私とリーゼント・ドラゴン・ブラザーズ
ファミコン版「ダブルドラゴン」論
今でこそアーケードゲームの移植と言えば「完全移植」ありきであって、それプラス「アレンジモード搭載!」というのが当たり前ですが、
昔はアーケードゲームと家庭用ゲームの間にはさながら先進国と発展途上国のような技術的なスペックの差があるわけで、「その差をどうやって
埋めるのか」というのが、やはりゲーム屋さんの腕の見せ所といったところでありまして。
……もっとも、なんてことを思うのはこの歳まで(注:犬神は1981年生です)相も変わらずゲームばかりやり続けてきた上で、少し達観の領域に
つま先が入ったから、なのかも知れません。正直、以前は「全然違うじゃん!」というのが感想であって、ともすれば数回プレイしたっきりで全然
プイッとしていることも多々ありました。
ただ、下手にアーケードに似せようとすると、かえってガタガタになってしまうことの方が多いような気もするわけで、だとしたらほとんど別なゲームに
なってる! って言われるのも承知で、それ自体が面白いと思うゲームを作ろう!……と思ったのかどうなのかは知りませんが、とにかく、アーケード版より
数段面白いと思うファミコンゲームがたくさんあるのだな、と最近わかりました。
今回の「ダブルドラゴン」なんですが、まあ、アーケード版とは大分違いますね。特に「1」なんかは、全然違うし。ていうか経験値って何よ。と巷間では
言われていますが、今日はそういった人たちに反発……というわけではないのですが、「そうじゃないんじゃないのかな」と思ったので、そういったことを
書きたいと思います。
1.「成長する若き龍」
冒頭、いきなりラスボス「ウイリー」が自ら路上に現れ、恋人「マリアン」をさらっていきます。「待て、貴様ら!」とばかりに主人公「ジミー・リー」が登場、
パンチやらキックやらで出てくる敵を全員倒して先に進んでいきます。
ただ、ジミーは双截拳の伝承者ではあるものの、数年前の核戦争で道場が壊滅して以来あんまり稽古をしていなかったため、本来は使えるはずの奥義が最初は全然
使えません。ジャンプキックさえ忘れてしまいました。
そういうわけなのでとにかく戦いの中でカンを取り戻していくしかありません。幸いにも双截拳はアレですが、核戦争で荒廃した世の中を拳ひとつ(と武器いろいろ)
で生き延びてきたジミーは体力はそれなりにありますし、パンチやキックの基本的な技に加え、チョーパン(頭突き)などのケンカ殺法は使えます。……あ、今ダッシュ
しようとしました?
キックは攻撃力も高く、リーチも長いのですが、それがゆえに経験値がたまりません。そういうわけで極力パンチで進んでいきましょう。2〜3発もらうこともありますが、
構わず連射していれば勝てます。
レベル2で「アッパー」を、レベル3で「飛び蹴り」を思い出します。基本的に1000で1レベルアップで、最大レベルは7です。……全部書いてしまいますか。
レベル4で「廻し蹴り」レベル5で「馬乗り(腰掛け)パンチ」レベル6は……肘うち? ちょっとよくわかりませんが、最終レベルで奥義「旋風脚」を覚えます。
「旋風脚」の威力は(見た目に反して?)かなりのもので、うまく当たれば3〜4回でボスを倒すことが出来ます。しかしながら、どうしても大ぶりな攻撃になるため
かわされてしまうことがあります。また、ザコ敵が相手だと普通のパンチ連打とかで十分に倒せるので、意外と使う場面は少ないかも……。でも、やっぱり中ボスにはよく
使います。
(ちなみに2面である手順を踏むと、誰もいないところに当たり判定が出来てしまい、そこを半永久的に殴ることでラクラク経験値稼ぎをすることが出来ます。もしも
「何でもいいから俺(私)はとにかく旋風脚が使いたい!」という方はお試しあれ)
2.「龍の征く道を」(ステージ紹介)
基本的にアーケード版の流れに沿い1面は街、2面は工事現場(建設中のビル)、3面は森、4面は敵のアジト……となります。エレベータはないのですが、ベルト
コンベアはありますし、3面は橋ジャンプがあります。コンティニューもなく、1UPもない中で、一発アウトのこのギミックはとても緊張します……。
ただ3面の後半はほとんどファミコンオリジナルの展開であって、ツララが落ちてくるわリフトを乗り継いでいかなきゃならないわと、殴り合い以外の罠がこれでもかと
待ち受けており、ともするとここでゲームオーバーになってしまうこともしばしばであります。
攻略については絵入りでとても詳しくやっている方がいらっしゃるので、細かい話はそちらに譲るとして、一応ちょっとだけメモすると、3つのリフトを乗り継いでいく
ところは、2つ目のリフトが右端に行ったところでジャンプすれば、3つ目のリフトはすっ飛ばしていくことが出来ます。単純にリスクだけが減るので、こうした方が
いいと思います。
そのあとに出てくる青い洞窟では、ある程度歩いていくと画面が強制スクロールで進み、後ろから岩がポンポンと跳ねてくるところがあります。ここはひとつエイッと
ジャンプキックで格好よく降りたいところですが、ごくまれに足元が溶岩の穴でそのままアウトになってしまうこともあります。私は小学生の頃それがトラウマになり、
わざと足を踏み外して垂直に落ちています。
ダメージは受けないっぽいですし、ダメージを受けている表情の時は岩に当たってもスルーしてくれるので、100パーセント確実に進めたい時はそういうやり方も
あろうかと思います。
で、そのあとは「リンダ」を一定数倒すと、ブーンと扉が開きますので、地道に敵を倒します。背負い投げでポンポンとがけ下に放り投げると早いです。
そして最終面……。アーケード版では一撃必殺の「槍」がありましたが、これではめでたく削除されています。とはいえランダムに飛び出す「壁」があり、ほとんど
運で私はここを切り抜けています。それまでは順調に進んできたのに、ここでゲームオーバー……なんていうことも、少なくありません。
逆にいうと、そのポイントを通り過ぎれば、あとは特別にいやらしいギミックはないので、確実に敵を倒して先に進みましょう。……あ、でも終盤の上下に動くリフト
は、「あまり下がりすぎた時にジャンプすると、飛び越えて水中にボチャン」となる可能性があるので、少し高いかな? くらいのタイミングで飛び乗るとうまくいく
気がします。結構アッサリと失敗してしまう可能性があるので、気を抜かずに行きましょう。最終決戦は、もう目の前です!
