グランビア・フィメールの帰還――改訂版「海底大戦争」論  

 

 


 現在から手の届く未来。ある紛争地域において使用された新型局地戦用磁力兵器が引き金となり、地球規模の地殻変動が起こった。世界の3/4が水没、総人口の80%が失われる大惨事となったのである。
 海と共に生きることを余儀なくされた人々は、それでもたくましく復興をはじめ、海洋を中心とした生活圏を形成し、新たな歴史を刻み始めたのであった。
 混沌たる荒海を守るため、国際海洋警備隊も設立された。
 O.C.(海洋暦)93年。突如として世界にミサイルの雨が降り注いだ。
 海洋警備隊による調査の結果、再び世界を混沌の渦に巻き込まんと暗躍する悪しき組織「D.A.S」の復活が明らかになった。しかも彼らは、94年前に大惨事を引き起こした磁力兵器「人類掃討システム ユグスキューレ」を発動させてしまったのだ。
 そして、南極で新型潜水艇のテスト中であった2人に緊急出動命令が下った。


というわけで、以前この「海底大戦争」というゲームについてのことを書きました。書きましたが、読み返してみるとなんか文章がアレですし(その他のレビューもそうですが……)家庭用移植版をじっくりやりこんで、少し気づいたこととかもあるので、また改めて文章を書こうと思います。

 D.A.S(デストロイ・アンド・殺戮)という組織との戦いは空中では「AIR DUEL」ですし、陸上ではかの「アンダーカバーコップス」なわけでして、最終兵器も仕組みはよくわからないですが超強力な大量破壊磁力兵器ですし、ついでに言えば破壊的な難易度もシリーズ通しての伝統のようです。

 また、アーケード版ではあまり触れられませんでしたが、この潜水艦の操縦士は1Pが女性(高原麗さん)です。でもって2Pがその旦那で、「アンダーカバーコップス」のザン・高原氏の兄でもある高原仁さんです。どんな人かは家庭用移植版の説明書でもご覧ください。麗さんは綺麗で、仁さんは弟と同じ髭面です。

 2.基本攻略

 操作は8方向レバーと2ボタンで、左のボタンは水平方向に、右のボタンは垂直方向に攻撃します(確か)。それらはアイテムを取るごとにいろいろとパワーアップし、また性能の違う2〜3種類の武器があるので、それらを選ぶことも出来ます。

 水平攻撃用兵器: 赤……魚雷(まっすぐ進む。速い。連射できる)           青……超音波魚雷(まっすぐ進む。魚雷の周りに音波が広がり、              それに触れると
ただし1〜2面などに出てくる、でかい爆撃機みたいなのは多分無理です。
 
 で、そんな高原夫妻を迎え撃つD.A.Sの連中というのは実にとんでもない連中で、潜水艦やら機雷やらは言うまでもなく、駆逐艦だの冷凍光線発射口だので容赦なく襲い掛かります。とはいえまあ、このあたりは結構どうにかなると思われます。パワーアップさえすれば駆逐艦も結構もろいもので、ミサイルを10数発も船底にぶつければ海のもくずとなります。
 後の「メタルスラッグ」などにも受け継がれますが、この敵を破壊したときのグラフィックが必要以上に美麗で、ともすれば何がなんだかわからなくなってしまいます(水中で発射したミサイルが水面で「どっぱーん」って水柱を上げるシーンなど)。色合いもあまり鮮やかでなく(「中間色を多用した」というのでしょうか)、いかにも鋼鉄の重々しさが感じられるようになっております。
 その異様に書き込まれたグラフィックが、これでもかとばかりに出てくるのがステージ2……だと思うんですが、港町の場面です。ここはもうやたら建物があるしじゃまっけなものがあるし、非常に苦戦しました。ゲーセンでもっともやりこんでいた当時はここの前半くらいで、正直何がなにやらよくわからないうちにやられていました。
 まあ、住人にしてみればいきなり悪の秘密結社と正義の味方の戦いに巻き込まれてしまったわけで、できればよそでやってくれ、と言う気持ちが強いのかもしれませんね。人々にしてみれば、悪の秘密結社のブルドーザーも、ミサイルでボンボコ建物を破壊する正義の味方の潜水艦も、どちらもはた迷惑なだけかもしれません、などと私は思いました。どちらにせよ港に停泊していた船は片っ端から沈み、ビルの窓ガラスをいっせいに粉々になり、場合によっては爆発によって廃墟になったりするのは避けられないので住人には災難と思ってあきらめていただくしかないかと。

