私と和幻想嗜好――新「奇々怪界」論



おかげさまで当サイトも、だらだら運営し続けて結構な時間が経ちました。私の遅筆が災いして、 大勢の方々がここまで足を運んでくださるのにろくすっぽ更新されず、そのうちあきられるんじゃないかと心配なところもありますが、 まあ……思い出したら来てください。私が死んでもサーバが死ななければずっと開いてますから(笑)。


おかげさまで当サイトも、だらだら運営し続けて結構な時間が経ちました。私の遅筆が災いして、大勢の方々がここまで足を運んでくださるのに ろくすっぽ更新されず、そのうちあきられるんじゃないかと心配なところもありますが、まあ……思い出したら来てください。私が死んでもサーバが死ななければ ずっと開いてますから(笑)。

で、まあ結構な時間が経って、それなりにコンテンツの数も増えているわけですが、一番古いのともなると4〜5年くらい経ってる場合もあります。

そうすると間違った記述、当時は気づかなかったこと、何よりも全体的な文章のクオリティなど、チラシの裏ならともかく、いやしくも誰の目にも 触れるところにこんなものを置いてあるなど恥知らずもいいところであり、かといって現在の文章とてそれほど変わらないとは思いますが、それにしたって こりゃひどいだろうと思ったものについては新たに書き直しているところです。

修正、とかじゃなくて、いちから。今の視点で見直して、今の言葉で書いて。とはいえ過去に書いたものを「なかったこと」にするつもりはなく (いかに文章がアレだとはいえ、曲がりなりにも当時の私が当時の思考をフル回転させて書いたものですし)、比較できるようにそれはそれとして 残しておくつもりです。

当然旧版よりも新版の方がいいものだという自負はありますが、そういったことは私ではなくて読む方が決めることですしね。 ……え? どっちもダメ? うーん……そんな厳しいことをおっしゃらずに(笑)。

で、この「奇々怪界」についてなんですが、これは古いですね〜。ここのコンテンツの中でほとんど修正されずに残っているのの中では、 「ときメモ」と同じくらい古いんじゃないでしょうか。そういうこともあって、読み返してみるとまーひどいのなんのって。即座に削除しようかとも考えましたが、 そういった基盤があって今の私がある。というわけでそっちはそっち、こっちはこっちとして、2007年5月現在の「奇々怪界」論をしばし語りたいと思います。


1.最初の出会い 「怒涛編」(の説明書)について



 

←1987年8月28日発売『奇々怪界 怒涛編』説明書表扉

「奇々怪界」というゲームがあること自体は、小学生のころに知りました。私の兄がいつのまにか購入して、いつのまにか書き換えていたため、 実際のゲームをプレイすることはありませんでしたが、山ほどあるファミコンの説明書の中に「それ」はありました。

……今でこそどうということのない、あえて感想を言うならば「かわいー」と素直に思うぐらいなのですが、当時はとても恐かったのです。 おどろおどろしいロゴもそうですし、何よりもこのろうそくですよろうそく。

「八つ墓村」……は当時はまだ見たことなかったですが(見ていたらきっと今ごろ、別な人生を歩んでいたかもしれません)、 いわゆる丑の刻参り、白装束で夜中に神社でカーンカーンって、ろうそくをこんな風に頭に巻きつけている人は老若男女問わず恐怖の対象でした。 もちろん小夜ちゃんも例外ではありません。

とにかく私は恐くて、その説明書が二度と目に触れないよう祈りながらほかの説明書の束に紛れ込ませ、奥底に沈めたのでした。 ごみ箱に沈めたわけじゃないのは幸いでしたが。

現在まで実機でプレイしたことはありませんが(エミュレータでもありませんが)、巷の噂によると何やらとてつもなく難しいそうですね。 その難易度にあわせてタイトルも「怒涛編」にして、ついでに小夜ちゃんにも丑の刻参りなコスプレをさせたのでしょうか。 ともあれそれが私にとってのキャッチ・ザ・ハートというか、出会いでした。


2.東西妖怪対決? 「謎の黒マント」について
 「黒マント」。ちなみにイラストはあさりよしとお先生なそうです。


初めて自分で買い、まじめに取り組んだのが名作という評価も多い、この「謎の黒マント」でした。最終ボス「黒マント」までたどり着いたのが1回、 その前の面のものすごく強いボス「Dr.リイ」で力尽きたのが4〜5回で、こないだやったら3面の外人墓地でやられちゃいました。

