「ADK魂」発売記念!?
新『ニンジャコンバット』論!
  



 『ニンジャコンバット』は難しいゲームです。それもとんでもなく難しいです。それは……カプコンやテクモのアクションゲームみたいに「難しいけど プレイヤーの努力いかんでどうにかなる、まったく理不尽なものではない」難しさではなく、はっきり言って調整不足というか「1コインクリアさせる気絶対にないだろ コノヤロー」みたいな難しさです。

 ただ、だからといって初めからそのつもりでプレイして、ヘンテコな敵のデザインにばかり目がいって、ただの「バカゲー」の一言で片付けるのはあまりにも もったいない。ついでに昨年末「ADK魂」なるトンデモないパックがPS2で発売されたことや、自分の文章を読み返してみてもなんだか物足りないなと思ったので、 今回改めて 真摯な気持ちで向き合い、テキストを書きました。

 その中で感じたこと、思い出したこと、それにわかったことや気付いたことや何やかんやといったことをたくさん盛り込んでみました。あまり役に立たないかとは 思いますが、これをきっかけに「ニンジャコンバット」って何なんだ!? と検索でもしていただければ、これほど嬉しいことはありません。




この世に潜む、二つの影。
影乱れし時その暗闇に時代は支配される。
暗黒が世を襲い時代は乱れる。
闘いの幕が上がる……。


 とは、公式ホームページに記載されていたストーリーですが、まあ、なんのこっちゃよくわかりません。ただ言えるのは「忍一族」の生き残りであるジョーとハヤブサが 街のまん真ん中にデンとそびえ立つNINJAタワーに乗り込んで、ここに棲む悪の根源をぶっ潰すのが目的である、ということです。

 以降はプレイヤーとしてつかえるキャラクタの解説です。ただしジョーは1P専用、ハヤブサは2P専用であり、それ以外の3名はステージクリア後にひとりずつ 仲間になるので、全員集合させるためにはある程度の実力(または財力)が必要になってきます。あと、説明書とか詳細な解説書がないので、各人のプロフィールは 私の想像に負う部分が結構多いです。真に受けてwikipediaとかに書かないでください。


 ジョー&ハヤブサ。忍一族の生き残りで、基本的な武器は手裏剣。パワーアップアイテムを取ると画面端まで届くようになるのですが、 逆に言うと初期状態ではかなり範囲が狭く感じられます。威力も低めなので、一度やられると窮地に追い込まれることも。

 特殊能力としては、道端に落ちている色々な武器を使えることがあります。こういったものを使いこなせるのはメンバーの中でもこのふたりだけなので、ついつい使ってみたくなるのですが、後述するムサシがとても使いやすいので趣味で使うぐらいかな……ちなみにヌンチャクが圧倒的に強い気がします。

 忍術はジョーが「火炎龍」でハヤブサは「雷神の術」。ハヤブサが2P専用キャラということもあり、私は火炎龍しか知りませんが、画面中をゴォーッと龍が暴れまくり、そこそこ使えるかもしれません。ただし失ったライフがそのステージ中は回復しないので、ある程度やりこんで「使わなきゃ絶対やられる」ポイントを決めて使っていくのがいいかも。


 ムサシ。本来はジョー・ハヤブサと同じ忍一族の出身ですが、幻妖斎の術に操られ、一度は敵として戦うことになるものに。しかしながらステージクリア時に術が解けて、晴れて合流。以前私は「白髪にベレー帽」と書きましたが、ゲーム中の映像とかをよく見るとアレは頭巾の一部ですね。

 武器は両手に持った刀で、パワーアップすると刀から出る衝撃波の範囲が伸びます。威力と範囲のバランスが高次元で確立されていて、結局は一番使えるキャラクタというのは多くの人が認めるところでしょうか。

 忍術は「烈風百人斬り」。画面中に自分の分身を飛ばしてダメージを与える技で、なぜか別なラインの上にいる敵にも当たることがあり、使い勝手は最高。2面のハリセンくのいち(後述)を初めとして、要所要所でポイントを決めていくとかなり攻略が ラクになります。


 カゲロウ。2面の後半で画面奥からズゴゴゴとブルドーザーに乗って登場。幅広の諸刃剣を手に正面から力ずくで斬りかかって来るので、こちらは正面で攻撃を与え続ければバシバシと喰らって倒れてしまうという、見た目に反して強くない女性キャラ。そもそも見た目が地味……いや! これ以上は言いますまい。

