私と仲間と大戦車軍団
――『大旋風』論




 
 名前と裏腹に?


 『TATSUJIN』『究極タイガー』『鮫!鮫!鮫!』などと比べると格段に地味と言われる本作。私もあまり、今まではやりこんでいませんでした。

 何せショットは基本的に真正面のみ。パワーアップしても同じ弾が2列から4列になり、そして6列になり……と微々たるものであって、冒頭に掲げた3タイトルと 比べると、大きく見劣りしてしまいます。少なくともパッと見て、「おっ、なんか面白そう!」と思う人の数は少ないような気がします。ちょっとレトロな印象も 持ってしまうかもしれません。

 でも、実際にプレイしてみると、すごく丁寧に作られたシューティングであることがわかるんですよね。それに見た目ではわからない、ノリのよい音楽と爽快感。

 地味でシンプルだからこそわかる味。玄人好みというか、いぶし銀の佳作なのです。


 繰り返される悲劇、終わらせん


 舞台となるのは『ゴロンゴ国』。5年前に世界中を巻き込んで繰り広げられた戦争の際、もっとも激しい戦闘が行われた場所でしたが、それでも年月を経て少しずつ 復興を遂げてきました。

 しかしながら、ゴロンゴ国陸海軍を統帥する大将軍ジョバンニが突如クーデターを起こし、南方にあるボボ島を拠点に『ファンガニア国』の独立を宣言。手始めに ゴロンゴ国を制圧せんと軍を動かしてきたのでした。

 ゴロンゴ国のブラット大統領はただちに反撃を命じましたが、最新鋭の軍備で固められたファンガニア軍には太刀打ちできず、半年後には国境近くの山岳地帯まで 追い込まれてしまいます。

 そこでは政府軍の最後の希望を託した航空機部隊『大旋風』が反撃の時のために猛特訓を行っていたのですが、残念ながら体制が整う前にファンガニア軍に見つかって しまいます。こうして訓練の完了しないまま、部隊は各個飛び立ったのでした……。


 怖いのは敵の弾だけ


 というわけで、他の作品と比べても相当追い込まれた感を漂わせつつ発進となりますが、道中は意外とのんびりしたものです。銀色の二連砲戦車『クイックシルバー』は ちょっと硬いし、いきなり画面の横とか後ろからスッと出てきてドンと撃ってくることもありますが、そう言うものだと思って立ち回ればあんまり大変なものではありません。

 あとは、このゲームでは自分と味方以外の航空機が出てこないので、基本的に敵の弾にさえ気をつけていれば画面中を縦横無尽に飛び回ることが出来ます。 『鮫!鮫!鮫!』なんかは超高速でビュンビュン襲い掛かる敵機にぶつかってしまう事故も多発しましたが、そういうことがないのも、のんびり感の理由かも。

 それから、さっき『パワーアップが地味』といいましたが、地味ながら単純に初期状態の2倍、3倍となるわけなので、ボスクラスの硬い敵に撃ちこむ時はダメージ効率が 結構変わって来るんですよね。このあたりもプレイしてみないとわかりませんよね。


 「私が死んでも代わりはいるもの」


 あとは本作のキモというべき『ヘルパー』。1回ボタンを押すと白い双発機に乗った仲間たちが6機出てきてフォーメーションを組んでくれます。ショットは初期状態の 自機と同じ2連装の機関砲ですが、何せ数が多く、さらに画面中に広がってうちまくるので、そっちこっちから敵が出てくるこのゲームではなかなか頼りになります。

 ところが先ほど紹介したストーリィのように訓練が未完了なためか、はたまたそのように命じられているのか、基本的にあまり大きな移動はしません(自機の動きに合わせて ほんの少しは動きますが)。そしてどこかの超時空戦闘機についてくる火の玉みたいなやつと違ってちゃんと当たり判定があるので、被弾すると火を吹いて墜落してしまいます。

 しかもただ死んで終わるものではなく、画面内にいる敵めがけて体当たりをします。この破壊力が相当なもので、3面に出てくる大型艦船の艦橋(5方向弾を撃ってくる)も 一瞬で破壊できます。これを見るたびにマンガ『エリア88』のキャンベルを思い出したのは私だけではないでしょう。

 また、ヘルパーがフォーメーションを組む前にボタンを押すと、強力な爆弾を投下することが出来ます。これはすぐ発動する割に持続時間が長いので、ドサクサにまぎれて 張り付き鬼連射で破壊する時などに重宝します。