このゲームは序盤は日本の妖怪たちが出てきますが、途中から西洋の魔物たちがぞろぞろと現れ、いつのまにか「巫女vs妖怪」から 「東洋対西洋」の、黒船来航、幕末動乱期のごとき対決の構図になります。

そうそう。今何かと話題の「ゲゲゲの鬼太郎」でも、こういうのなかったでしたっけ。日本の妖怪軍団vs西洋の魔物軍団の対決みたいなの。 ちょうど、それにぴったりと当てはまるんではないでしょうか。クラーケンが出てくるわハーピーが出てくるわ、先の面に進むのがすごく楽しみでした。 あさりよしとお先生のデザインした小夜ちゃんもなかなか可愛いですね。

もちろんお膳立てだけじゃなくてゲーム性もよくできていました。後にアーケード版をやった時、 正直「もうちょっとすばやく逃げられればなあ」と思っていたのですが、本作ではヘッドスライディングという豪快な技でそのもどかしさを解決させています。 また1ミスでくたっとしてしまっていたアーケード版に対し、ライフプラス残機制の親切設計。

以前「大工の源さん」で同じ仕様になった時は「男らしくない」「1ミスの方が緊張感があっていい」などとフカしていましたが、本作においては非常に、 そう、非常にありがたい変更だと思います。

それでもまあ、それなりに難しいことは難しい……Dr.リイ強すぎ……そしてやっと行った黒マントにあっさり負けて……いや、それでもいいんですよ。 たぶん、きちんと落ち着いて努力すれば何とかなりますって。これについては攻略書かないのかと言われそうですが、まだ研究中と言うことでお茶を濁して おくこととしましょうか。

犬神的には、コレかAC版か、といったところをお勧めします。というかそれ以外をお勧めできないのは、やったことないからなんですよね(……)。


3.どれがお好み? 「月夜草子」「PCE版」「あどばんす」


月夜草子 あどばんす

 このあたりは実際のところやったことがないので、あまり深くは触れられないのですが、一応語ります。

「月夜草子」はナツメ版の第2作目に当たり、なぜかやたらと中古価格が高くて私も手が出せずにいる今日このごろです (一度、プレミアなし価格で手に入れられるかと思ったのですが、何と店側の手違いで入手できず!……涙)。 そういうわけでこれについては雑誌の記事でしか見たことないのですが、とりあえず可愛いですね。

あと、やはりひとりで戦うよりも仲間がいてくれた方が心強いのは当然です。かつて改心させた化けだぬきの魔奴化(まぬけ)をはじめとする、多くの人々。 そして合体? まあよくわかりませんが、なんだかすごくバリエーションが増えて面白そうな感じです。定価以下で手に入ったならば、 文章を改めて書くことにしましょう。

PCE版は、うれしいことに名古屋のソフマップで偶然見つけて現物を入手いたしました。GBA版については、確か発売した翌年の正月に見つけて 新品で購入しましたが、いまだにプレイしていません。なぜ。やはり「黒マント」をクリアしてから、と思っていたためです。 もっとも、その理論で行くと私の技量では半永久的にプレイできなさそうなので、近々プレイしてきちんとした文章を書こうと思いますが、今回はこんなところで。

……なおPCE版は、別にそこまでポリシーを持っているわけではなく、ただ何となくプレイしていない(Windows版もあることですし)だけです。 ただ、せっかく移植版を持っていることですし、他機種版とどう違うのか。そのあたりもきちんと文章にしたいとは思っています。


4.元祖は意外と難しい? 「無印」(AC、Win版)
(アーケード版)

 今もっとも手に入りやすくて、もっともやる機会が多いのはWindowsに移植されているAC版、ということになるでしょうか。1500円で、ちょっとしたパソコンソフトを 売っているお店なら手に入りますしね。そういうわけなので、長々とココまで書いてきましたが、一番色々書くことがあるのは、この版になるのかな。

 1986年に、まだタイトーが「キャッチ・ザ・ハート」じゃなくて「楽しさを演出する」で五角形のカキコキッとしたロゴだったころに発売された作品で、同時期には 「ハレーズコメット」や「ドリーミーフォールズ」や「スクランブルフォーメーション」……あとは「ダライアス」とか「アルカノイド」とかが出ていた時代です。

 端的に言えば、祈祷の最中に連れて行かれた七福神を助けてあげるために巫女の小夜ちゃんが助けると言うわけで、たとえば昨今であれば「主人公が巫女であること」 を最大限にアピールするところでしょうが、このゲームではそんなこともなく、和風で妖怪なアクションゲームだからとりあえず主人公が巫女になりました、って感じの そっけなさがいいですね。そうじゃないかもしれませんが、いずれにせよ、それほど声高にアピールしていないので、結果的に私はこの無印をよくやっています。