 彼女は他の男たちとは別な世界に住む人で、そこでは女王様として人々を従えていたのですが、幻妖斎によって男たちの住む世界がムチャクチャになり、その影響が自分たちの住む世界にも及んできたので参戦と相成りました。「あなたたちを試していたの!」というセリフは、自分を打ち負かすくらいの猛者でなければ幻妖斎は倒せないという自負ゆえ。実はお供の方が圧倒的に強いんじゃないの、という指摘は却下。

 プレイヤーとしての性能は、剣を振ると竜巻のようなものを前方に発生させるので、見た目的にもわかりやすくいリーチの長さを感じられますが、ちょっと攻撃力が低いのが 難点。忍法の幻舞蝶暗舞(公式サイトには『カゲロウの術』なんて味気ない名前になっていますが、こっちの方がかっこいいので)は、画面中にパーッと蝶が広がる……というか、 ひらひらとそこらへんに漂うと言うか……他の人たちの忍術と比べると劇的に使いづらいというか、期待外れというか、う〜ん。あまり好きじゃないですね。


 ゲンブ。3面の地下鉄の上で戦うことになるものの、ムサシのように術で操られていたのではなく、自らの意志で幻妖斎の手下として働いていた巨漢。 かつては故郷の忍の里を自らの手で壊滅させたという壮絶な過去がある。しかしながら戦いの後「やつらにだまされていたんだ!」という一言を経て合流。 この男を加えていよいよ「ニンジャコンバット」結成と相成ります。

 見た目がすべてを物語るハイパワーキャラ。武器などを使わず己の拳で相手を叩き潰す豪快さんですが、敵の攻撃が届かない中間距離で相手を倒すことが肝となる このゲームでは2秒で葬り去られてしまいます。上級者向けどころではなく、家庭用で気分転換か興味本位で使うことがあるかないか。なおこの方については、 私は使ったことがないので、「そうらしい」という話です。


 以降は私がゲームをプレイしていた中で、散々苦しめられたキャラとその対処法です。正直に申し上げて、私はまだ2面のボスぐらいまでしかたどり着けないので、順次更新していく予定です。

 1面。両手から雷のようなビームを出してくる2人組の忍者は間合いを取り、ひたすらヌンチャクで叩くなり、手裏剣をぶつけるなりして攻撃していればOKです。そのあとのムサシ+お供2人は、画面端に陣取って手裏剣を打ち込んでいれば、向こうから正面に立ってくれるのでノーダメージで攻略できます。

 後半は基本的にヌンチャクを振り回していればアウトレンジ攻撃で突破できます。ジェットコースターの線路越しでも金棒を持ったKKKの人のような中ボスを攻撃することができるので(もちろん手裏剣でも可。ただしパワーアップしていないとちょっと厳しいかも)、それほど悩むことはありません。

 建物の中に入ってからも大体はヌンチャクで攻撃できるのですが、デブには要注意。最初に走ってきた時に素早く攻撃を当てられればよいのですが、上手に当てられなかった時はジャンプアタック(Cボタンでバク転中にAボタン)で全力で間合いを広げ、確実に相手の間合いの外側から攻撃しましょう。攻撃スピード・攻撃力ともに絶大なので油断しているとあっという間にやられてしまいます。

 ボスは逆にヌンチャクよりも手裏剣攻撃の方が有効です。画面の中央付近で待機し、実体化してから手裏剣を打ち込みます。連射が速ければ5秒で爆死します。逆に直前でやられて初期状態だったり、手間取ったりすると、雑魚がぞろぞろ出てくるのでちょっと難しくなります。なので速攻、が理想的ですね。


 2面。ここに出てくる火矢、鉄球、さらにそれを撃つ射手や鉄球の近くにいる女は、触れるだけで大ダメージを受けます。特に鉄球は例のジャンプアタックも跳ね返されるので、出てきたらすぐに破壊しましょう。ここでもデブが出てくるので、これらが組み合わされるとあっという間に窮地に追い込まれてしまいます。そうなったら忍術を使った方が無難ですね(間に合えば、の話ですが)。

