頭脳戦艦ガル概論
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  頭脳戦艦ガル(以下ガル)についてのレビューを書いて、大分、時間が経ちました。
 「スクロールRPG」に関する突っ込みに関しては一切却下、アウトオブ眼中、そんな突っ込みつまらないっての、などといったところで流すことにして、最近再びコレをやってます。……で、「あれ? これってどんなだったかなあ?」などと思って自分のところも含めていろいろ眺めてみると、なんだか見づらいし内容もちょっとなあ……と思ったので、もう少し「攻略」というものを意識して、改めてみたいと思います。

 ストーリィ及び基礎知識:
 
 そんなものあったの? などとおっしゃらずに、まあとりあえずご覧ください。何はともあれストーリィを知らないのでは、面白さも少々減少気味というもの。以下にあげるのは『頭脳戦艦ガル テクニックブック』(1985、デービーソフト発行、徳間コミュニケーションズ発売)よりの抜粋です。
 
  銀河系Aダクトで反目しあう、惑星ジスタスと双子惑星ガーネットスター&ギガラス。ガーネットスターが開発した宇宙空間制御装置「ドラッグ」によって、惑星ジスタスにかずかずの異変がおき始めた。このままでは惑星ジスタスは破滅してしまう!
 ついに「頭脳戦艦ガル」に、「ドラッグ」破壊の命令がくだった。惑星ジスタスの運命は……!?

ただし主役級の扱いと思われていた「頭脳戦艦ガル」はゲーム中には一切出て来ないようです。自機はガルではなくて「ジスタスー21」という名前です。ラスボスがガル、だなんてぬけぬけとおっしゃってる向きもあるようですが、そんなことはありませんのでご注意ください。

  で、このジスタスー21(以下、自機)はまずはガーネットスターの地底から潜入して洞窟を抜け、ガーネットスターの中心部、通称「コア」へと移り、そして宇宙へと飛び出して行きます。その途上、自機はパーツ(白い四角の上に赤い三角)を100個集めなければなりません。

なお1周は全30エリアで、しかも最初のエリア「地底」はインターチェンジによって分かれているので、実際には多くても20数個くらいしか集まりません。ただしとある隠しキャラを取ると、プラス10個のボーナスが得られますので、最短で4周くらいでラスボスまでたどり着けるんではないでしょうか。それぐらいなら、まず何とかなるんじゃないですか? 

次はパワーアップについて。何やら「敵100機破壊説」「敵200機破壊説」などとあるそうですが、これは200機です。開発者たちが書いた公式ガイドブックにそう書いているんですから、誤植でなければこれで間違いないでしょう。具体的にはそれぞれこんな感じ。

TYPE1   手押し連射。単発。

↓200機  ↑やられる

TYPE2:A 最初は単発だったミサイルが連射化されます。

↓200機  ↑やられる

TYPE2:B 連射ミサイルの威力が2倍になります。

↓200機  ↑やられる

TYPE3:A 今まで使わなかったBボタンで斜めミサイルを発射可能に!

↓200機  ↑やられる

TYPE3:B 斜めミサイルの威力が2倍になります。

 (人によっては「やられてもパワーダウンしない」などといわれておりますが、そんなことはありません。確実にやられると前段階に戻ります。199機破壊したところでやられたとしても、もう一度0に戻ります。つまりこのゲーム、ノーミスで進むことが望ましいのです。

 ……え? 連射装置があるから別にパワーアップしなくてもいい? まあ確かにそうかもしれませんが、TYPE2やTYPE3になるとそれぞれBGMが変化するんですよ。TYPE2になると突然ハイテンポな曲になり、俄然やる気もアップしますし、TYPE3になるとさらに元気になれる曲がかかります。そんな元気な曲でエリア1に戻ると、最初の貧弱な装備で壁際にいる飾りのような砲台を斜め連射でガンガン破壊するというジェノサイドが楽しめます。その一方でまたノーマル時の音楽に戻ってしまうと、なんともやる気がなくなってしまうというのが難点ではありますが……ある意味、グラディウスよりも立ち直りが困難かもしれません(プレイヤーに通常以上の忍耐力があれば、はるかに楽ですが)。

 ステージ解説
 
 では個々のステージの説明に移ります。
第一エリアは「地底」です。ここは壁がやたら凸凹していて、あまり動き回り過ぎると壁に当たって1ミスになってしまいます。インターチェンジについては右と左でどう違うんだという疑問について、一応バイオテッカーズのえらいひと、BOSS:OHMORI(ぼす:おーもり)の言葉を参考にしてください。すなわち、「初心者なら左へ、プロなら右へ……一番のポイントはこれかなあ」といったことを書いておきますが、これにちょっと補足。

 ……やはり、地形が厳しい分、「地底」エリアが一番厳しいんですよ。だからできればワープキャラクターでとっとと逃げたいんですが、ここではある理由からノーマルワープで、つまり一通り潜り抜けていかなくちゃならないのですな。そうすると、どうすればいいのか。全部右へ行くと、最短でノーマルワープが可能です。もちろん左を行くよりも敵の攻撃が激しいのですが、ある程度慣れたらそうやってさっさと抜けてしまうのがいいかもしれません。

