私とリアル・ハード・ウォー
 ――『オペレーションウルフ』論

2010年6月5日、新装版公開。こちらからどうぞ。 

 私がこの「オペレーションウルフ」をプレイしたのは、PCエンジン版でした。というかアーケード版は続編? の「オペレーションサンダーボルト」をちょこっとやったくらいで、ぜんぜんやったことがないんです。なのでここで語ることも、PCエンジン版のことになりますので、よろしくお願いします。
 
 さて、オペレーションウルフです。一応オリジナルは1987年にタイトーより発売された、いわゆるガンシューティングです。拳銃ではなくサブマシンガンが筐体に据え置きにされ、これでもって敵兵たちをバリバリ撃ちまくるという、なんか非常にブラッディな感じです。PCエンジン版は丸いカーソルをコントローラで移動させて撃つようになっています。


 南米チェリゴ国(リチェゴ国だか)でクーデターが発生し、軍事政権が誕生した。その政権の指導者はそれまでの政権を担っていた親米派の前大統領とかを政治犯として収容所送りにしてしまった。このままでは彼らの命が危ない!――しかしながら微妙な軍事バランスの観点から、正規軍を送り込むわけにも行かない。そこで政府はあるひとりの男を非公式に送り込んだ。
 男はかつて米国特殊部隊の隊員として幾多もの戦場を潜り抜け、現在は傭兵として各地を転戦していた。依頼を受け、単身リチェゴ国に潜入した男。「オペレーション・ウルフ」を開始せよ!

 ……今思ったのですが、これはゲバラとまったく逆の立場ですね。ゲームにイデオロギーはそれほど関係ありませんが、うーむ……まあいいか。とりあえずプレイヤーは米国の代表として、どこかの国に潜入し、5人の要人を脱出させることが目的です。別にその武装政権をひっくり返すことが目的ではないんですね。

 ただ、まあそういうところに単身乗り込むわけだから、何もしなくても向こうからナイフ、拳銃、マシンガン、ダイナマイト、さらにヘリもボートも装甲車も襲い掛かってくるような激しい歓迎を受けます。そこでこちらとしてはウヅィ(ウージーとも)サブマシンガンとロケットランチャーで応戦していきます。

 ところがこのロケットランチャー……に弾数制限があるのはともかくとして、マシンガンの方にも弾数制限がありまして、何も考えずに乱射していると弾切れを起こしてしまいます。一応弾丸がゼロになっても、たぶんそこらへんに落ちている弾を拾って撃ってるんでしょう、たまに弾が出ますが、ゼロになったら実質アウトです。なお弾丸補給は、
 
 ・道中に落ちている弾倉を拾う
 ・豚、鶏、カラスなどを撃つ
 ・弾薬庫を襲う(そのステージをクリアする)

 といったことで可能です。



 とりあえず最初は4つのステージから選びます。

 通 信 所:敵の交信を断ち、増援を防げ!
 弾 薬 庫:弾薬を奪え!
 集   落:集落を解放し、休息しろ!
 ジャングル:敵から収容所の場所を聞き出せ!

 とりあえず、順番としては通信所(ここを制圧しないと、5人ずつ増員される)→弾薬庫(マシンガン、ロケット弾とも満タンになる)→ジャングル(超ハード)→集落(体力大幅回復)といった感じでしょうか。実は必ずしも全部やらなくてもいいんですが、ジャングルは絶対に攻略しないと、本来の目的である収容所に行くことができません。そして生き延びるためには、弾薬を補給したり体力を回復させたりしなければならないので、たぶん全部クリアしなくちゃならないのかなと思います。

 道中はまあ、先述しましたが基本的には人間、ヘリ、ボート、装甲車などが襲ってくるので、それに応戦していく必要がありますが、しかしながら道中には非戦闘員も多々おります。敵味方関係なくけが人を救護する看護婦……今は看護師でしたか……は、撃つわけには行きません。また集落に住まう現地民やなぜか水着のブロンド女性もやはり撃つわけには行きません。そしてジャングルを右から左、左から右、あっち行ってこっち行ってちらちらする子供は……
 こ、子供は……

 「撃たれたいのか? そうなんだな、撃たれたいんだな……?」

 ……なんでもありません。ところでジャングルの最後には、現地民の女性を盾にしてこちらに攻撃をしてくる外道指揮官が出てきます。これがまた絶妙に隠れて撃ってくるので、かなり苦戦しますが、ここは何としても外道指揮官を射殺し、現地民を助け出しながら収容所の場所を聞き出しましょう。


 降参した兵士から収容所の場所を聞き出したらばいよいよ目的を果たしに行きます。収容所内では囚人服を着た一般人が合計5人出てきます。しかしながら間違って撃ってしまう危険もさることながら、後ろからその捕虜を渡すまいとナイフで襲い掛かるやつがいますので、ほかの場所にも注意しながらまずそいつを優先的に撃ちましょう。


 そして5人の捕虜を助け出したら、いよいよ脱出です。いつのまにか来ていた本国の輸送機に捕虜を乗せて、自分も脱出しましょう。
 ……しかしながら、敵も最後の悪あがき、というか何としても国外脱出させまいとヘリやら装甲車やら、総力を尽くしてやってきますので、とにかく生き延びましょう。
 ここらで言うのも何ですが、このゲーム、1人プレイだと壮絶に難しいんですよね。何でかって言うと、画面の端々から敵が出てきて、しかも小さい(=遠い)もんだから弾が当たらないと……そうすると、上手でない私などはストレスばかりたまってきてつらい思いをするというわけですね。

 じゃあ、どうしてプレイするのかというと、ステージ間デモがすごくかっこいいんですね。とてもハードな、リアルな、アメコミっぽいタッチで描かれるヴィジュアルが見たくて、何度もやってしまうんですね。一番多いのはこのパターンなんですが……。

 ともあれ、そんなこんなで捕虜を無事に飛行機に乗せたら、自分も別な飛行機に乗って脱出します。ところがその前に、敵軍の最後の切り札である武装ヘリが強襲してきます。どうも、東側最強の武装ヘリMi-24――通称「ハインドD」に似ていますね……ともあれ結構強いので、ロケット弾が残っていればそれで応戦しましょう。そうでなければ……命ある限り、撃ち続けましょう。任務完了、そして生還まであと一歩!



 じつはこの「オペレーションウルフ」についてのレビューは、以前にも書こうと思ったのですが、途中でブラッドブラザーズに切り替わってしまいました。そういうわけで今回、改めてレビューを書いてみました。

 ちなみに私が「致命傷」という言葉を覚えたのは、このゲームが最初でした。マシンガンで百数十人からの敵兵を射殺するこのブラッディなゲームですが、自分がやられてすごく痛いゲームはそうざらにはないですね。

 甘い食べ物が好きで、甘いゲームもそれなりに好きなのですが、そんな甘いギャルゲばかりでは脳まで溶けてしまいそうです。そうならないようにと、時折「オペレーションウルフ」だの「ならず者戦闘部隊 ブラッディウルフ」だのをやって、バランスをとらなくちゃならんな、などと思います。

 


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