 それと、この中にはふたつ都市が出てきます。ひとつは、謎の潜水艦の攻撃等によってハチャメチャなことになってしまいますが、それでもまだ人が住まっている都市です。もうひとつは……これは私が一番のお気に入りのステージなのですが、なんと水の底に沈んでしまった都市であります。
 どういうわけだか、私は水没した都市というのが好きなんです。「夏草や、兵どもが夢のあと」みたいなもんで、たぶんその寂寥感とかはかなさとかが気に入っているとは思うのですが、壊れたビルとか高速道路とかがなんともいえない気持ちにさせてくれます。これがより顕著に現れたのが、『メタルブラック』だと思うのですが、まあそれはおいといて……。
 そしてこの水没都市を行くと、最後にはかつて野球場だったところでふたつの、巨大なスクリューで水をかき回す巨大潜水艦と戦うこととなります。まだ水没していないライトがまぶしく輝く中で、観客が誰もいない中繰り広げられる死闘……。いいですね。だからアイレム大好きです。

  2.いったい、敵は何者なのだろう……?

 さて、そういうわけで――これまでは非常にSF的な、サイバーな感じがする面を主に紹介してきました。そういうステージのボスと言うのはでかい潜水艦であったり、あるいは武装が破壊されてもすぐに補修される、天井からぶら下がった防衛システムあるいは開発中試験中の新型兵器といったようなものでした。そこで犬神、
 「ああ、これは鉛色の鋼鉄の機械がたくさん出てくるへヴィなSTGなんだな」
 とかと思っていたのですが、ステージ3冒頭でいきなりその考えは打ち砕かれることとなりました。そこは海底遺跡のようなのですが、なにやら巨人像みたいなのが画面下のほうにいて、それがいきなり動き出したではありませんか。これにはもう相当びっくりいたしました。
 それから逃れるために、このステージでは下から上へどんどん進んでいきます。途中には中型以上の兵器は出てこなかった(ような気がします)のですが、その代わり遺跡の壁が行く手を阻みます。レンガのようなものがぎっしりと詰まれていて、これをミサイルとかでドンドン破壊するわけですが、その間にも下から巨人像が迫ってくるし、気持ちの切羽詰り感は大変なものでした。
 そいでもってある程度まで進むとスクロールがとまりました。追い立てられるようにミサイル発射ボタンをたたいていると、上から光が漏れる立方体ブロックが落ちてきて、それが巨人像にぶつかって砕けます。そうすると、彼はなんだかちょっとひるんだ様子を見せるんですね。――果たしてこれが、遺跡の中に仕掛けられたトラップなのか、なんなのか知りませんが、ともかくこれをぶつけて彼を海底深くに沈めましょう。
 ……ただし、彼は生半なことでは沈んでくれません。一所懸命にブロックを彼にぶつけていくと、ある時いきなり……なんとといいますか……あまり詳しく言葉で語りたくないなあ。一言で言えば「R-TYPE的な」変貌を遂げます(いや、どちらかというと『エイリアンクラッシュ』かな……)。要するに少々グロテスクな形相へと変貌し、攻撃方法もちょっと変化します。
 ちなみに犬神の、初遭遇時にもらした感想は、
 「うへえっ」
 でした。そこまでやるのか、と思った一方、さすがアイレムだなとなんか感心しました。