 中盤では画面奥からズゴゴゴとブルドーザーが迫ってきて、カゲロウと手下? のハリセンくのいちが3人襲ってきます。こいつらが、ある意味では散々プレイヤーを苦しめたデブよりもたちが悪いのですね。

 まず、攻撃を与えても一切ひるまずに向かってきます。それなりに耐久力もあります。動きも素早いです。さらにこのハリセンは当たり判定が強く、しかもパンパンパンと連続的に喰らってしまうので、何度となくここでゲームオーバーになってしまいました。なのでまずは間合いを取ることを第一とし、そこから1発1発、着実に打撃を与えること。そして2〜3発与えた後にジャンプアタックで一気に倒してしまうこと。これが一応は攻略方法なのでしょうが、いっそのこと忍術で一掃してしまった方がいいかもしれません。その後のカゲロウ様は……まあ、先に触れたとおりです。

 そのあと、再びハリセンくのいちが登場しますので、ここでも忍術を使って殲滅した方が確実な気がします。そしていよいよ2面のボスです。

 最初はどうもハリセンくのいちと同じような動きで攻撃してきます。すなわち素早く近づいてきてパンパンパンと連続的に攻撃を仕掛けてくるのですね。……この攻撃を喰らうと2メモリぐらいあっさり減らされ、すなわち1ミスとなってしまうので、どうせならとばかりに忍術を使ってダメージを与えるのが理想的。そのあとアウトレンジからコツコツとダメージを与えると、第二段階へ。

 いきなり空高く飛び上がったかと思うと、しばらく後に急降下アタックを繰り出してくるのですが、まあこれはそれほど難しくありません。常にジャンプアタックを 繰り返して、影の下にならないように移動し、降りてきたところで2〜3発攻撃を当てるとまた空を飛びます。この時も連続攻撃を仕掛けてくるので、落ちてくる直前に 気をつけ、十分に間合いを取って攻撃した方がいいかも。逆にいうと、そうしていれば2〜3度で倒すことができます。あんまり強くありません。


 3面は地下鉄です。ここでは両手に鉄球のついたデブが強敵です。……一応、攻撃を与えれば多少はひるむので、十分な間合いを取って連射していれば倒せます。 ただ、その連射がちょっとがんばらないといけないレベルだということと、前後から続々と敵が出てくるので挟み撃ちにされる恐れもある、ということがあります。

 とりあえず耐久力の低い雑魚敵を蹴散らし、そのあと攻撃を与えればきちんとリアクションを取ってくれるKKK団の人を倒し、その後にじっくりデブを撃退するというのが 理想的なパターンです。

 地下鉄のホームから、普通のゲームであれば電車の中に乗って戦うところですが、我らがニンジャコンバットはそうではありません。まずは車両の後ろに張り付いて、 走り出してのち車両の上を歩きます。忍者に一般人の常識は通じないのです(ADKの忍者に、と言うべきか)。

 ここでも基本的にはホームと同じパターンで進めますが、中ボスとして出てくるゲンブが強敵です。……たとえばシンクロ連射でもついていれば、真正面から 攻撃しまくって勝ちに行くこともできるでしょうが、人間の力でコレを実現するのは少々、骨が折れます。近づかれたらあっという間にライフゲージ2つくらいを 持っていかれるので、画面の半分よりも左の方に近づいてきたら潔く忍術を使ってダメージを与えた方がいいかもしれません。

 電車の上のステージを切り抜けると、いきなりその電車をズゴゴゴと止める超人強度95万パワーな敵が出てきます。人間のような体と、どう見ても人間ではない頭を 持った超パワー型のボスです。ウオッ! と突然止まった電車から放り出された後、戦いが始まります。

 攻撃としては、口から炎を吐き出してきたり、丸まって高速度で体当たりを繰り出してきたりと、パワーのみならずスピードもすさまじいものですが、実は攻撃を 絶え間なく繰り出していればほとんど何もさせずに倒すことができます。……まあ、ある程度攻撃を与えた後に繰り出してくる体当たりは、敵も無敵状態になるので 黙ってかわさなければならないのですが、それが終わったらまた攻撃を与えて、また攻撃をかわして……といったことを繰り返していれば、頭がボロッと取れて爆発、 ステージクリアと相成ります。