 なお、タイミングが遅れてヘルパー展開中にボタンを押すようなことになってしまった場合、まだ飛び続けられるのにヘルパーが各個体当たりを敢行します。これは絶対に やってはいけないことです。あえて断言します。ダメ、ゼッタイ。


 戦いは続く、どこまでも


 本作は、いわゆるステージごとの得点計算とかがなく、一度飛び立ったらやられるまでず〜っと空を飛び続けます。さらに『TATSUJIN』のように、特定のステージボス というのも存在しません。音楽は4種類あるので、それをもってステージ1〜ステージ4と分類することが出来ますが、中ボスと大ボスの区別が付けづらい作品であります。

 なので私が存在感と実際的な強さから『ステージボス』と認識しているのを某番組のノリで紹介したいと思います。はいワンツースリー!


 3位:『合体戦車フレッド&ジンジャー』

 なぜか分離/合体する2両の戦車。片割れだけなら3方向弾をパッパッと撃つだけなのですが、合体するとその連結部から猛烈な攻撃を仕掛けてくるので、片割れが 出てきたらボムを使って合体前に破壊するのが基本的な攻略方法。片方を破壊してしまえば、あとはショットだけでも大丈夫です。


 2位:『新型潜水艦マッドオクトパシー』

 4面序盤で出てくる強敵。異なる2種類の攻撃をバリバリ繰り出してくるので非常にかわしづらく、さらに2機セットで出てくるのでここで残機を使い果たしてしまう こともよくあります。

 攻略法としては……まあボムで何とかごまかして打撃を与えるのもそうなのですが、それでも破壊しきれないので、つまるところ『避けて撃つ』という基本的なことを するしかないと思われます。ただ、それでも2機同時に相手にするのは難しいので、片方を出来るだけ早く破壊して、1対1で戦うようにしたいものです。


 1位:『試製最終拠点防衛重砲車 トモマヤJ88(仮)』

 正式名称がわからないので、とりあえずこんな感じにしましたが、要するに最終ボスです。攻撃自体はシンプルなはずなのですが、速度が速いのと、組み合わせで来るのとで 非常にかわしづらいです。そのためボムを2発使って無理やり破壊するのが定石です(そのためには、扇風機みたいな敵がぞろぞろ出てくるラッシュをボムなしで 切り抜けなければならないのですが)。


 絵がすごいAC版、音がすごいPCE版、……MD版


 本作のアーケード版については、実はあまりやりこんではいないのですが、その代わりメガドライブ版が非常に気に入っています。

 ある時、「これのアーケード版は、どうなんだろうな」と思って調べてみたのですが……うーん、アーケード版はさすがにスゴイですね。

 具体的には、グラフィックがとても緻密に描かれていると言うこと。大型戦車に撃ちこめば火が出るシーンなんかは他のゲームでもありましたが、これのスゴイところは 『装甲にヒビが入るザコ戦車』『2連装の砲身のうち、片方が壊れてももう片方で撃ってくる』など、大量生産のザコ敵にも手を抜かない職人芸を見ることが出来ます。

 それを見て、あとどれくらいで壊れるかな、と言う目安にもなるので、アーケード版になれるとMD版は少し難しく感じられます(その代わり全体的に耐久度が低い気がする)。

 また、当家にはかつてPCエンジンCD−ROM2で発売された『カスタム』もあります。こちらは音楽がCD−DAで収録されていて(これが非常にカッコイイ!)、 最後にひとつオリジナルステージが追加されているのが特徴です(これは非常に……ムズカシイ!)。

 これらに対してMD版はというと……えーと……そうだ! 周回を重ねると自機がヘリコプター→ジェット機って感じで進化するんですよ! すごいでしょう!!!
 
 いや、戦車に少しずつヒビが入るとか、そういうのはありませんけど、プレイ感覚が近いのはMD版のような気がします(爆発したアトがちゃんと残るとか)。これは私が メガドラびいきなところを差っぴいても、そんな風に思います。


 そんなこんなで『大旋風』。遊んでみると相当面白いのです。何せ古いゲームなので、アーケード版をプレイするのは難しいと思いますが、 家庭用の方なら本体も簡単に手に入るでしょうし、ぜひ一緒に買ってみて、遊んでもらえればと思います。

 


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