続・私と光フェアレーン
――2階に移ったゲームコーナー
のつづき


 さて続きです。考えてみれば内容のあるようなないような、そんなことばかり書いているわけで、果たして誰が読むのやらという気もいたしますが、まあいいんです。たぶんこうしていれば誰かしら読む人がいるかもしれませんし。とりあえず書くこととしましょう。

1. ひとりしかいないから1位――『Racing Beat』(タイトー)

  「レーシングビート」はタイトーから発売された、割合普通のレースゲームです。自車はフォーミュラカーで。
  ……なんて、それだけで終わっちゃいけないか。一応新機能としてはピットインボタンというものがつきましたが、実は使った記憶がありません。よほど走りこめば使わざるを得ないのかもしれませんが、そこまでやらなかったしなあ……。ただ、そのフロアで唯一のレースゲームだからやった、という感じで。
 あぁ、それとたぶん記憶に残っている「自分の車がクラッシュしても爆発しない」最初のゲームだったかもしれません。『ポールポジション』にしても『コンチネンタルサーカス』にしても、一触即発でドッカーン! でしたから、そういう意味でも結構、気持ち的に楽に取り組めました。
 それと、このゲーム、予選落ちだろうと何だろうと一人プレイでやっていれば「1位」と表示されるんです。そのつど私は「自分が1位になった」と錯覚していたのですが、2人でやったら「2位」と「1位」があるわけで、ひとりでやってりゃ1位で当たり前なんですよね。黙ってタイムオーバーとか予選落ちとか言ってくれればよかったのに。

 2.禁断の世界――『スーパー麻雀マル禁版』(不明、誰か教えてください)

 いわゆる「アイドル麻雀」という流れがあったそうで……『アイドル麻雀放送局』に続くものなのでしょうか。そのあたりのことはよくわかりませんが、結構よくやりました。
 当時は確か小学5年生くらいだったのですが、このころにはもう麻雀をそこそこ覚えていた犬神、調子さえよければ結構勝つこともありました。……で、勝つとなんだかティッシュタイムとか言う……Hボタンを連打して女の子にイタズラができますとか何とかって言われて、なんとなく目をそむけながらも正直にHボタンを連打していた覚えがあります。とんでもない小学生ですね。
 当時、身の回りに麻雀ができる同級生などというのはいるはずもなく、その意味で麻雀ができるというのは「自分はちょっと周りの人たちとは違う」という、アイデンティティの証明にも一役買っていました……って、別にそんなのはどうだっていいんです。ただ、友人たちとともにそのフロアに行き、
 「よしっ、リーチ一発……ハネマンだぜ」
 「おおー、すげえなあー」
 とかなんとか言っていたこともあったなあ、なんていう記憶が頭の片隅にあるということが言いたかっただけです。例によっておそらく現実にいるアイドルの人たちのそっくりさんが出てくるわけですが、「渡辺まりの」さんを除いて、あとは誰に似ていたんだか今でもわかりません。

 3.移り行く背景――『テトリス』(セガ版)

 いや、別にこれはここでなくたって、今だってあちこちのゲーセンの片隅にあるのを見つけてやってしまうんですが、一応そのフロアにあったことですし……この場を借りて言ってしまいましょう。私が大のセガびいきの人間であることを差し引いても、やはりセガのテトリスが好きなんです私は。
 理由は、だってセガだから……ではなく、ブロックが一番キレイに見えるからです。色とりどりで。あと地面についたときの「トン」という音がすごくいいなぁ、って思って……。それと、背景がいちいち移り変わるのがプレイ意欲をそそりますね。ちなみに最近やったところ、山岳→夕日→恐竜→ジャングル→冬山……で、夜景まで行ったんですが、そのあともあるのでしょうか。どなたかご存知の方は教えていただければと思います。
 落っこちてくるブロックを揃えて消す。……このシステムは不変ですから、あとはどうそれをアレンジしていくかというのが各社の色づけなわけですが、今に至るまでセガ版の初代テトリスは、犬神の中ではなお色あせることなく残り続けていますってちょっと賛美しすぎかな?

