していた。依頼を受け、単身チェリゴ国に潜入した男。要人奪還作戦 「オペレーション・ウルフ」を開始せよ!


 ……といったわけで、まあ以前も書きましたが、これはゲバラとまったく逆の 立場ですね。ゲームにイデオロギーはそれほど関係ありませんが、うーむ……まあいいか。とりあえずプレイヤーは米国の代表として、どこかの国に潜入し、 5人の要人を脱出させることが目的です。別にその武装政権をひっくり返すことが目的ではないんですね。

 ただ、まあそういうところに単身乗り込むわけだから、何もしなくても向こうからナイフ、拳銃、マシンガン、ダイナマイト、 さらにヘリもボートも装甲車も襲い掛かってくるような激しい歓迎を受けます。そこでこちらとしてはウヅィ(ウージーとも)サブマシンガンと ロケットランチャーで応戦していきます。

 ところがこのロケットランチャー……に弾数制限があるのはともかくとして、マシンガンの方にも弾数制限がありまして、 何も考えずに乱射していると弾切れを起こしてしまいます。一応弾丸がゼロになっても、 たぶんそこらへんに落ちている弾を拾って撃ってるんでしょう、たまに弾が出ますが、ゼロになったら実質アウトです。

 なお弾丸補給は、
 
 ・道中に落ちている弾倉を拾う
 ・豚、鶏、カラスなどを撃つ
 ・弾薬庫を襲う(そのステージをクリアする)

 といったことで可能です。



 とりあえず最初は4つのステージから選びます。

 通 信 所:敵の交信を断ち、増援を防げ!
 弾 薬 庫:弾薬を奪え!
 集   落:集落を解放し、休息しろ!
 ジャングル:敵から収容所の場所を聞き出せ!

 実は必ずしも全部やらなくてもいいんですが、ジャングルだけは攻略しないと本来の目的である収容所に行くことができません。 そして生き延びるためには、弾薬を補給したり体力を回復させたりしなければならないので、たぶん全部クリアしなくちゃならないのかなと思います。

 では、そういう前提で、簡単ではありますがひとつひとつのステージについて。



 通 信 所:敵の交信を断ち、増援を防げ!

 
 通信所は、最初に攻略した方がいいかと思われます。ゲーム内のステージ解説にもあるように、ここを攻略しないと敵の数がドンドン増えていくからです。 内容としては、特別に書くことがないくらい敵の数も少ないし、とりあえずゲームに慣れるつもりでやっつけてしまいましょう。ちなみに装甲車は4発、ヘリは 8発で破壊できます。弾薬の消費を抑えたい時は、ヘリに対してのみロケット弾を使っていくといいと思います。




 弾 薬 庫:弾薬を奪え!

 
 ここは文字通りのミッションです。ここもあまり敵の攻撃は激しくありません(ジャングルと後半2面がとてつもなくハードすぎるので、比較的)。 これは次のステージもそうなのですが、どのタイミングで攻略するかはその時の、そしてこれからの状況次第なので、確実にこのタイミングで! というのは なかなか申し上げにくいところです。まあ、多分「ここを経由しないでジャングルを攻略できるかどうか」というのが分岐点でしょうね、きっとね。




 集   落:集落を解放し、休息しろ!
 
 ここは「ジャングル」を突破したあとに来た方がいいと思います。ここをクリアすれば体力が全回復するからです。まあ、ジャングルを突破した時点で2〜3目盛り くらいしかないと、集落までたどり着いてもあえなく致命傷となる恐れもありますが。あとここのステージは、やはりそういう場所だけあって、非戦闘員の姿が多く 見受けられます。現地に住まう女性、なぜかビキニ姿のブロンド女性、敵味方関係なくケガ人を救護する看護婦さん、そいてチョロチョロ、チョロチョロと動き回る 標的、もとい子ども……。



 ジャングル:敵から収容所の場所を聞き出せ!

  
他の3ステージと比べて激烈に難易度の高いのがこのステージです。川にはボート、陸地は装甲車、さらにあっちこっちから飛び出してくる敵の ラッシュに次ぐラッシュ、そのくせ子どもはちょろちょろ動き回ってこちらの射撃の邪魔をしてくるし、複合的な要素が絡んで苦戦は必至といったところ。







そしてステージの最後には、現地民の女性を盾にしてこちらに攻撃をしてくる指揮官が出てきます。これがまた絶妙に隠れて撃ってくるので、 かなり苦戦しますが、こちらに攻撃するために顔を出したところで一気に撃ちこんで倒しましょう。こいつを射殺すれば、残った兵士は白旗を上げて降参、 収容所の場所を聞き出すことが出来ます。





 収容所:人質を救出しろ!

降参した兵士から収容所の場所を聞き出したらばいよいよ目的を果たしに行きます。収容所内では囚人服を着た一般人が合計5人出てきます。 しかしながら間違って撃ってしまう危険もさることながら、後ろからその捕虜を渡すまいとナイフで襲い掛かるやつがいますので、 ほかの場所にも注意しながらまずそいつを優先的に撃ちましょう。

 その一般人と暗殺者の距離が離れていればいいのですが、時々(2人目)ものすごい近い距離からスタートすることがあるので、完全救出を目指すのであれば多少 ダメージを受けたとしても、暗殺者を確実に撃つまで我慢しましょう。基本的にナイフを持ったやつを倒せばそれでその一般人の安全は保証されるので、やっぱり体力に 余裕がないときついかもしれません。
 



 そして5人の捕虜を助け出したら、いよいよ脱出です。いつのまにか来ていた空軍の輸送機に捕虜を乗せて、自分も脱出しましょう。








 空港:脱出しろ!
 
 ここでも先の収容所と同じように、一般人を5人、飛行機に乗せるまでがんばらなければなりません。それでなくても最後の悪あがき、何としても国外脱出させまいとヘリやら装甲車やら、総力を尽くしてやってきますので、自分ひとりが生き延びるだけでもギリギリかもしれません。

 そして捕虜の人数に関わらず? 空港の敵を全滅させたら、自分も別な飛行機に乗って脱出します。ところがその前に、敵軍の最後の切り札である80年代アメリカン 戦争映画の定番敵であるMi-24「ハインド」が出てくるので、ありったけの弾丸を叩き込んでやりましょう。



 じつはこの「オペレーションウルフ」についてのレビューは、以前にも書こうと思ったのですが、途中でブラッドブラザーズに切り替わってしまいました。そういうわけで今回、改めてレビューを書いてみました。

 ちなみに私が「致命傷」という言葉を覚えたのは、このゲームが最初でした。マシンガンで百数十人からの敵兵を射殺するこのブラッディなゲームですが、自分がやられてすごく痛いゲームはそうざらにはないですね。

 甘い食べ物が好きで、甘いゲームもそれなりに好きなのですが、そんな甘いギャルゲばかりでは脳まで溶けてしまいそうです。そうならないようにと、時折「オペレーションウルフ」だの「ならず者戦闘部隊 ブラッディウルフ」だのをやって、バランスをとらなくちゃならんな、などと思います。

 


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