私と下を向いていたころ
――80年代アーケードゲームおぼえがき





 80年代、だったかな。90年代にも残ってたかもしれませんが、かつて「エンドーチェーン」というデパートがありました。盛岡だけなのか東北全体なのかあるいは日本全体なのかわかりませんが、ともかくそういうのがありました。

 どちらにせよ、この言葉にいきなり古い記憶がフラッシュバックしてくる方は少なくないと私は思います。まだ屋上でイベントがしょっちゅう行われていた時代です。私も好きでした。あと、ここでいろいろおもちゃ(ラジコンとか)を買ってもらった記憶もあります。

 ですがここではそのようなノスタルジックな記憶に浸るつもりはありません。ここはビデオゲームの話をする場所ですからね。……とりあえず今回とりあげるのは、ゲームコーナー……というには少々さびしい、階段の踊り場のようなところに設置されていて、ちょこちょこっと遊んだゲームのことを語ります。

 考えてみると自分は、ほとんどの場合「前を向いて」ゲームをしていました。要するにテーブル筐体ではなくてアップライト筐体ってことですね(タイトーの筐体も「前を向いてやる筐体」の部類に加えます)。いわゆるテーブル筐体というのは、2000年代に入って突然ハイテクセガに設置された「ギャラガ」は例外ですが、たぶんこの時ぐらいではないでしょうか。

 そしてその中身も、また……ここでしか遊んだことのない、一期一会なゲームたちでした。

 
 1.「究極タイガー」

 いきなり超有名タイトルが出てきましたね。こんなに有名なやつを、お前さんはいちどしかやったことないのかい? と言われそうですが、そうなんです。実はアーケード版はこの一度きりなんです。どちらかというと私がやりこんだのは、あの悪名高いメガドライブ版でした。まあ個人的には、このMD版もそんなに嫌いではないのですが……それは稿を改めることとして。

 まあ、これといって説明は不要ですね。縦スクロールで、使用するのはショットとボンバー。4種類の武器を選択して全10ステージを攻略してくださいっと、そんなもんですか。

 攻略に関しては、何せ小学校低学年のころに一度しかやったことないもんだから、何も書きようがありません。どこまで行ったかって言うと、たぶん最初のアイテムキャリアのあたりか、戦車が続々出てくるところとか、そのあたりかな。まず、ボスまではたどり着いていないと思います。

 それでも記憶に残っているのは、初めてシューティングゲームで「アイテムを取って、パワーアップした」からではないでしょうか。初期状態ではとてつもなく硬く感じる戦車が、1段階パワーアップしただけで随分と変わるものだから、そりゃもう一所懸命にボタンを叩きますわな。それでもまっすぐ、そこそこのスピードで弾が飛んでくるもんだから、大して長生きできないのですが、

 「チャーンチャーン……チャラーン」

 と短めなゲームオーバーの音楽が流れてなお、しばらく画面を見つめていました。そうだ。タツジンボムと違って、ボンバーでアイテムキャリアが壊れてくれるから、その分(何秒か)長く遊ぶことができたんだ。だから好きだったんだな。

 後に全然違う会社から「II」が出ましたが、こちらはなんだか会社だけでなくてゲームの内容も別物になっていましたね。まあ、これはこれでそれなりにやったので、あとで書くことにして……。


 2. 「脱獄」

 いきなり、グッとマニアックなタイトルになりました。

 このゲームは、プレイヤーがいきなり収容所のドアを爆破して、守衛の人たちを殴り倒しながらヘリコプターで脱出を試みると言う夢のあるゲームです。普通ならば5秒で銃殺じゃねえのか、とか言わないでください。とにかくそういうゲームです。

 内容としてはまずは横スクロールのアクションゲームなんですが、AC版の「忍者龍剣伝」同様、主人公がとにもかくにも打たれ弱いのが特徴です。ナイフで刺されれば瀕死、M16ライフルで撃たれれば、即死。手榴弾の爆発に巻き込まれれば、即死。

 もちろん、それであれば別に文句は言いません。普通死にますわな。……ただ、普通に数発ぶん殴られただけでやられてしまうので、とりあえず一発も喰らわないくらいの覚悟で臨まないと、1ステージの半分までさえもたどり着けないのではないかと思われます。
 
 ただし、当然こちらもナイフで相手を攻撃したり、ライフルを乱射したりすることができます(3×12回くらいかな)。それでもあまりにも難易度は高いのですが、まあ、なんだか暗くて熱くて男くさい雰囲気は大好きです。ファミコンに移植された方は、大分遊べるつくりになっているので、こちらはこちらで別な機会に語りたいと思います。

 3. 「西遊降魔録」

 これもそこそこ有名なタイトルですね。熱血硬派な痛快アクションゲームをたくさん世に送り出したテクノスジャパンのゲームで、使用するのは3ボタン。ただしひとつは必殺技ボタンなので、実際に使うのは2ボタンです。

 基本的には大体固定画面で、やや凶悪な面構えをした孫悟空・猪八戒・沙悟浄(こいつだけ一発で変換できない)の誰かを使い、出てくる妖怪どもをどつき回し(まさに、どつきまわすと言う言葉がしっくり来るのが不思議です)、ある程度するといきなり暗転して登場するボス敵を倒すとステージクリアです。

 このボスの登場シーンがちょっと怖かったように思いました。雑魚敵たちもいきなり逃げ出して、何が起こるんだ? と思ったら、雷鳴とともに1面のボスが登場……なすすべもなくやられてゲームオーバーでありました。

 ただ、レバーとボタンの組み合わせによっていろいろな技が出るので、適当にボタンを叩いているだけでもそこそこ楽しかったです。ファミコン通信の「ビデオゲーム通信」で最終ボス・ラーヴァナIIまで出ていましたが、なんだか……あれはどうなんですか。 そこまでやるかって感じですね。もちろん私は実際にどれだけ強いんだかはまったくの未知の世界です。
 

 さて、そういったわけで今回は非常にあっさりと、昔やったゲームについて振り返ってきました。超有名タイトルあり、超マイナータイトルあり、なんだりかんだりとありましたが、共通するのはいずれも「一度しかやったことがない」ということです。だからこれからまた、どこかで遊ぶ機会があれば、きっとこれとは違った感想が書けるかとは思うのですが、本日はこんなところで。

 

 


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