3.「龍に仇なす者」(敵キャラクタ)
ウイリアムズ……「ブラックウォーリアーズ」の中では一番テクニックに長けていて、様々な武器を使いこなす。ついでに言うと一番血の気も多く、喧嘩っ早いので、
たいてい最初に飛び出してくる。体力はそれなり。
リンダ……女子。だが男子とほとんど変わりないパンチ力を持ち、さらに鞭を使いこなす。その時の強さは仲間からも恐れられ、彼女が鞭を手にしている時は誰も近づかない
らしい。とはいえさすがに体力は低い。
ローバー……武器の扱いは得意ではないが、とにかくナチュラルなパワーが武器。彼の手にかかればドラム缶だろうと岩だろうとダンボールだろうと軽々と持ち上げられ、
恐ろしい凶器となる。そうかと思えば飛び蹴りを出してきたりするし、体力も結構あるし、素手で立ち向かうと少し苦戦するかも。日焼けサロンに通っているグループもいる。
アボボ……異形の筋肉魔人。見た目通りのパワータイプで、足は遅いがパンチは強力。さらに近づくといきなりつかみ上げられ、「りき」のマッハパンチのごとき連打を
浴びせてくることも。GB版ではジャンプキックで倒れないのでさらに大変。体力はピカイチ。黒人グループとアジア人グループがいる。さらに洞窟内には、新型爆弾のガンマ・ボムの影響なのか、
あんな感じの色になったパワーアップ版の人もいる。
チン・タイメイ……ナゾの中国人。パワーも体力もそこそこながらスピードがあり、すばやい連続突きが武器。また、馬乗りになろうとしても跳ね返してくる。中国拳法
らしく武器術にも長けていて、ナイフを投げてくることも。
ウイリー……「ブラック・ウォーリアーズ」のボスで、自分よりも先に部下を向かわせる。部下が全員倒されると、仕方なく現れるが、マシンガンを持っており、当然ながら
これで撃たれると非常に痛い。「ロックンゲームボーイ」では1コマで倒されていたが、実際にやると結構強い。
そして最後に待っているのが……すでにバレバレな気もしますが、一応、言いません。ただメチャクチャに強いというか、流れ的に結構体力も少ないので、1ミスして
体力満タンの状態で改めて戦うようになるのではないでしょうか。
ともかく、この最終決戦を征せば、そのあと待っているのはエンディングです。マリアンは果たして無事なのか。コンティニューはないので、全身全霊をかけて、がんばりましょう。
4.「そして龍は征く」
本編は1人プレイ専用となり、その内容も大分、違ったものになったファミコン版「ダブルドラゴン」ですが、徒手空拳でビシビシと敵を倒し、時々武器なんかも使って
ガンガン進んでいくという、一番大切なところはうまくアーケードから持ってきているのかな、というのがとりあえずの総論と言うか、まとめになります。
ただ、これで満足しなかった? のがプレイヤーでありテクノスジャパン様であったのか、「2」ではきちんと2人同時プレイになり、しかもストーリィもかなり深みが
あって、アーケード版を忠実に移植したメガドラ版と共存できる佳作となっています。これに加えてベジータ様の声でしゃべるとかいうPCエンジン版のソフトもあれば
向かうところ敵なしと言ったところでしょうか。
コンティニューはないし、1UPもないので、結構緊張するものの……それでもプレイ時間は最後までやっても20分くらい。気軽にとはいかないかもしれませんが、
結構いいんじゃないでしょうか。
ちなみに2人同時プレイは、あることはあるのですが、まったく同じ条件のふたりをそれぞれが使う対戦格闘モードになっています。必殺技で一発逆転! などの要素が
なく、地味で淡々としたものになっていますが、100パーセントの割合でプレイヤーの実力が反映されるので、何か対等な条件で決着をつけたいと思った時などに、これで平和的に解決するのはいかがでしょうか。
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