地底エリアを無事に切り抜けると、今度は「コア」エリアに突入です。
全面メタリックな装いになったこのエリアでは、一応は壁があるものの凸凹はないし、結構広いのである程度自由に動き回れます。とはいえ一応ガーネットスターの中心部であるため、敵の攻撃はなかなか激しく、またスピードが速い連中が大勢います。これはこのゲーム全体に通じることなのですが、

「くれぐれも深追いはしないこと」

 ですね。どちらかというと地上物の攻撃が激しく、できれば画面内のすべての敵を破壊したいのですが、そうすると不慮の事故でやられてしまうこともしばしばなので、「画面の右半分か左半分のどちらかを決めて、その範囲の敵だけ破壊する」ぐらいの気持ちでやった方が、かえって安全なのかもしれません。

あ、あと黄色いミサイルみたいなやつと「囲碁盤」「そろばん」「餅焼き網」等々、色々な俗称をつけられた四角くて破壊不可能なやつについて。
 黄色いミサイルは正式名称を「A・T・O・M」といい、普通に触れたら自機もろとも爆砕しますが後ろからミサイルを撃ってやると隣に来てくれます。そしてBボタンを押すことによって画面上の空中物(敵弾含む)、及びパーツを破壊してくれるナイスなやつです。結構、緊急回避に用いることも出来ます。

 それから破壊不可能なキャラ(正式名称「ネッツ」)も、このA・T・O・M……面倒なのでこの後「原爆」と呼びます……で破壊できます。破壊すると1機3000点というインフレボーナスを獲得できますので、カンスト目指して頑張っている方はこのあたりをうまく利用しましょう。それでも得点によるエクステンドがあるので、結構大きいんじゃないですかね。

 さて、このようなコアのもう攻撃を切り抜けるといよいよ宇宙へと飛び出します。
 一応は第3エリアということで敵の攻撃は最強クラスですが、壁がなくなって自由に動き回れるためある意味では(プレーヤーの心理的には)「地底」「コア」よりも楽です。これって完全にスターフォー……っとっと。まあこれといって気をつける部分はないのですが、さらに高速に動き回る敵が多いので、体当たりを食らわないように気をつけましょう。
 さてさて、このように激しい敵の攻撃をくぐりぬけてエリア30の終盤に待ち構えているのは「ナニ」と呼ばれる最強の敵です。直線的に左右に動きつつ、いきなり止まって斜め前2方向にバリバリと弾を撃つやつで、3形態あります一応TYPE1及びTYPE2:Aの状態で64発、TYPE2:B以上の状態で32発撃つと破壊できます。

 かなり激しく連射しなければならないことは想像に難くありませんが、これを破壊すると5000点のボーナス+1段階パワーアップ! これは嬉しい!! 
そしてパーツが100個集まっていればそのまま……なんだっけ……あ、そうそう、宇宙空間制御装置「ドラッグ」を破壊にレッツゴー、てなわけですが、そうでなければまた地底に逆戻り。このようにして行きつ戻りつ、マゼランの如くハー ドな戦いを切りぬけ、「ドラッグ」を破壊した時――惑星ジスタスの人々は、あなたを英雄として迎え入れてくれることでしょう。二度とこのような戦いがおこらないことをいのりながら……。

 隠しキャラについて

 ○ サイクロン:

 100万点のボーナスを獲得出来るというとんでもない奴です。しかし条件は厳しく、というか知らなくちゃ絶対に出せないんじゃないかって感じとなっております。

 条件1:ゲームスタート後、エリア1のパーツはとらない。
 
 条件2:残機はゼロにしておく。

 条件3:上2つの条件を満たした時にエリア3のとある画面(ステージ開始から3画面目。左の方に緑色の2重丸地上物が3つ並び、右端の方に明滅する昔の日テレマークみたいなのがある画面)のとある座標(どちらかというと右側)にミサイルを5発撃ちこむと登場するみたいなのですが、座標がシビアなのかなんなのかわかりませんが未確認です。はい、次。

 ○ バッくん:

 黄色いクワガタムシみたいな存在です。目とか口とかがあるから結構可愛く見えるかもしれませんね。条件は「スコアの100の位が1だったら、エリア6か7のインターチェンジで登場」というものです。出てきたらラッキーですよね。

 ○ ヴァルキューレ:

 「エリア13とエリア14のレーダー(明滅する目みたいなの)をすべて破壊する」と、エリア15で画面中央に何の前触れもなく白いやつが出てきます。それです。触っても取れません。どうやって取るんだよというと、なんとそのキャラクタの周りを反時計回りに一周するんです。するとけたたましいファンファーレが鳴って10万点ボーナスです。何でこんなややこしい取り方なんだろう。なお一部情報で「時計回りに回るとパーツが10個増える」などという珍情報もありますが、そのような事実は当局では確認しておりません。

 ○ ヴィゾー:

 Nみたいな形したやつで、エリア19に登場。普通に触れば取れます。パーツ10個増えます。条件は以下の通りです。

 条件1:地底からコアまで「ノーマルワープ」で来ること

 条件2:ここに来るまでTYPE2:B――すなわち2倍パワーの連射ミサイルに進化していること。

 条件3:エリア15で「ヴァルキューレ」を出していること。

 というわけで、道中でワープキャラクターに頼らず、自力で地底をクリアして、死なないようにここまでたどり着いてください。

 ○ ヴォルフ:

 赤い星です。エリア23に出て来ます。これを取ると、なんとエリア30まで「無敵」になってしまうというものすごいアイテムです。

 条件1:エリア3で「サイクロン」を取ること。

 条件2:その後コア→宇宙→地底→コア→宇宙のエリア23に行く。

 条件3:この間、パーツをひとつも取り逃さないこと。

 要は100万点隠しキャラを取りつつ2周してパーツを一個も取り逃さないようにするということでありまして、本来ならば無敵モードになるためにはこれくらい努力しなくちゃならないんだということですね。

 ○ バルバール:

 エリア30で、条件はちょっと失念しましたが、たまに出てくる青いやつ。1発撃つと1万点、もう1発撃つと2万点、もう1発撃つと3万点、もう1発撃つと4万点、更にもう1発撃つと10万点獲得できますが しかしそれ以前に集めたパーツは0個になります。カンスト狙いならいいかもしれませんがまじめにクリアしようとしている人にとっては絶望のきわみと言えましょう。

 まめちしき:

  「パーツ100個のふしぎ」

 「何でパーツ100個も集めなくちゃならないの?」
 ――誰しもがそんな思いを持ったことでしょうから、私が説明しましょう。攻略本によると、このパーツというのは「ドラッグ」のエネルギーの一部を収めたものだということです。そしてこの「ドラッグ」ってやつはものすごくでかいエネルギーを持っているため、自機ではとてもそのパワーに太刀打ちできない――そこで「ドラッグ」のパワーに対抗するために、このパーツをかき集めていくということだそうです。
 ……もちろん、パーツを100個集めてもどこらへんがパワーアップしたんだかわかりません。じゃあ意味ねえじゃねえか、などとおっしゃいますか? いやいや――これはきっと、「ドラッグ」のいる宇宙空間に入り込むために必要なのですよ。きっとそう。そうに違いない。というわけで、ここからそういう常識を広めて行きましょう。

「ガーネットスターのふしぎ」

 ガーネットスターの「地底」は、かつては壊れた武器を捨てるために使っていたそうです。「かつては」ということなので、この時代には既に使われていないと言うことですね。そういうこともあって外から敵が侵入しやすいということもありますが、それはガーネットスターの罠なわけで、うっかり入りこむと色々な人々にものすごい攻撃を浴びせられ、捕らえられたが最後、徹底的に分析されて埋められてしまうのだそうです……。

「コア」は、イメージとしては「レイフォース」みたいなもので、コンピュータによって制御された惑星の中心部といったところですね。この表面はとても硬い特殊金属で出来ているため、自機のミサイルでは破壊できないのだそうです。――また各エリアの最後にある大型地上物の集合体は「ステッツ」と呼ばれています。試験には出ません。

 そして宇宙ですね……ここら辺は例の「ドラッグ」を守るための宇宙基地がたくさんあるため、ものすごく攻撃が激しいわけですね。そしてその「ドラッグ」を守るための最後にして最強の敵が「ナニ」……というわけですね。

  といったわけで、読みづらい部分を直しました。わけのわからないところで改行されていたりしたのを直し、過度の熱のこもった文章をもう少し読みやすくしたつもりですが、いかがでしょうか。

 私もかの名機「ホリコマンダー」(ジョイカードmkIIもありますが)を愛用しているので説得力がないのですが、やはり頭脳戦艦ガルについては手押し連射を推奨しています。もちろんそれはパワーアップした時、そのパワーアップさ加減を実感できるからです。

 まあ、手押しがちょっと無理、めんどい等おっしゃる向きもあるかと思いますので、連射装置くらいはいいんじゃなかろうかと思います。しかしながら無敵モードは、やはり当ゲームの面白みを思いっきり損なう外道なやり方であると私は思います。

 今はもうなくなってしまいましたが、かつて頭脳戦艦ガル攻略を記していたサイトに「月刊トラウマ」というのがありました。その管理者の方もおっしゃっていましたが、ク○ゲーだからといって数行レビューで済ませるというやり方は嫌いです。確かに当サイトでもたまに複数のゲームを一緒くたにして語ることもありますが、それでも、やっぱり「数行でけなしてオシマイ」というのは違うなと思うのです。

 果たしてこのゲームをク○ゲーと言う方のどれほどが、このゲームについて真摯に向かい合ったのでしょう。難易度が高いのは確かですが、そこそこ進むだけでもかなり楽しめます。そういうわけで、このレビューをすべてのガルを愛する人に捧げつつ締めくくりたいと思います。

 


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