特集・脱衣麻雀狂時代
第ニ回『スーパー(禁)版』論





「覚えるとな、すぐ使いたくなるんだよ」(by丹波文七)


1990年にユウガが開発、カプコンから発売された本作は、第一回で触れた『アイドル麻雀放送局』の流れを汲む、実在の人物をモデルにした女性が相手のゲームです。

 私にとって、これが本格的にやり始めた脱衣麻雀ゲームだったのですが、どうしてこれをプレイしたのかといえば「近所のボーリング場のゲームコーナーで、唯一遊べる 麻雀ゲームがこれだったから」。それだけです。1991年のことでした(当時、小学5年生)。

 あとは、この頃狩野洋一『みてわかる麻雀入門』を熟読し、とりあえず麻雀というゲームの進め方くらいは覚えたのでね。実際にそれを試してみたかったのです。

 もちろんフリー雀荘に行くことなんて出来ません。普通の人ならファミコンの『麻雀』とかを買って来てプレイするのでしょうが、カセットは意外と高いですからね。 それに当時はアクションとかシューティングとか、そういうのばかりやっていたので、わざわざファミコンで麻雀をやろうと思わなかった……のかもしれません。

 まあ、少なくとも、最初っから女性のそーいう姿を見たくてやり始めたわけではない! ということはキッチリ主張しておこうと思います。

 
 誰も彼(女)も脱ぎまくる!


 本作の特徴は、とにかく回転が速いこと、でしょうか。

 通常、この手の麻雀ゲームといえば、相手の女の子の持ち点をゼロにするか一定数アガるかすることで次の女の子に行く、というものですが、これは一発勝負です。 1000点でもいいから、とにかくアガってしまえばそれでOKなんですね。

 逆に、こちらも持ち点がないので「これならマンガンを振り込んでも大丈夫」とか、そういう余裕がないんです。振り込めば、即ダメージを受けます。誰が。ええ、 女性「コーチ」が。

 この人はゲームが始まる前に様々なイカサマアイテムを売ってくれる、なかなか大人っぽい魅力を持つ女性なのですが、対戦相手の女の子にアガられると、その得点に 応じてコーチが『代脱ぎ』してくれます。それほど大きくない得点の役であればいいのですが、ある程度大きな役だと……。

 ちなみにコーチが脱いだ服は、コンティニューしない限りそのままなので、アイテム購入の時とかも下着姿とかそれ以上の姿でいてくれます。負けても女性の裸が 見られるなんて、なかなかのシステムだとは思うのですが、大きく負け越した時なんかはゴメンナサイ! という気分になってしまったものです。

 全23人。……ただし、当時の私の財力と麻雀力では、せいぜい2人目の『渡辺まりの』くらいまでしかいけませんでした。それでも、とりあえずアガることが出来ただけで 十分に満足だったのです。


 二番目のエロガキとその仲間たち


 今でもそうだと思うんですが、小学生で麻雀を知っている人間なんて、そうそういないですよね。当時も私ひとりしかいませんでした。そういうこともあって、野郎ども何人かでゲームコーナーに 行った際は、私が代表で筐体の前に座り、その回りをみんなが囲むという状況になりました。


 私  「リーチして……よしっ、一発ツモ。ほら、ハネマンだぜ」

 友人 「おお、すげーなあ。……ティッシュタイムって何?」

 私  「ん? なんか、ボタン連打すれば女の子にイタズラできるんだって」

 友人 「……オレにやらせて?」

 私  「ああ、いいよ。はい、どうぞ」

 一同 「……うおおー!!!」

 (当局の指示により以下削除)


 本当にマル禁版になってしまった作品


 ステージが進むに連れてどんどん過激になっていく『ティッシュタイム』。このように小学生でもやろうと思えば出来るゲームとしてはちょっと過激すぎるだろう!  ということで、JAMMA(日本アミューズメント工業協会)による倫理規定が定められることとなりました。本当にマル禁版になってしまったのです。

 もちろん、そんな世の中の動きは、小学生の私が知るよしもありません。さらにいえば、そういった過激シーンまでたどり着くことがなかったので、道を誤ることなく ここまで来られたのかな、という気がします。確かにティッシュタイムで歓声を上げたのは事実ですが、それがどういったことなのかはまったく理解しておらず、小学生 解釈による字義通りの『イタズラ』程度にしか見ていませんでした(実際、1人目とか2人目とかであれば、女性の身体を指先型のアイコンで触るようなマイルドなものだった)。

 ちなみにその後のエロガキ集団は、家の近所の駄菓子屋にやってきたネオジオに興味が移り、脱衣麻雀はしばらくご無沙汰になりました(せいぜい、『スーパーリアル麻雀PIV』を少しかじったくらい)。 本格的に脱衣麻雀の世界にのめりこんだきっかけとなったのは、セガサターン購入数ヵ月後に兄者が買ってきた『アイドル雀土スーチーパイSpecial』だったのですが、 それはまた別の項目で触れることにしましょう。





 


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