 4.Hall of Aces――『雷電』(セイブ開発)

 で、トリはこの『雷電』なわけですが、初めに申し上げておきますと2面の中盤以降に進めたのはず〜っと後になって、PS版『雷電プロジェクト』を買い、さらに難易度ベリーイージーにてでした。当時は1面のボスでやられたのが9割、ほんの1度か2度くらい2面の序盤まで行ったくらいでした。にもかかわらずアーケードゲームの項で書くのは、このコラムが思い出フォトグラフな内容だからです。シューティングとしての完成度云々とか、そんなのは他の方に任せることとして、ここではごく私的なことを書き連ねていきたいと思います。

 まずタイトルがいいですよね。『雷電』って。そういう私は『達人』とか、そういうタイトルも好きなんですけどね。でもってアイテムは二つ、使うボタンも二つ。シンプルでいいですね。スピードアップアイテムがあればもっとよかった気もしないでもありませんが、多分それも含めてバランスなのでしょう。
 攻撃方法は扇状に広がるワイドショットと一直線に発射されるレーザー。それからホーミングミサイルとニュークリアミサイル。個人的にはワイドショットとニュークリアミサイルの組み合わせが最高に好きでした。このミサイルさえあれば、ショットが最高に弱い状態でも結構何とかなりますからね。
 あと、これは確か『スーパースターソルジャー』の項においても触れましたが、SEが非常にいいですね。弱い敵は「パン」「パン」と爆砕し、やや硬い敵は『ズドーン』と、うまく言葉を当てるのが難しいですが、なんか地の底から響いてくるようないい感じの爆発音が響き渡ります。それだけでもう楽しいです。
 
 ただし、基本的に多方向弾と一定速度以上の弾はかわせなかったので(当時……今でも得意なわけではありませんが)、ボスにはまず勝てませんでした。1面のボスは6Way(だったような……)と高速連射弾を発射してくる超巨大戦車『グレートスパイダー』×2なわけですが、ダメージ判定が出ると同時にボンバーを投下し、敵が弾を撃つ前に破壊できなければほとんど絶望的でした。
 後にオート連射を使用して、重なって撃てば5秒で破壊できるということが判明いたしましたが、そのころは青いレーザーをとらないと勝てやしないと信じ、ボスの直前で武装をチェンジして挑んだところ……確かに一度、1面クリアをしたような気がしました。ただし2面開始早々、高速に動き回る小型戦闘機の群れになすすべもなくやられてしまったような気が……。
 
 というわけで、おそらくシューティングが上手な人からしてみれば大笑いされそうなところですが、私はゲームオーバー時の音楽がとても好きでした。一所懸命にがんばってみたものの撃破され、ゲームオーバーの表示……画面中で弾を撃つことなく動き回る敵たちの姿を眺めながら、コンティニューの画面に移り変わるまで私はしばらく席を立たず、その寂しさをかきたてる音楽を聴きながら、なんか「しんみり」していました。ネームエントリーとかができた時はできるだけENDをいれずに時間を稼いでいました。数あるゲームオーバー時の音楽の中でも(なんて、そんなものをいろいろ比べること自体がおかしなことだとは思いますが)『雷電』のゲームオーバー時の音楽はやはり最高のものだと思いました。


 というわけで、久々の、前後編に分けて書いたレヴューでありましたが、確かにここは私の現在に至るまでのビデオゲーム志向を決定付ける上で重要な場でした。相変わらずシューティングゲームは下手っぴですが、それでも大好きです。その底辺には、小学生のころにこれらのゲームに出会ったためだった、というところでひとまず締めくくることといたしましょう。長らくお付き合いいただき、まことにありがとうございました。





 おまけ:最近の状況
 
 さて『スターレーン』と名を変えた現在のボーリング場のゲームコーナーについてですが……ここはもう、あんまりやる気がなさそうです。コナミの、そこそこ新しい実車(っぽいやつ)が出てくるレースゲームと『スーチーパイII』、『ストリートファイターIII』と『首領蜂』くらいしかなく、しかもこれがたぶん3年前から変わらぬラインナップ……好きな人にはありがたい場所なのかもしれませんが、もうちょっとなんとかならないものでしょうか。せめて『首領蜂』でなく『怒首領蜂』か『エスプレイド』を置くとか、あるいは……『雷電』とか……。

 


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