 ただ、惜しむらくは少しばかり難しいと言ったところでしょうか。いや私が下手なだけなんですが、どうもうまく進めない。最強と呼び声も高い「山婆」まで行ったのは 1〜2回くらいで、一番多いのは3面ボスの「仙山」。それどころか2面ボスの「雷電王」でやられることも少なくありません。うしろのしょうめんだ〜れ。

 そういうわけで、結構やっている割にはきちんとこれ一本で文章がかけないんですよね。う〜ん、この下手め。

 まあ、そんな感じでゲーム自体への言及が出来ないのですが、印象について補足すると、見た目は控えめだけれど下地はしっかりしているな、という、同時期の タイトーのゲームに通じる硬派さが感じられるので、これと「黒マント」がお気に入りですね。っていうか、それ以外はプレイしていないからなんとも言いようがない のですが……。


5.そして……えっ!?(PS2版)


 今回このサイトを製作するきっかけとなったのは、このPS2版が出る! という情報を聞いたためでした。ところが今回、リンクを張ろうと思って公式ページに アクセスしたら、

 「諸般の事情により発売中止になりました」

 とのことで、ズッギュウウウウンと荒木飛呂彦擬音とともにPCの前から吹っ飛んでしまいました。OH MY GOD!

 ……で、立ち直ってきたところですが、どうもこういう小夜ちゃんになる予定だったようです。悔しいので画像検索で引っ張ってきました。

 

 ……また、今風のイラストになっていますね。可愛いか可愛くないかって言えば、可愛いって思わせるように描いてるんだから、そりゃ可愛いと思いますよ。ただ 古来からの小夜ちゃんファンにとっては、こういう、時代に迎合したようなちょっと媚びてるような下手すりゃ年齢指定のあるゲームになりかねないようなヴィジュアルは どんなもんかねぇ……

 とか何とかと苦言を呈しつつ、発売日には速攻で買い求め、内容がどうであれ「まあ、こういうのもいいんじゃないですかね」と穏やかに肯定して賛美してやろうかなと 思っていたのに……。すべては、夢のかなたに。がっかり。

 ……しかしながら、ある意味ではよかったのかもしれません。「龍虎の拳」なら初代が一番(キングは「基本」男性)、「サムライスピリッツ」ではナコルルも斬殺 厭わず(女子供の分け隔て意識はありません)、「餓狼 MARK OF WOLVES」の某妹キャラは存在自体認めていない硬派、というかキャラクタよりシステム派の犬神ゆえ、 もし本当に発売されていたらそのポリシーが土台から揺らいでいたことでしょう。

ひいてはこの小文も28行目あたりからゲーム性云々といった文言を一切廃し、「八つ墓村みたいなコスプレが萌え〜」などと、まあ上手には言えませんが、そう いった言葉が踊っていたかもしれません。……よかった、本当によかった……。


6.おわりに


 そういうわけで、終盤に思わぬアクシデントが起こりましたが、これがおおよその「奇々怪界」論です。詰め込みすぎたかな? という気もしますが、もし語ることが あればその時はまた語ります。ひとまず概論的なことですが、ええ……。

 唐突ですが、巫女キャラで誰が一番好きかっていうと(あらゆるメディアを含めて)「うる星やつら」のサクラさん……は保健室の先生もやってるので置いといて…… 「帝都物語」の辰宮(目方)恵子ですね。それも藤原カムイ版の。魔人・加藤保憲を相手に一歩も引かない強さはすごく魅力的でした。映画版では、誰がやってたかな。 というか石田純一がすごく情けなさそうに見えて仕方がなかった……。

 いや石田純一はいいんです。辰宮恵子さんの話だ。

 誰がどう見ても巫女なんですが、媚びてないのがいいですね。巫女萌えがどうとか言っていると加藤が放った式神もろとも踏み潰されそうな凛とした 強さが素敵でした。

 AC版の小夜ちゃんは、そういった、世俗から3〜4歩離れたところにいるような、それゆえの魅力を感じました。「黒マント」の小夜ちゃんはもう少し親しみやすい 感じですが、それでも穢(けが)れてないですね。

 だからこそ、今に至るまでずっと好きなのかもしれません。

 残念ながらPS2版は発売中止になってしまいましたが、もし今度、続編が出るとしたら……今度の小夜ちゃんは、どんな風になっているのでしょうか。出て欲しいような、 このまま出て欲しくないような……ちょっとやきもきした気持ちのまま、締めくくることといたしましょう。    

 




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