特集・脱衣麻雀狂時代
第一回『アイドル麻雀放送局』論





はじめてのまーじゃん


 1988年にシステムサービス(ビデオシステム)より発売された本作は、アニメ絵ではなく実在のアイドルをもとにイラスト化した 女性が脱ぐというもので、そのものズバリ『アイドル麻雀』という一ジャンルを築いた……といわれています。

 これを初めてプレイしたのは、もう記憶も定かではないのですが、たぶん20年以上前。そのころは小学校低学年でした。

 小学校低学年で麻雀! しかも脱衣! このエロガキが!……と糾弾されても仕方がないのですが、一応申し上げておきますと、この頃は麻雀など 全然知りませんでした。じゃあどうしてプレイしたのかといえば、とにかく大人の真似をしたかったのです。リビングにある親父の煙草をこっそり吸ってみるとか 、戸棚のウイスキーを一口なめてみるとか、そういうイタズラと同次元のものとお考えください。

 まあ、そんな状態だったので、当然ながら一度もアガることなくゲームオーバーとなりました。しかしながら、とにかく私が初めて見て触った麻雀ゲームとして、 ずっと記憶に残るタイトルとなったのでした。


 隠された筐体


 次に再会したのは、それから10数年後。花巻南温泉峡は志戸平温泉旅館でした。

 現在は改装して小奇麗でご立派な温泉旅館となりましたが、当時は旅館というか『湯治場』といったおもむきでした。いわゆる自炊部というのがあって、売店に 調味料とか、そういうのも売っているようなところだったんです。

 それでもちょっとしたゲームコーナーなんかもあって、そこで当時すでにレトロゲームの領域に入っていた『ストIIターボ』をプレイしたり、ウルトラマンのパチンコ で大フィーバーして景品をゲットしたりと、少なくない思い出の生まれた場所でした。

 そっちの方にも一応、脱衣麻雀の入った筐体があるにはあったんですが……この『放送局』が入ったテーブル筐体は、それとは違った場所にありました。ゲームコーナー からずっと離れた、入り口に程近い喫茶コーナーの隅っこにありました。

 はっきり言って、大半の人はそこにゲーム機があることさえ気づかないでしょう。通路から見るとちょうど柱の真裏にあって、ぐるりと回り込まないといけませんでした。

 プレイする人が自分でコンセントを差し込む駄菓子屋ゲームのような仕様で、コンセントが折れ曲がっていたので、微妙な差し加減じゃないと画面がまともに映りませんでしたが、 何とかそのあたりを自分で調整。温泉旅館が改装されて建物ごと消滅する日まで、行くたびにプレイしたのでした。


 『全国三千万の麻雀ファン』へ捧ぐ


 今回は私の思い出から書き出してしまいましたが、ゲームじたいの話に入ります。

 クレジットを入れて最初に出会う人物は、数々のイカサマアイテムを売ってくれる男性。


 「全国三千万の麻雀ファンの皆様、こんばんは」
 「さあー、あなたは果たして、どれを手にするのでありましょうか」


 金曜8時のテレビ中継をホーフツとさせる言葉です。さらにアイテムを買うと、

 「おーっと! 牌交換券を手に入れた!」

 「おっと、これは掟破りの! イナズマ立直棒を手に入れた!」


 とかといってくれます。アイテムの種類は全部で4種類ですが、このうち相手の手牌が透けて見える『透視メガネ』はあんまり使いません。逆に『牌交換券』は かなりコストが安いので毎回使います(ちなみに配牌がいい時などは、スタートボタンでキャンセル可能。その時は次局に持ち越しとなる)。

 流局時に伏せられた牌の中から5つをセレクトし、当たり牌を引いたらハイテイ扱いでアガれる『悪あがきカード』は、その通り悪あがきです。ポイントに余裕が あれば買ってもいいでしょう。

 そしてアイテム商人に掟破りとまで言わしめる『イナズマ立直棒』は、使うタイミング次第で得点が大きく変わってくるアイテムです。持っている時にリーチを かけると必ず発動するので、ピンフ手だろうと役満手だろうと確実にアガれます。

 ただ、『絶対』ではないんですよね。たとえば4枚すでに見えているような状況では、さすがに引っ張ってこられないようです(某スーチースティックは、5枚目 だろうとなんだろうと『絶対』アガれるとか……)。あと高め安めのある時は、かなりの割合で安めの方を引いてくるような気がします。


 欲張らなければ結構アガれる!?


 これは『麻雀学園』とか『麻雀同級生』と比べると、結構遊べる難易度となっています。

 というのは、あまり高望みしなければ、結構アガれるようになってるんですよね。無理してチンイツとかを狙わず、とにかくテンパイの形に持っていくように意識 していれば、それなりに形になるような気がします。

 一般的には悪い待ちとされるシャンポン形でも、ビデオゲームなら別。どんな形でもとにかくテンパイにして、リーチをかけてしまえば、4枚目8枚目でも何とか アガりきれるのです。

 相手のポイントをゼロにしなくても3回アガれば勝ちになりますからね。アイテム購入のためのポイントが稼げないのはちょっと苦しいですが、大体3人目くらい まではコンスタントに遊べるので、私は結構お気に入りです。


 一方で、ごくまれではありますが、役満手を上がったこともあります(四暗刻が多い)。『スーチーパイ』は例外として、この手の麻雀ゲームで相手ではなく自分が 役満手をアガることなんて、めったにないですからね。それが出来たのも、お気に入り度の高い理由のひとつです。


 80年代アイドルファンの皆様にも捧ぐ


 最後に、実際に対局する女性たちについて。

 正直なところ、誰が誰なのかあんまりよくワカラナイんですよね。中○美○とか○泉今○子とかはわかるんですが、○藤○貴となると、言われて「ああ、そうなんだ」 という程度で。

 まあ、最初にプレイした理由が「そのフロアで唯一の麻雀ゲームだったから」であり、その懐かしさでずっとプレイしていたわけで、正直なところ誰が誰でもいいと いえばいいのですが……おおらかな時代というか、きわどい時代というか、なんとも80年代テイストに満ち溢れた作品だなあとしばしば感慨に耽ってしまいます。

 このボーリング場には、後に『スーパーマル禁版』が入荷しました。同じアイドル麻雀路線でありながら、色々ときわどくなった伝説の作品です。そして、私が 本格的に脱衣麻雀をやり始めた作品でもあるのですが、それについてはまた次回ということで。


 


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