チェイスH.Q.のこと

私と『チェイスH.Q.』シリーズについて





 一般にビデオゲームというのは、最初にゲーセンでプレイしてしかる後にスケールダウンされたコンシューマの移植版を遊ぶ、というのが一般的 であろうかと思われます。まあ、最近はスケールダウンどころか完全以上の移植をされているようですが……それでもファミコンなどであれば、 オプションが2個しかつかないとか(後に4個にはなったけれど……)、ナスカの地上絵が省略されてたりとか、ゲームとしての完成度は高いにしても もう少し物足りないような、そう言うものであったように思われます。
 しかしながら時として、その順序が逆になる場合というのもございます。すなわち犬神の場合、初めからファミコンのために作られたと思っていた 『スターフォース』が、近年になって業務用で最初に出ていたことを知り、同時に元々の開発がハドソンではなくてテーカン(現・テクモ)だということ を知りました。――とかと、こんなように家庭用で知って、後に業務用でプレイするというのも時々あるわけですね。

 1章  ポルシェ928ってすごく頑丈   

 今回のテーマである『チェイスH.Q』もそうでした。最初にやったのはPCエンジン版でした。
 そう、あれは確かファミコン通信の増刊として出されたPCエンジン通信において、渋谷洋一氏がレビューを書いておりました。それを見て犬神、 とにかくやりたい気持ちがわくわくと出てきて、どうやって入手したかは覚えておりませんがとにかく入手し、白いPCエンジンのコントローラを握り締め 連日はまりこんだものです。
 最初は普通のドライブゲームであるにもかかわらず、追っかけていた犯人の車を見つけるなり 体当たりをして強引に止めさせるあたり、爽快感もひとしおというものです。そして同時に、この 初代のそれで出てきたパトカーであるポルシェ928の大ファンとなり、プラモを買って来て真っ黒けに塗り、ゲーム以外の場所でもよく想像して楽しん だものでした。そして、「ポルシェ928って言うのは、ものすごい頑丈な車なんだなあ」と信じていました。
 後に業務用をやった時、最初はちょっと不慣れなところがありました。というのは、PCエンジンのコントローラとハンドルでは勝手が違うというもので、 PCE版では方向キーを入れっぱなしにしていると連続的に体当たりが出来るのに、業務用では1〜2度ぶつけるとすぐに離れてしまうためそれが 出来なかったのですね。――そう言うわけで、PCE版と比してかなり難易度が高いように感じました。
 ただ、このゲームのもうひとつの楽しみというのは犯人の情報を教えてくれるナンシーや相方の色々な音声を聞くことだったりするわけで…… ナンシーについては後に別項を設けてお話しますが、パートナーがよく色々しゃべるやつで、スイッチひとつで急加速できるターボを使った時、 分岐点を曲がった時、体当たりをした時と、色々なコメントをしてくれます。で、そんな風に言われているとプレーヤもついついその気になってしまう わけで、いつのまにか相方の言葉に答えてしまっていたこともあったそうです。

 2章    S.C.I.ってSpecial Criminal Investigationってこと

 一方で、続編となる「S.C.I」については、今のところ業務用しかプレイしたことがありません。
 私の大好きなポルシェ928がフェアレディZになってしまって少々残念ではありましたが、しかし何といってもこの第2作の特色は「銃」ですよね。 普通の車で言うクラクションのあたりにあるボタンを押すと相方が拳銃を撃ってくれるというもので、しかも犯人を見つけるとどういうわけだかヘリから バズーカ砲を支給され、ドカーンと一発食らわせることが出来るわけですよね(普通、こんなの一撃でも食らったら大破してしまうような……)。 何やら第2作では犯人が仲間を引き連れて走ることが多く、バイクやら車やらで邪魔をしてくるわけですが、そういうのを露払いするのの他に、 対向車線を走っている時にやって来た一般車両とかをどかすのにも使いました。 何と言う警官でしょう。
 この拳銃システム、どうも一般的にはあまり評判がよろしくないようですが、犬神としてはそれほど悪くないように思われます。あくまでも補助的な 要素にとどまっているし(拳銃で与えられるダメージというのは微々たるものなのです)、本来重要な要素である「爽快感」というのもそれほど損なわ れているわけでもありませんし。いずれにせよ、全3作の中では1番プレイした回数が多いのがこのS.C.Iでした。ゲーセンで、温泉のゲームコーナー で……。

 3章  目には目を、トレーラにはトレーラを

 そして第3作……拳銃システムが廃止された『スーパーチェイス』は、トータルバランスが非常に高い、個人的には1番好きな作品です。  今作は前2作と違って視点が後方から追いかけるような形ではなく、ドライバーズアイ、運転者の視点から見る形となりました。ポリゴンではない ようでしたが、これによってぐっとリアルさが増したというものです。
 また、アニメーションが多くなりました。アニメーションというか何と言うか……要するに「どんなやつがどこでどういう犯罪をやらかしたか」という絵が 出るようになったのですね。ヤク中が宝石店強盗をしたり、テロリストがお屋敷を爆破したり、ナイフで男を脅してお金と女の子を分捕っていったり、 まあ世の中には悪いやつがやたらといるものですね。そしてそう言う連中を追いかけて体当たりしてとっ捕まえる……と、まあこういうわけですが、 今作ではなんと自分の車も壊れます! 窓ガラスは粉々になるしボンネットは吹っ飛ぶし……その都度相方は、「高いんだぞこの車!」とかなんとかと悲鳴を上げております。犯人逮捕の ころには恐らく廃車となっているだろうと思われます……。
 あとは、ステージによって乗る車が変わる、というのも新しいですね。最初はポルシェだと思われるのですが、2面になるといきなりジープになります (犯人がジープで、山岳地帯へと逃走しているため)。さらにどこのステージだかは忘れましたが、最初は普通にポルシェに乗っていたのですが、 途中でトレーラつきのでかいトラック(コンボイとか言うやつでしょうか)に乗り換えて、それでもって犯人のトラックに体当たりしたりするわけで…… 西部警察もびっくりの激しいカーチェイスを演じることが出来るわけです。
 そういうわけで、この第3作については連続コンティニューをしてようやく全面クリアしました。シリーズ中でもかなりお勧めできます。ドライブゲーム がお嫌いでなければ、一度お試しいただきたいと思います。