 
 さて、ゲンブを加えていよいよニンジャコンバット全員集合。そしてNINJAタワーの近くまでやってきたところで、ちょっとしたデモ画面が入ります。ある意味 このデモ画面さえ見られれば、このゲームの醍醐味の半分は味わったも同然。前半戦終了、第二部突入といった感じです。画面内のニンジャコンバットたちと一緒に 「奴らの息のねを止めてやる!」と叫びましょう。


 ……ここから先は、現在攻略中です。まあ家庭用なら無限コンティニューで、惰性で進むこともできるでしょうが、どういう風に進めていけばいいのかといった詳細な 内容については、おいおい語れれば語りたいと思います。




 このゲームが発売されたのは1990年。当時の私は小学4年生でした。

 90年といえばネオジオ自体、発売されたばかり。「ネオジオってなんかすげぇ!」とファミコン通信で思わされた『NAM−1975』が発売された2ヵ月後に世に出た 本作が、私とネオジオとのファーストコンタクトでした。

 今でも、よく覚えています。あれは海沿いの街、というか国道の脇に立てられたドライブイン。確か、『SLドライブイン』という名前だったんじゃなかったかな。

 ここのドライブインは、オーナーの趣味なのかなんなのか知りませんが、料理がミニチュアのSLの貨車に載って運ばれてくるというシステムを取っていて、とにかく それが珍しくて楽しかったのを今でもよく覚えています。表にも本物のSLが看板代わりに鎮座していて、非常に印象的だったのです。

 で、それだけではなくてゲームコーナーとかも結構、充実していました。タイトーの『フルスロットル』を初めてプレイしたのもここでした。初めて、というか今のところ それが最後ですが。

 コレは今でもそうなのですが、私はベルトスクロール・アクション式のゲームが大好きでして、やったことのないものを見るとすぐに飛びついてしまいます。もちろん 本作も例外ではなく、なんだか派手な服を着た忍者がビシビシッ! と手裏剣(のようなもの)で敵をやっつけていくデモ画面がとても面白そうで、すぐに100円玉をもらって プレイしました。

 その時は確か、1面はクリアしたと思います。で、2面の橋の上のデブでやられたと思います。

 悔しい! とは思いましたが、あまり何度もプレイするわけにも行かず、「次こそは」の思いを胸にそこを後にしました。

 数年後、再びその場所に赴くと筐体に入っていたゲームは「キング・オブ・ファイターズ96」に代わっていました。そしてその後、どうなったのかは、わかりません。 この記事を書いている時にキーワードを入れて調べてみると、つぶれてしまったという記事もありました。実際どうなのか、今年中に調査して報告したいと思います。 って、それはもうゲーム関係ないですね(笑)。

 ……話を戻します……長らく私にとって『幻のゲーム』となっていた本作ではありますが、最近はバーチャルコンソールでもできますし、それこそ最初に書いた「ADK魂」 でもプレイすることができるわけで、素直に「いい時代になったなあ」という気がします。特に後者は第二弾!? 「コマンドー」や、「痛快GANGAN行進曲」なども 入って、私のように、幸か不幸か多感な時期に同社のゲームの影響を受けまくってしまった人間には垂涎の一本といえましょう。

 ただ、これは古いゲームをやる時にいつも考えることなのですが、「このゲームが出た当時の空気」をある程度踏まえてプレイしないと、本来の面白さ? みたいなものが わからないんじゃなかろうか、という気がするのです。

 いや、もちろんその時代でもダメなものはダメだと思いますし、やってみて「こりゃオレ(私)には合わんわ」というゲームもたくさんあると思いますが、3Dで バリバリ動き美麗なムービーで魅了する最新ゲームと20年前のゲームを単純に比べることはできないと思います。

 つまりこのゲームを面白いと思うためには多少、努力が必要だということです。今の感覚でちょっとかじって、「クソゲー」とか「バカゲー」とかという言葉で あっさり片付けられるのは、ちょっと看過できないのです(これは、『頭脳戦艦ガル』の項目でも申し上げたことですが)。

 その上でダメだのツマランだのということであれば、それは仕方ないと思いますが、こういった気持ちで臨めばちょっと違うく見えるんじゃなかろうかと私は信じています。


 ちょっと硬い話になってしまいましたが、「面白いからみんなもっとやって!」と言いたいだけなのです。だったら早くそう言えよ! って? ハイ、すみません(笑)。


 


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