私とネオジオ――もっとも身近なアーケードゲーム
第六回 「新世紀ド派手忍者伝説――「ニンジャコマンドー」




 これまでずっと続けてきたネオジオシリーズも、今回でいったん終了です。といってもこれからまた何かあれば、ネオジオのゲームは取り扱うかも知れません。

 今回は「ニンジャコマンドー」……。別に以前紹介した「ニンジャコンバット」とのストーリー的なつながりは全然ないのですが、バランスはいくらか調整されていて、前作は100クレジット以上使わないとクリアできないとまで言われましたが、今作では逆に、ある必殺技を繰り出せば余裕でクリアできます。……それって、調整されているって言わないですかね。

なんかオフィシャルなストーリーはよく知りませんが、まずスパイダーという悪人がいます。この人はどうやら悪人であると同時に科学者であり、マルスコーポレーションという特製人造人間を大量生産する会社の偉い人であり、なおかつ一人称が「我」とかと、ちょっと神がかっている雰囲気もあります。キャラクタ的には「ドラえもん のび太の日本誕生」のギガゾンビみたいに、タイムマシンで過去の時代に行って歴史を変えようとしているみたいです。

 で、そうはさせないぜ! ってなもので伊賀忍者の血を引く米国人ジョー・タイガー、英国人で日本に留学して伊賀忍術をマスターしたレイア・ドラゴン、そして第39代(第32代説もあり)風魔小太郎の異名を持つ日本人リュー・イーグル、すなわち「ニンジャコマンドー」がマルスコーポレーションに押しかける……といった感じでゲームが始まります。どうやらこの時代の伊賀忍軍は積極的に海外の国々とも交流を持っていたようです。

 ゲームの内容は……過去何度もこのフレーズを使用してきた気もしますが、「戦場の狼」タイプの、非強制縦スクロールアクションシューティングです。ショットボタンは連射すればするほどパワーアップします。側転やバク転で緊急回避できます。あと、少し体力を消費することによって画面中の敵にダメージを与える必殺技が使えます。

 なお前作で、「回復アイテムが序盤にしか出てこない」ということが問題になりましたが、今作ではそれなりにそれなりな量回復するアイテムがちらほら出ますので、ちょっとくらいならダメージ受けても何とかなります。なお、今作もまた残機プラス体力ゲージ制と相成っております。


 ゲームシステムとしては、こんなもんですかね。じゃ、もう少し突っ込んだ内容に。


 最初のステージで、いきなり敵の本拠地に突入し、敵の大ボスと出会いますが、あと一歩のところでタイムマシンで逃げられてしまいます。それを追いかけるために、2台目のタイムマシンに飛び乗る3人……。
 
 しかしながら2台目はまだ調整中だったのか、それともやはり定員オーバーだったのか、「じかんかいろがいかれちまって」ランダムにどこかの時代に飛ばされます。要は「ソニックウイングス」システムですね。前半面はランダムな順番という。

 で、そういう関係上、ステージによっては実在の人物に出会うことがあります。すなわち「日本戦国時代」ステージでは織田信長が、「中国三国時代」では呂布奉先が……といったような具合です。ただしこれを作ったのは光栄(現コーエー)ではなくてADKですので、ただでは終わりません。

 「たわむれせんとや生まれけり〜」という、いわゆる敦盛を舞った後、いきなり魔王・信長は巨大化して、愛刀・圧し切長谷部(または村正)で斬りかかってきます。ちなみに中ボスには、身の丈4メートルくらいはあるような巨大力士が張り手、ファイヤー張り手、逆立ちしての回転蹴り(カポエラ?)などを繰り出してきたりします。

 また三国時代で戦うことになる呂布は、稀代の武人として知られておりました。とてつもなくリーチの長い矛を振るい、一日に千里を走るといわれる赤兎馬を駆って大暴れした乱世の奸雄でしたが、戦いを求める心は肉体が滅びても不滅であるようです。

 というのも、ある程度ダメージを与えるといきなり、首だけになります。そして見る見るうちに龍に変身し、襲い掛かってきます。これもマルスコーポレーションとくせいのじんぞうにんげんなのか、と思いましたが、エジプトステージに出てくるミイラ等は「ホンモノ」であるらしいので、もしかしたら本物かもしれません。武勇だけでなく、妖術にも通じていたんですね(?)。

 あと原始時代にすっ飛ばされることもありまして、ここでは原始人と恐竜がタッグを組んで襲い掛かってきます。もちろんこの時代に人間がいるわけないんですが、そのあたりのことは英国籍のくのいち・レイアが説明してくれます。すなわち「マルスコーポレーションとくせいのじんぞうにんげん」なそうです。

 で、そんなこんなで進んでいくと、怒涛の難易度を誇る後半面へ突入します。ここではやはりある程度、残機で押していくしかないような具合でして、まあ私などは前半面ですでにコンティニュー気味なのですが、ある程度上手な人がそうだというのだから、やはりバランスは破綻しているみたいですね。


 今でこそ私はかなりの忍者好きでありますが、当時まだ童子であったゆえ、さすがにそれほど忍者好きというわけではありませんでした。しかしながらこのゲームは、やはりド派手な演出とかが楽しくて、クラスメイトどもといっしょによくやっていました。またここでも、コマンド技がわからなくて、もう「出せることがステイタス」だったように思います。

 で、いろいろなことを経験して、すれっからしたマニアと化した今は、こうしていろいろなことをゴチャゴチャ言いながら楽しんでいます。後にセガから発売された「ゾンビリベンジ」でも、当作と同じ「白人男性、白人女性、日本人男性」の組み合わせが再現されており、ゲームの中ではイマイチ浮いている日本人男性にファンが集中しているということは言うまでもありませんね(え?)。

 
 そういったわけで、いったんネオジオレビューのシリーズは終わります。あとは「龍虎の拳」とか「サムライスピリッツ」とか「メタルスラッグ」とかも好きですが、これは私が書かなくても、もっといいのがたくさんありますしね。……せいぜい取り上げる可能性があるとしたら、「痛快GANGAN行進曲」とか、対戦格闘版の「ダブルドラゴン」とか、そんなもんかなあ。

 


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