 4章 ボーン・トゥ・ビー・ワイルド  

 今日び、ゲーセンにいくと、峠を走り回るやつがはやっているみたいですね。バトルギア3とか、頭文字Dとか……。これらのゲームは犬神も大好き でしたし、後者については実に数千円もつぎ込んだかと思われますが、最近はちょっとご無沙汰しております。お金がいくらあっても足りないや、と いうこともありますが、どうも、1分1秒を争うような競争に嫌気が差して、土俵から降りちゃったんですよね。どちらにしても常にタイムを意識してかから なくちゃならない。
 そこいくとちょっと前のレースゲームの中には、ラップタイム以外のところに目的があるようなゲームがあって、気楽にしかし真剣に楽しむことが出来 るように思われます。もちろん、それらのゲームにも制限時間という概念はあり、それを超えると犯人に逃げられたり時限爆弾が爆発したり(『ホット チェイス』ですね、コナミの…)するわけですが、目的はさっさと安全地域に脱出するとか犯人をとっ捕まえるとか、そういうところにあるわけで、つまり アバウトでいいんですよね。「とにかく、犯人捕まえればいいでしょ」みたいな気持ちでプレイできる。最近のドライブゲームで言うとちょうど「クレイジー タクシー」みたいな感じのやつでしょうか。あまり運転がうまくない(現実世界でも、免許を取るために頑張っているものの、なかなかうまく行かずに苦戦 中)ので、こういうたぐいのものへ気持ちが向いてしまいます。

 と、まあ、こんなところでしょうか。元々これといった主張を目的としたものではなく、ただ記憶を文字で表現するのが目的だったのでこんなところで よろしいでしょう。いずれ、ドライブゲーム関連のコラムのひとつとしてまとめてみたいと思っていたことには違いありませんし……。しかしながら犬神、 一切いいかげんな気持ちはなくこの文章を書きました。このコラムをお読みになって、もし貴方がこのゲームについて何か思い入れがあるようでしたら、 遠慮せずに掲示板の方でぶつけちゃってください。そうしていただければ、まさに望外の喜びであります。


 おまけ:「ナンシーより緊急連絡」


 本文中ではあえてほとんど触れませんでしたが、このゲームはシステムの進化、敵の進化(暴走族の連中がボンネットに飛び乗って来たり、何か の組織の連中が武装ヘリで襲撃して来たり、等々)とともにナンシーも進化? してきました。
 初代では顔を見せず、ただ音声だけで「ナンシーより緊急連絡。切裂魔ラルフが郊外へ向かって逃走中。ターゲットは白のスポーツカー。どうぞ」 とかなんとかとアナウンスしてくれるだけでしたが、S.C.Iでは顔が出ました。アメコミっぽい、リアルな白人女性として描かれており、話し方もかなり映画 の吹き替えっぽいしっかりとした声とか話し方とかになっていました。
 そして第3作では顔が一新され、ブロンドで青い瞳の白人女性であることに変わりはないのですが、思い切りアニメティックな顔になっておりました。 またビジュアルの出る面積が従来と比べてかなり大きくなり、非常に……その、なんと言いますか……ま、悪い気はしませんよね。ともあれそんな風に 変わったということです。
 さらに第3作では、ナンシーとこちら側の間でちょっとした会話ドラマが展開されました。これは彼女の、事件に関する情報提供のあとに交わされた のですが……

 第一回
 ナンシー:「最初が肝心よ。頑張ってね」
 第二回
 刑事(プレーヤ):「お嬢さん、今日あたりお茶でも、いかが……?」
 ナンシー:「……まだ仕事中よ」
 第三回
 刑事   「どーでもいいけど、最近化粧が濃くない……?」
 ナンシー:「……! 何よ、あんたには関係ないじゃない!!」(切断)
 第四回
 (ナンシー、仕事の内容だけ伝えてすぐ切断)
 刑事:「さっきのこと、まだ怒ってんのかよ……?」
 第五回


 で、エンディングで大きな仕事を終えて、ナンシーと刑事(の片方)が……ちょっといい感じのムードになっておしまい、という、最後にちょっと ニヤリとさせるような終わり方をします。ちなみに後半ステージになるにつれて記憶が薄れており、第四回はうろ覚え、第五回についてはついに 思い出せなかったので書くことが出来ませんでした。知っている方いたら教えてください。
  と、まあ、ちょっと補足をしました。ちなみにセガサターンで第1作と第2作をカップリングしたやつが出ているそうなので、お持ちでない方は 探してみるのもよろしいかと思われます。また、MAMEとかなんとかいうものでも出来ると聞きましたが、これについてはあまり多くを語らないことと いたしましょう。  

  というわけで、戻る  

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