 こんな感じの生き物系敵キャラが出てくるステージは、ほかにもうひとつございます。こちらでは『ダライアス』のごとく「うつぼ」のような長〜い生き物が出てきます。この方、魚雷なりミサイルなりを打ち込んでいくと随所から血を出しながら悲鳴を上げます。またしても「うへえっ」と感嘆してしまいました。
 このうつぼは海底のそのまた海底、海底なのに熱〜いマグマやそのかたまりがボンボン飛び跳ねるようなところに住まっている者で、計2匹出てきます。そしてそういった人たちを蹴散らして最奥部に進むと、そこにおわすのは……え〜と……これは何なんでしょう。ずっとここに住んでいたのかな。ともあれ超高温の炎を吐きつけてくる三つ首の、ギリシャ神話のヒドラのような方です。一本一本、首を魚雷等で破壊してやりましょう。それにしても、ここは本当に海の底なのだろうか、と思わせるような熱い熱い熱いステージでした。


 3.そして磁力兵器――人類掃討システム「ユグスキューレ」


 南極、都市、海底遺跡、水没都市、超海底(?)――以上5つのステージを攻略すると、ついに敵の本拠地へといきます。最終面での敵の攻撃は熾烈を極め、ほとんどオールスター大集合と言った感じです。上から下から前からと、ありとあらゆる機械兵器たちが溢れかえり、画面は敵と自分とお互いの弾薬と破壊されたグラフィックとで覆い尽くされます。
 そして、パターンさえ見切れば楽勝なのかもしれませんが私にはまず無事に潜り抜けるすべが見つからないような、巨大ミサイル連発地帯を潜り抜けると、なにやらものすごく長くて巨大な何者かが横たわっております。――はっきりした資料があるわけではないのですが、これがおそらく、94年前に世界をハチャメチャにした凶悪兵器『ユグスキューレ』でありましょう。
 これがまた強いのなんのって……。ここだけでたぶん10クレジット以上使用したと思います。見た目は「R-TYPE」の巨大戦艦みたいなミサイルのようなのですが、動き始めると潜水艦をドンドン出してくるし謎の多方向弾を撃って来るし巨大ミサイルを連発してくるし……。見切れば見切れるのかもしれませんが、私にはとてもとても。とにかくコンティニューに次ぐコンティニューでどうにか押し切りました。
 
 そしてそんな史上最悪最終兵器を破壊すると、エンディングと相成ります。「悪の組織D.A.Sの野望は打ち砕かれた」てな感じのメッセージの後、先ほど破壊しまくった街の人々が祝ってくれる中を凱旋するように帰ってきます。……でも最後の最後に、敵のヘリと思しきものがチラッと見えて、すぐに消えるシーンがあります。
 後に、これをやらせていただいた友人に話を聞くと、どうも別なエンディングもあるといいます。それではメッセージと静止映像が違い、スタッフロールの際の映像は凱旋の場面ではなくて残骸が水の底に沈む敵基地跡だといいます。「どうやったら見られるのか」と聞くと、ノーミスとかノーコンティニューとか、そんなんじゃないのかと言っていました。
 冗談ではありません。そんなの無敵モードでもなければ――もっとも、仮にそんなものがあれば、と言う話ですが――一般人〜初・中級レベルの私にはとても拝めません。まあ、そういうエンディングもあるらしい、と言うところにしておきましょう。

 最後になりましたが……この美しすぎるグラフィックを描かれたのは『アンダーカバーコップス』のグラフィックをも描かれた方々でした。本来、ゲームの裏側事情とかスタッフとか、そういうのは(音楽以外)気にしない性分の犬神ではありますが、『UCC』を手がけた人たちとなれば話は別です。なんつったって元アイレムファンクラブ『ドラゴンフライ』会員の犬神がとても大好きなゲームですからね。そりゃしょうがないですよ。

 今回はいつもにもましてわけのわからない文章になってしまいましたが、ゲームの内容もこんな感じです。……すみません、大嘘です。ですがこれに比べたら『バトルガレッガ』の方がよほど自機を見失いにくいと思います。あ、あれは敵弾と破片の見分けがつきにくいのかな。


    

(※1)というのはやはり下手の横好きシューター犬神の弱音に過ぎませんでした。話によると弾の軌道が結構緻密に計算されているとか、結構安全地帯パターンがあるとか、「どうにかなる」STGのようですね。



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