私と原作があるけれど知らないでやったゲーム
――PCエンジン版「ガンヘッド」論




 えっと、皆様は「時空の旅人」というファミコンゲームを知ってるでしょうか。はい、そうです。歴史上の人物に次々と質問され、「はい」と「いいえ」だけで歴史がぐるぐる変わってしまうすごいゲームです。また一瞬の選択ミスで石田三成と徳川家康に餅を食わされたり、紀伊国屋に船から突き落とされたりして不遇の死を遂げることも少なくない、油断のならないゲームでもあります。

 ……長いこと知らなかったのですが、これはもともとアニメ映画があって、それのファミコン化という位置づけなそうですね。ファミコンのゲームを先に知り、あとから原作の存在を知るという本末転倒パターンとでもいうべきなんですが、この「ガンヘッド」もそうでした。何か、映画があったそうですね。

 しかしながら、あくまでもここではPCエンジン版「ガンヘッド」にまつわるレヴューですので、映画については一切触れません。goo映画でも見てください。

 
 1989年にPCエンジンで、ハドソンから発売された当ソフトは全9ステージの縦スクロール・シューティングゲームです。例によって夏のキャラバンの公式ソフトにも選ばれ、当時のコロコロでも攻略情報が載ったりしました。私と同じ世代の方であれば、覚えているのではないでしょうか。

 まあ、発売はハドソンですが製作はかのコンパイルです。今はもうないっぽいですが、あのぷよぷよ萌え萌えしたやつで世のパズルゲーム好きどもをうならせ、ついでに饅頭まで売りまくった、まるで温泉旅館の土産物屋みたいなゲーム会社です。……これも事実ですが、やはりどちらかというと「アレスタ」とか「ザナック」とかといった超高速・超硬派シューティングゲームの会社ですね。「シルフィア」は……いや、何も言いますまい。

 このゲームはそんな、コンパイル製シューティングのセオリーを踏襲しているといった感じです。つまり、

 ○ いつでも出てくるアイテムキャリア

 ○ 複数個とってパワーアップするアイテムがある

 ○ くるくる種類が変化したり、画面上の敵が全滅するアイテムがある

  そして名物「超高速スクロール」と、一通りクリアするのに1時間弱かかる異様な長さも。5面とか8面とかがちょうど中だるみというか、すっ飛ばしたい気持ちに駆られるのは私だけ?

 武器はハドソン名物5方向ビーム(威力は小さい)、半月状のビーム(後の「首領蜂」のビームがこれにそっくり!)、レベルが上がるとぐにゃぐにゃ変な模様を描くビーム、それに自機の周りをぐるぐる回転する鉄球です。さらに主武装をグレードアップする「フルファイア」、グラディウスのオレンジ色のやつみたいについて回りながら弾をバリバリ発射する「マルチボディ」、標準装備のそれよりもはるかに耐久力がある「シールド」、そして最初はしおしおな感じなものの次第に高速になる「ホーミングミサイル」。これらの武器を組み合わせつつ、ゲームを進めます。

 私は長いこと1番装備(5方向ビーム)+マルチボディ(全然そう聞こえない)で進んでいたのですが、つい最近になってホーミングミサイルの威力の恐ろしさに気づき、それ以来1番装備+ホーミングミサイルで進んでいます。

 このミサイルのすごいところは、敵キャラが画面の中にいれば当たり判定がなくてもそこに向かっていくということです。キャラクタの絵の上で小刻みに動き、当たり判定が出た瞬間に攻撃力が発生し、出現即破壊。ある程度のレベルまで育てれば目をつぶっていてもクリアできるんじゃないかってくらい高性能になります。

 
 このゲームは基本的に、当時のゲームがそうであったように「やられる前に、やる」のが基本ですので、自機の中心数ドットしか当たり判定がない、なんて理不尽はありません。自機イコール当たり判定です。その代わり弾避けの必然性があんまりなく、まあドカドカ撃ちまくりながら進めます。そのためゆっくりスクロールするステージなどでは、ちょっと退屈してしまいますが、3面や4面のように、四六時中何かといえばドッカンバッカン敵が爆発するようなステージでは、もはや辛抱たまらん楽しさが得られることでしょう。
 
 そういうわけで、絵は抜群に美麗だし(私がそういう世代だからそう見えるのかもしれませんが)音も怒涛のごときビートですっかり熱くなれます。「長い」のでそうそう気軽にできるものではありませんが、あまりややこしいことを考えずにできるので、「破壊したい」でも「何も考えたくない」といった衝動の塊のような方にぜひお勧めしたい一品となっております。

 これは有名なゲームなので、私が特別語ることもないかもしれませんが、とりあえず最近またやって面白かったので書きました。いまだにファミコンがどうのとか言い、メガドライブのマニアックさに感嘆しているように見せかけていても、心のハードはPCエンジンなんです。今回、PCエンジンのコーナーを独立させたのも、これから多分続々とPCエンジンのゲームのことを言いたいからだと思ってもらっていいかもしれません。

 ちょうどファミコンからPCエンジンに移り始めた時代というのが、私の実質的なゲームおたく遍歴の始まりなのかもしれません。なんて、面白ければ別に特定のハードにこだわるつもりはないんですけれどね(さっき心のハードがどうとか言ってたくせに)。

 


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