私とクラリス――
『シティコネクション』論

   
  私という人間は「ルパン三世 カリオストロの城」を見たことがない、世にもまれなる人間でありますが、 クラリスという名前は知っておりました。 銭形のとっつぁんいわく、ルパンに心を盗まれた女の子ですよね。それゆえ恐らく大多数の人が「クラリス」といえばあの女の子を思い出すんでは ないでしょうか。
 ですが、犬神はこっち(『シティコネクション』)のクラリスの方が好きです。激しくときめきます。知人の家のパソコンでやってみた海外版では、さすがに 80年代アニメっぽい美少女は適さないと判断されたのか、よくわからぬ金髪男になっていてずっこけたもんですが、ともあれ好きです。というわけで、 今回はこれ。


 1985年にジャレコより発売されたこのゲームは、いわゆるドットイートタイプのゲームです。自機は赤い車で、これでもってすべての道路を走り尽くす ことが目的です。――走り尽くすとステージクリア。ボーナス点をもらい、次のステージへ。と、まあそんな感じです。 どこまであるのかはわかりませんが、1ステージごとに背景が変わり、BGMのアレンジも微妙に変わってくるのでかなりいい感じです。どんな感じかっていうと ニューラリーXとかマッピーとか、ああいう感じです。シンプルゆえに、やっているうちになんだかちょっと不思議な気持ちになるような、そんな感じ です(って、そんなのもしかして犬神だけ?)。
 でも、ただ普通に道路を走るだけじゃないのがこのゲームの世界(とクラリスカー)の特徴です。まず道路が3段にも4段にもなっています。横から見て そんな感じなので、当然上に行ったり下に行ったりしなければならないのですが、別にスロープがあるわけではないのでこの車はボタンひとつで ジャンプします。ついでにいうと空中で方向転換も出来ます。慣れて来ると道路上に出てくる邪魔っけな諸々の者たちをピョーンと飛び越えられて、 かなりこのゲームのおもしろ要素を強めているかと思われます。
 今、「道路上に出てくる邪魔っけな者たち」と言いましたが、それというのはすなわち「パトカー」「猫」「たけのこ」の3つです。
 パトカーは、こっちからしてみればじゃまっけですが、スピードを一切落とすことなくすっ飛ばしている車を止めさせようとしているのだから、そんなに 悪いわけではないのかもしれませんが、普通にぶっつかるとクラリスカーは大破します。そうするとかわいそうなのでオイルでもぶつけてスピンさせてから ぶっつかりましょう。
 次に「猫」についてですが、犬神はある意味最強の障害物であると考えます。ランダムに、何の前触れもなく路上に現れてクラリスカーの行く手を 阻みます。猫にぶっつかるとクラリスカーは急停止、可愛い猫をはねてしまったことを悔いてクラリスはやる気をくじかれてしまいます。たぶんもっとも多い、 ミスの原因ではないかと思われます。見かけたらUターンして回避しましょう。
 あと、「たけのこ」は……発生要因がいまいちよくわからんのですが、1番下であんまりうろうろしていると発生するのかもしれません。いきなり道路に ニョキッと生えていて、ぶっつかるとやっぱりクラリスカーは大破します。油断していると発生するので気をつけましょう。


 さて、自機である赤い車(ホンダのシティという説が最有力)の名前はクラリスカーです。クラリスという女の子が乗っているからそう言う名前です。 だからどうした、というと、それゆえにこのゲームを「ギャルゲー」というのはいかがなものか、というのを提唱したいのです。
 これというのは私が特別に「ギャルゲー」という言葉に嫌悪感を覚えているためかもしれませんが、「ギャルゲー」というからには女の子がウリ、極端 なものになるとヴィジュアルのおまけにゲーム本編がある、なんて言うものもあるかと思われます。――そこまで行くと本末転倒と言うか、そういうのが 支持されてもいいんですが、犬神には何が何やらよくわからないといった感想を覚えてしまいます。
 まあそこまでいかないにしても、ゲームの中である一定以上のヴィジュアルを前面に押し出してくる(または「押し付けてくる」)ものを朴念仁・犬神は 「ギャルゲー」と認識します。ゆえに(広報活動ではアニメティックなアピールをしているものの)タイトル画面にもゲーム中の画面にも出てこず、 ステージクリア後のボーナス査定の時に控えめにちょこっと出て来たくらいのこのゲームを「ギャルゲー」と呼ぶのは、さていかがなものかと。大体 このゲームはあくまでも、いつ出てくるかわからないような猫やたけのこのスリル、パトカーにオイルを投げつけてぶっつかる爽快感、とかなんとかと いったものを楽しみ、その上でオマケとしてクラリスがちょこっと出てくる、とか、まあそういったものであると思います。

 最近はまあ、犬神も大分うまくなり、ステージ3まで進むことが出来ました。ステージ1はアメリカ、ステージ2はイギリスと来て、ステージ3はフランス と来たもので、このペースで行くとエジプトとかインドとか中国とか日本とかが出てくるんでしょうか。そして彼女はなぜ、走り続けるのでしょうか。これ には何やら諸説あるようなので、それらをあわせて作ってみました。

 アメリカはカリフォルニア州出身の少女・クラリスは地元警察の間では「スピード狂のクラリス」として(悪い方で)有名でした。地元ではいつも彼女の 愛車である赤い改造シティターボ「クラリスカー」と何台ものパトカーとの追いかけっこがされていましたが、結局いつも彼女をとらえることは出来ず じまいでした。その日もまた……。
 「くそーっ、またクラリスに逃げられた!」
 「しょうがないですよ、警部――道路にオイルを撒かれたんじゃ、どうしたってかないっこないですよ……」
 「くっ……どんな目的があるか知らないが、必ず捕まえてやる!」
 ――と、クラリスを捕まえることに情熱を燃やす警部ではありましたが、ある日いきなり彼女はイギリスへと飛んでしまいました。そしてイギリスのハイウェイを カリフォルニアのハイウェイと同じように猛スピードで疾走していたのでした!
 「走り出したら止まらないの――私の素敵な人に出会うまでは、誰にもつかまらないわ!」
 今日も世界のどこかのハイウェイで、理想の結婚相手を探すクラリスと各国の警察との追いかけっこが行われている……。

 警部?……まさか銭が……まあいいや。大体、Web上にて調べた複数のストーリーをごたまぜにするとこういう感じになるようです。なるほど、結婚 相手を探して世界中を旅していたんですね。『ワールドヒーローズ』のジャンヌ・ダルクみたいなもんですね。いや、何を隠そうワールドヒーローズで最初に クリアしたキャラがジャンヌでして……まあ、そんなことはどうでもいいのですが、なるほど、そういうことだったのですね。
 そんなわけで、文章はやたら長いものの、毎度のことながらとりとめのない文章になってしまいましたね。それというのも思いゆえ――まあ、ご了承 くださいな。








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